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グリーンの外からパターを使うとき、これをテキサスウェッジと呼ぶ。コロガシ屋の私としては大いに勧めたいクラブ選択だが、テキサスオープンでポール・ゴイドスが使ったテキサスウェッジは完全な誤りである。

世界一と信じられているアメリカのプロゴルファー達のやることが必ずしも正しいわけではない。それを知っていて欲しい。ヨーロピアンツアーの肩を持つわけではないが。

ゴイドスはグリーンまで約3ヤード、そこからピンまで25ヤードほどのアプローチにテキサスウェッジを使った。グリーンの奥からだから芝生は逆目の可能性があり、それに喰われる程度を考慮しなければならない。

案の定彼はミスをした。テレヴィの前で彼がパターを持ったときに、私は「そりゃ違うだろ」と言ったが、無論彼の耳には届かない。この場合グリーンまで直接飛ばしてカラー部分の逆目の影響を避け、それでピンまで転がるクラブを選択するのが正しい。ドライヴァーやスプーンで直接グリーンへ乗せるとちょっと転がり過ぎる感じだ。

バッフィーでもどうか。しかしウェッジでピン近くに打つのはコロガシの法則に反する。ゴイドスはグリーンの速さを知っているわけだから、あの状況ならば7番アイアンでグリーンに落とすとショートするくらいの距離だろう。

彼が6番で転がしたらカップインしたかも知れない。少なくともカラーの芝生の影響を読み取るよりもグリーンへ直接落としてカップまで届くアイアンを選ぶ方が簡単なことは明らかだ。何番アイアンを使うとどれだけ転がるかは練習でわかる。グリーンの速さは調べがついている。

しかし初めての場所にある逆目の芝生の抵抗力は測りようがない。なぜそんな愚かなことをするのか私には信じられない。グリーンまでピッチし、グリーン上をランニングさせればそこにハザードはない。全てが計算できるショットだ。それなのになぜ想像力を必要とするテキサスウェッジのショットを選択したのか。

キャディバッグの中に、そこから直接グリーンへ打ってピンをオーヴァーしないクラブが何本かあれば、その中で一番長い、つまり飛ばす距離が短くて済むクラブを選ぶのが正しい。

それが一本もないか、あるいはロフトの大きなウェッジのようなクラブを持つ危険を感じたときにテキサスウェッジの出番がある。ポール・ゴイドスは明らかにテキサスウェッジの出番を間違えた。

グリーンの外からパターを使うことをなぜテキサスウェッジと呼ぶのか、テキサスの風土やゴルフ場、あるいは地元出身の有名ゴルファーなど、考えれば想像できるし調べればわかることだが、それよりもテキサスウェッジの心は究極のコロガシの法則なのだということに気付いて欲しい。

テキサスは乾燥している。「え」と発音すると空気がのどに届いてちょっと刺激がある。それを「あ」と発音すると、空気がのどの奥にまで行かないことはやってみるとわかる。「え」と「あ」とはのどへの刺激度が違うのだ。

それでテキサスの人はイギリス人やオーストラリア人と同様、デイをダイと発音し、「アイ」を「オイ」と発音する。「アイ」よりも「オイ」の方がのどに対する刺激が少ない。

オーストラリアは乾燥していて、日本から持っていった蚊取り線香が6時間で燃え尽きる。あちらで売っている蚊取り線香が不気味に巨大だったのはそう言うわけだ。

ちなみに、肩が痛いという年寄りに日本の秘宝とも言うべき「せんねん灸」を差し上げたら、次の日の朝病院へかつぎ込まれた経験がある。燃えるのが早くて高温になる。

テキサスは乾燥しているので芝生も乾燥している。しっとりと粘りのある芝ではない。それで芝目の影響が少ない。テキサスウェッジはそういう環境で便利に使われたに違いない。

技術的な話

グリーン奥からはカラー部分が逆目になりやすい。グリーンには芽がないし下りになりやすい。この場合カラーに喰われる分を計算するのが非常に難しくなる。

高級なグリーンには特徴があって、パターで転がすとすごく速いのに、アイアンでピッチするとあっと驚くほど止まる。

たとえばグリーンエッジ1ヤードから8番アイアンで1ヤードほどポンと打ってグリーンに乗せると場合によっては数センチしか転がらない。7番でさえ1メートルということがある。

8番と同じ力加減でパターを振るとボールは40ヤード以上転がって向こうのエッジから落ちるのは間違いない。上から落ちたボールと初めから這っていくボールでは同じ力で打った場合転がる距離が全く違う。

つまりアイアンの場合はバックスピンがかかるし上から落ちるのでボールが止まり、パターは初めから這(は)っていくので恐ろしく転がる。

ゴイドスは速いグリーンの下り坂という難しいパットラインに、必要な強さでポンとボールを落とすのを怖がった。だからパターを使った。ライが悪ければパターも使いにくいのだから、ライのせいではなかった。

ただコロガシの法則を知らなかった。カラーに喰われる分を差し引いたそのあとに、思い通りの繊細な速度をグリーン上で生み出すのは無理な話だ。グリーンが速いからこそピッチエンドランをすべきだったのだ。筆者

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