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パターを逆手、つまりリヴァースと呼ばれる握り方で持つゴルファーは珍しくないが、普通のショットに逆手を使うゴルファーを見たことがあるだろうか。私は見たことがある。しかも気を付けて見なければ気付かないほど普通に打つのである。

日本のゴルフ場ではまず見られない光景だが、教科書にこだわらない質の人々が住む世界では、まれに見かけることがある。ちなみにテニスの両手打ちでも逆手で打つプレイヤーは存在する。

左右ともに両手で打つ場合、握り変える人もいるが、そのまま打つ人もいるので、その場合にはフォアかバックかどちらかが逆手になる。ティム・ガリクソンもそうだった。

普通両手打ちはバックハンドに使われるので順手なのだが、歴史上初めて両手打ちで成功したパンチョ・ゴンザレスは、バックハンドは片手なのに、フォアハンドを両手で打つ変わり種だったから、逆手の両手打ちだ。ゴルフでも慣れると打てないことはない。

ごく最近、アメリカのトーナメントで逆手のゴルファーが優勝争いをしていた。優勝したかも知れないが、彼は100ヤード以内を逆手で打つのだそうだ。その方がコントロールがいいと、なるほど理にかなっている。

クラブを逆手で持つと何が起こるか。初心者には必然のヘッドの遅れが起こりにくく、従ってスライスしない。上手なゴルファーはヘッドの走りすぎを押さえられるのでドローを防げる。レイトヒットという言葉は気分の話で、実際にレイトヒットして真っ直ぐ打つことは出来ない。

それは「二つのインサイドアウト」で水面下方式を採った場合に限って可能だが、相当力がいる。ヘッドが遅れているのにフェイスの向きだけ遅れないというのは、顔が西を向いているのに胸は東を向いているくらい矛盾している。

万が一それで真っ直ぐに打てるならどこかで何か秘密のあっこちゃん。逆手では普通レイトヒットにならない。初心者でなくても、逆手で素振りをするのはいいことである。

自分の普段のスイングがどの程度レイトヒットしているか良くわかるし、大抵のゴルファーはそれでボールを打とうとしてもなぜか空を切る。

何度やっても空を切るということは、普段のスイングの位相がずれていて、ヘッドが戻ってこないうちにスイングはボールの上を通過しているという事になる。そうするとそれでなぜ普段ボールが打てているのか、という疑問が生まれる。悩むことはいいことだ。

初めてゴルフ場にデビューするゴルファーはきっと逆手の方がいいスコアで上がるだろう。右へ右へとボールをプッシュアウトして、練習場と何でこんなに違うのかとショックを受けないで済む。

アヴェレージゴルファーでも、グリーン奥のラフに転がり落ちたボールをサンドウェッジでグリーンに打ち上げなければならないという時、逆手で持てばトップはしてもまずざっくりはやらない。

逆手の素振りはスイングの位相ずれを矯正するための非常に効果的な方法である。それに、実際逆手でゴルフをするゴルファーをゴルフ場で時々見かけるようになれば、日本が何となく進歩したような感じがすると思う。

「ゴルファーに愛を!」の中にはあちらこちらに逆手のパットが将来主流になると書いてある。実際この10年でリヴァースグリップのプロが急増した。しかし前向きパットはその先の主流である。50年先の「普通」が見られないのは実に残念だ。

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