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コロガシをいくら勧めても、ツーオンツーパットという定石がゴルファーの頭に強く刻まれているので、コロガシは居場所が無くてはじかれてしまう。そこでツーオンツーパットという役に立たない亡霊を排除することが先決だと気付いた。

なるほどツーオンツーパットは日本のプロゴルフトーナメントでは定石かも知れないが、アメリカのを見ているとそうでもない。アメリカのトーナメントではピンにデッドのすごいショットが多い代わりに、ツーオンに失敗して第三打をエッジから打ってカップインする場面やベタピンに寄せる場面もまた多い。ツーオンワンパットとスリーオンワンパットが多いのだ。

日本のトーナメントは必ずツーオンはするがピンには寄らない。アマチュアは全ホールツーオンはしないが何ホールかはツーオンする。それをプロが見せてくれても面白くはない。確率型ゴルフのアメリカと解析型の日本の違いなのだが、サーカスだってすごいのを見せてくれなければつまらない。今時一輪車に乗るだけではサーカスにならない。

「コロガシのススメ」の邪魔をする日本のトーナメントに八つ当たりするわけではないが、日本のプロで唯一アメリカと同じやり方で戦ってきたのがジャンボ尾崎プロだ。気付いていないだろうが、彼の魅力は難しい距離からピンデッドのすごいショットだし、グリーンを外したときの寄せワンを得意とした。

それもパットではなく、寄せそのものがカップインしそうなショットばかりだから見ている人は面白い。ジャンボはジャンボファンの知らないところですごいのだ。ツーオンツーパットというお念仏は、アマチュアにはちょっときついし、プロにとっては物足りない、中途半端なお念仏である。そこで「コロガショット」を定石に組み込むとどうなるか。

ツーショットコロガショットツーパットでボギーになる。ツーオンツーパットの場合はツーオンすると距離が長くてスリーパット、スリーオンするとツーパットになる。無論これにはコロガショットが入っている。どちらも90で回れることには変わりないが、どちらの定石でプレーした方がいいスコアになるかというと、断然ツーショットコロガショットツーパットの方である。

第一にセカンドの目標が大きく取れる。どうしてもオンさせようという場合に比べて、コロガしやすい場所を目標に含めれば、目標は広がるからそれだけプレッシャが少なくなる。確かにツーオンの練習は可能であるが、しかしツーパット圏内にツーオンさせる練習は簡単ではない。

アメリカのプロは余程の事情がなければツーパット圏内のツーオンにはこだわらない。ピンデッドにこだわるのである。従ってピンデッドに来ないときはグリーンさえ外す。ここが確率型ゴルフの由縁でもある。アマチュアがツーオンにこだわって練習してもツーパット圏内には打てないからスリーパットでチャラになってしまう。

ところがコロガショットは距離が短いので練習するとすぐうまくなるし、家でも練習できる。15ヤードをコロガショットで50センチに寄せる練習は、150ヤードを打って3メートルにオンさせる練習より断然簡単でありながら価値は等しい。

コロガショットをちょっと練習すれば1メートル以内はすぐだし、1メートルのパットが問題ないゴルファーならばツーショットコロガショットワンパットというパーが身近になる。ツーオン3メートルの練習はちょっとでは済まないし、それが何とかなっても、3メートルのパットは安全に入る距離とは思えない。

プロのパットを見ていると、グリーンエッジよりもグリーンからパターの方が楽そうに見えるが、彼等のパットはアマチュアよりはるかにうまい。アマチュアとプロを比較した場合、ショットのうまさよりもパットのうまさの方がその差は大きいだろう。それでゴルファーは誤解する。エッジからのコロガシよりはロングパットのほうが簡単だ、と。

あるいはツーオンする方がかっこいいと思うのかも知れない。それはとんでもない話だ。パーに近いショットの方がかっこいいのであって、ノーチャンスのロングパットよりも、同じ距離ならコロガショットが出来るエッジの方がはるかにピンに寄る。

練習すればもっと寄る。ロングパットの練習より確実に効果がある。なぜならコロガショットには「どこへ落とすか」という目印がすぐそこにあるからだ。パットにはそれがない。ベターッとカップまで打たねばならない。

ツーオンツーパットというお念仏はもはやプロにもアマチュアにも御利益が少ない。プロにとってはリードを守って逃げ切るときのお念仏であり、アマにとってはパットの名手だけが使えるお念仏というところだろう。

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