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U.S.PGAのトーナメントではショートすることはまずない。バックスピンのかかり過ぎでカップを通り過ぎて手前になる以外、ボールはカップの左右ややオーヴァー気味にとまる。ところがたまに日本のトーナメントを見るとほとんどのプロが手前にショートする。手前から攻めるのは日本ゴルフ独特のセオリーである。

しかし不思議なことに、というべきか、その日本のゴルフコースには強い受けグリーンが非常に多い。ド素人が打ったってとまる。かなり長いクラブで打ってもとまる。だから手前からゴロゴロと転がって乗るときの方がちょうどいい加減になることが多い。それは外国のグリーンで手前に乗せると転がっていく感じとよく似ている。

受けているグリーンへ直接打つとボールはすぐとまる、当たり前だ。ピンに直接当てるつもりで打っている私でさえショートするのに、初めから手前に落とそうとする理由がわからない。3メートルの下りよりも5メートルの登りの方がパットは楽だと言うのは幾らかわかるが、実際にはゴルファーは15メートルの登りを残す。もしもピンへ打っていれば1メートルの下りが残る。

日本では受けていないグリーンはコースに一つしかない。そう思っていていい。だからピンを狙って打ってもオーヴァーするのは一回だけで、あとはベタピンになる。それを信じないとベタピンが一回だけであとは全て大きくショートする。日本人ゴルファーの特徴だ。

強い受けグリーンばかりだから日本のプロは登りのパットを残したいので手前に打つ。しかし手前といっても10メートルも手前には打たない。それなら3メートルの下りの方がいい。手前からというのはそういう意味なのだが、レッスンを商売にしているプロは生徒のレヴェルをあからさまに言えない事情があって、手前から、と教える。

本当はあんたの実力じゃピンデッドに打った方がいい、と言いたいのだが、言えない。プロと同じやり方、正しいセオリーを教えざるを得ない。さらに悪いことには練習場でさんざん打った中の最高の球を自分の飛距離として記憶している日本人ゴルファーは、ゴルフ場ではその70パーセントしか飛ばないことを信じないし、知らない。

ワンラウンドに一回だけその距離が出たとしても、あとは全て7割の距離しか出ない。そして手前から攻める。何という恐ろしいことかと、恐ろしいショートかと思うのだが、実際にずっとそういうショートを続けてラウンドが終わっても、ゴルファーは全く気付かない。気が狂っているとしか思えない。

自分のアイアンが飛ぶということを信じたいのか、それがいいと思っているのか、全部がむちゃくちゃにショートしているくせに、そのたびに「ショートした」っと、まるで非常に珍しいミスのように言い、本人もどうやらそう思い込んでいるらしい。冷静に見物していれば、このゴルファーは気が狂っていると思わない人はいないだろう。

ピンを狙って打てば、半分がショートで半分がオーヴァーするのが自然だろう。また半分が右へ、半分が左に外れる。筋の通った話だ。しかし私は日本人ゴルファーがピンをオーヴァーしたのを見たことがない。特別なミスショットを除いて。

ちなみに受けていない、あるいは奥へ向かって下がっている難しいグリーンはなぜか横長のグリーンに多い印象がある。小判を縦に置いたような縦長のグリーンは受けているが、小判が横置きになっていて奥行きのない、それでなくても難しそうなグリーンに限って受けていないで奥へ下がっている。

不思議だが、気を付けていただきたい。グリーンが妙に横長な場合に限って、手前から攻めた方がいい。

日本のグリーンはパラボラがティーグラウンドに向けてセットされているようなものだ。的にぶつければとまる。外国のグリーンはそのパラボラが空へ向いているというか、少し向こうへ向いている。だから奥へ打つととまるが手前に低いボールで乗せると転がってずっと向こうまで行ってしまう。

芝生を植えるよりお芋や野菜を植えるのが日本とドイツ、それにフランスだから、芝生の歴史が浅い。それで日本ではグリーンは小さい。メンテナンスが楽だから。その分受けるグリーンが増えた。

手前から攻めること自体は間違いではないが、20メートルも手前の、やっとグリーンに乗りました状態ばかりでは意味がない。ピンデッドに打って、もしも本当にピンデッドにとまるその日まで、ピンオーヴァーに打つつもりで打つべきだ。それでもピンは越えないだろうが。 筆者

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