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ゴルフクラブは歪んだ道具である。真っ直ぐ飛ばないように作られている。バットだってラケットだっていつもうまく当たるわけではない。それでも楽しい。それは道具が自然だからだ。打ち損なえば、自分の下手くそを笑う。だから楽しいのだ。

ところがゴルフクラブはどんなに運動神経の発達した人が打ったにせよ、真っ直ぐには飛ばない。しかもなぜ真っ直ぐに飛ばないか、わからない。まさか道具が歪んでいるとは誰も考えない。

疑わない人は平和である。しかし歪んだ道具を歪んでいないと思い込むことは、内に向かっては被害者だが、外に向かえば加害者になりうる危険をはらんでいる。それがゴルファーだ。

歪みのないゴルフクラブを使うと、初めての人も真っ直ぐ打てば、真っ直ぐに飛ぶ。ボールが高く上がらないとか、距離が出ないというのは初めてだから仕方ないが、それでも楽しくゴルフが出来る。何よりいいのは、何か教えようと意気込む歪んだ人種の出る幕がないことだ。

中途半端に上手なゴルファーは、自分の方が歪んでいるのに気付かないから初心者を馬鹿にするが、それは歪んだ道具を使えるようになるために、自らを歪ませてしまった、歪んだ人間の証明に他ならない。

念のために言えば、プロゴルファーは歪んでいない。彼等は多かれ少なかれゴルフの真実を知っている。だから彼等はゴルフの初心者に対して、一般のゴルファーよりもずっと好意的であるだろう。それは単に営業上の都合ではなく、ゴルフクラブという道具の歪みに薄々気付いていながら、それで喰っている人間の、一種の懺悔である。

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