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野球のバットと同じ形態のグリップがゴルフクラブに付いていたらどうなるか。ゴルフのグリップはグリップエンドが太く、ヘッドの方向へ行くほど細くなる。これをテーパーと言う。リレーのバトンのような筒状のものはテーパーがないが、たとえばゴマを擂(す)るときに使う棒にはテーパーが付いている。

バットは先が太くなければならないから、自然にテーパーが付いて、すっぽ抜けないよう、グリップエンドにストッパーが付いた。ゴルフクラブ自体にテーパーは不要なので、グリップはただの筒状でも構わないのだが、やはりグリップが滑ってクラブがボールの代わりに飛んでしまっては困るから、グリップエンドに向かって段々太くしてある。

初期のクラブのグリップに現在ほどの大きさのテーパーがあったとは思えない。それはゴルフクラブの進化だろうと思う。ところが、もしもクラブを握ったときに、左手で握る部分よりも右手が握る部分の方が太く作られているクラブがあったら、何が起こるだろうか。

これは案外の大問題になる。スインガーと言われるタイプのゴルファーにとって、このグリップは一般に使いにくい。しかしヒッターにとっては右手のパワーと繊細な感覚の両方が画期的に使いやすくなる。実際、コントロールを必要とするショットの場合、右手の指が持っているセンサーは、現行のテーパーでは半分殺されてしまう。

私のようなスインガーにとっては左のグリップが全てだから、右手が何かするのは困るが、ショットに微妙な加減が出来るゴルファーにとって、それを一手に担当するのは右手の指である。右手を使うなというのは不器用なヨーロッパ人に向けたレッスンである。

世界に誇る繊細な手先は、世界で活躍する日本人外科医ばかりではなく、一般的に日本人のアドヴァンテイジであるから、これを使うなというのは、世界的な土俵の上で戦うときに、自分の切り札を捨てろと言うのと同じで、日本人に対しては実にお馬鹿なレッスンである。

仮にゴルファーにはヒッターが80パーセント、スインガーが20パーセントいるとすれば、80パーセントの日本人ゴルファーにとって、逆テーパーのグリップは必需品かも知れない。私自身はスインガーだから逆テーパーのクラブを欲しないが、ヒッターには必要だろう。

ルールがあるので右手のかかるところだけ太くするわけにはいかないと思う。滑らかに逆テーパーでなければならないとすると、それを簡単に作って試してみる方法は、新しいラバーグリップのグリップエンドを5ミリ切り取ることだ。そうするとグリップが両端解放の筒状になる。

それを逆に差し込めば逆テーパーになるから、最後にグリップエンドにストッパーを取り付ける。昔まだグリップが皮巻きだった頃には、グリップエンドに差し込むためのストッパーが付いていた。探せばまだあるだろう。なければ作ればいい。ストッパーとグリップの間の不具合をブチルテープを巻いてごまかせば、とりあえず出来上がる。

このグリップは画期的である。実に画期的だ。しかしさっき話したように、ヴァードングリップを考案しなければならなかったほど手先の不器用なヨーロッパ人にとっては、ゴルフで最もやってはならない、信じられないくらい恐ろしい改造だから、NHKのゴルフ解説者のような、死んでも治らない馬鹿どもから非難されるのを覚悟で試験しなければならない。

駄目かどうかはやってみないとわからない。私はスインガーなので普通のゴルファーのような打ち方はしない。だからこれについては私がテストしても意味がない。実際に右手の感触によってボールをコントロールしているゴルファーがテストしないことには、真実はわからない。

うまくなければ失敗だが、それはその試行錯誤の失敗であって、実験をすることが失敗なのではない。やってみないでただいいとか悪いとか言う愚か者と比べれば、桁違いに知的な結果である。誰かやってみるといい。何時までも西洋信仰で済むとは思えない。何時かは嫌でも先頭を切らねばならないときが来る。その日のために、自分で考える精神を身につけよう。筆者

アホな補

このタイトルは141である。ヒューレットパッカードが作った傑作スペクトラムアナライザーと同じ番号だ。中古でも高くて買えなかった。

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