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その昔コカコーラがヨーヨーを流行らせたことがあった。私もその時にヨーヨーで遊んだ。ヨーヨーは回転する。この回転速度を表示するヨーヨーがあればゴルファーには朗報である。どうすればヨーヨーの回転速度を上げられるのか。ヨーヨーの速度でないところがミソ。

投げる速度を速くすれば、つまり思いっきり投げれば投げるほど回転速度は上がる。それは事実だ。これがゴルファーにとっての飛距離のイメージだが、ヨーヨーの回転速度を上げる方を考えた時、ゴルファーの神話が崩壊する。ヨーヨーの回転速度を上げようとするとき、私たちは思いっきり投げるだけではない。

誰もヨーヨーの回転速度など考えたことはない。しかし投げ降ろしたヨーヨーが手元まで戻ってくるように努力するのが人情である。そのためにあなたは何をしたか。思いっきり投げようとしただけだろうか。いや、それよりもヨーヨーが最下点に達する前にひょいと引き上げる、そのタイミングに習熟した。

ヨーヨーの回転速度をドライヴァーのヘッドスピードと考えよう。思いっきりヨーヨーを投げる速度は確かにスイングスピードを上げる。と共にヘッドスピードも上げる。スイングスピードとヘッドスピードを別物として考えると話が分かりやすくなる。

走り幅跳びの選手は助走を速くする。助走が速ければ遠くまで飛べる。短距離選手が幅跳びをやるのはこういう事情であるが、だからといって100メートルのチャンピオンが常に幅跳びのチャンピオンになるわけではない。幅跳びは飛ばなければならない。

飛ぶ技術が同じならば、飛ぶ瞬間に速く走っている方が遠くへ飛べるだろう。しかし飛ぶときには走っていられない。ここから先は飛ぶ技術の世界だ。ヘッドスピードを上げる技術が同じなら、スイングスピードが速い方が遠くへ飛ばせる。しかし打つときには走っていられない。

どうやってヘッドスピードを上げるか、それはどうやってヨーヨーの回転速度を上げるかということであって、ヨーヨーを投げるスピードを上げることと基本的には同じだが、本質的には違うことなのだ。

私がヨーヨー打法やスウェイ打法のすすめを書いたのは、思い切り打つより三割ほど飛距離が増すからだったが、余り理解されなかった。私自身が飛距離に無関心なので説得力がなかったのだろう。

タイガーのスウェイ打法と言ったが、ジャンボのスイングを見ても、明らかに上下のスウェイを使っている。使っていると言うよりそれで打っている。グレッグ・ノーマンという飛ばし屋も伸び上がりで打っている。彼は背が高いのでエルス同様上がるだけだが、ジャンボとタイガーは下がって上がるヨーヨー打法である。

ヨーヨー打法はちょっと屈伸するだけで劇的にヘッドスピードを上げることが出来る。ヨーヨー打法は屈伸のタイミングだけ考えているからクラブを目一杯振り回すというイメージはないが、屈伸した瞬間、全身が無理矢理働かされる。私は腰痛持ちだが、少し痛いくらいならば目一杯のスイングは出来る。しかしヨーヨー打法は出来ない。

つまりヨーヨー打法は自分から思い切り打っていくよりもっと大きな力を引き出すので、体に悪いところがあると出来ない。それだけ劇的なパワーが出るという証拠でもある。自分の意志による全力と火事場の馬鹿力の差だろうか。したがってヨーヨー打法はマジックではない。それだけの力を出しているから飛ぶのだ。ちょっと屈伸してごらん。

前に書いた通りその屈伸はタイミングである。どこで屈伸するか教えられない。ただ何と言うか、走り幅跳びや高跳びや三段跳びの選手が助走を始めるときにピョンと跳ぶだろう。あれは意味がない。意味はないがみんなやる。

誰にも教えられないのに、誰も教えはしないのに世界中の選手が、子供が、やっている。ヨーヨー打法の屈伸のタイミングと訊(き)かれて答えられるのは、あれだ。走り出すときのあの不思議なピョン。それはダウンスイングが走り出すときの、ヨーヨー打法のピョンという屈伸と同じタイミングだろうと思う。変な話だ。

変な話だが、そういう目でタイガーやジャンボのスイングを見れば、目から鱗が落ちる。回転速度表示装置付きのヨーヨーはないか?

ヨーヨー打法を試してみるにはドライヴァーよりもウェッジがいい。ウェッジを軽く振ってどこかでピョンとやるとボールが普段より飛ぶ。目一杯振っても飛ばないところまで飛んでいく。ウェッジでピョンのタイミングを覚えるとドライヴァーでも出来る。

世の中には軽く打っている様に見えてすごく飛ぶゴルファーがいる。タイガーのように明らかに思い切り振って飛ぶゴルファーを見ると安心するが、あんなにゆっくり軽く振っているのに何であんなに飛ぶんだ、と思うゴルファーを見ると、道具のせいだろうかと悩んでしまう。それはヘッドスピードとスイングスピードを混同しているからだ。

タイガーの打法はゆっくり振っても相当に飛ぶ。しかしそれを見る機会はほとんどないので、みなさん気付かないだけだ。スイングスピードを上げられれば飛ぶ。それはヨーヨーをより速く投げることと同じだ。そうすれば戻ってくるヨーヨーの速度も上がる。しかし、ヘッドスピードを上げる方法は速く投げるだけではない。

いかにうまいタイミングでヨーヨーを引き上げるか、それがヨーヨーの回転速度を上げるコツであり、そうすればヨーヨーはすごい速度で戻ってくる。これがヘッドスピードである。つまり飛ぶ。おわかりだろうか。飛ばしたければ上下左右にどんどんスウェイするのが正しい。正しいタイミングでスウェイすれば劇的に飛ぶ。

ただしうまく当たらないと、先生が「そういう打ち方は間違っています」と講釈を垂れる。そりゃそうだが、常に完璧に当たれば誰も文句を言わない。それどころか「すばらしい打法だ」と言い出す。凡人なんてみんなそんなもんだ。本質は誰も知らない。勝った者が正しいだけだ。うーん。

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