« 0125 スイングプレーン型と神主型 | トップページ | 0127 アイアンマットの大罪(レディースゴルファーの悲劇) »

簡単というのは技術的な意味で簡単と言うのである。打ち方は人様々で、特にいい悪いはないと信じている私は、この打ち方にしなさいというレッスンめいた話を馬鹿にしている。「80を切る方法」と書けばレッスンのように聞こえるだろうが、スイングの話は一切出てこない。

スイングはゴルファーそれぞれがやっている、自分のスイングで結構なのだ。それでもこれが「ゴルファーに愛を!」初めてのレッスンと言えば言えなくもない、か。

長い間テニスコーチをしていて気付いたことがある。子供はさほど熱心に上達しようとしているようには見えないのに、次の日になると、ちゃんと言われたことをそのまま覚えてコートに戻ってくる。ところが大人は、上達したいという気持ちが強く、非常に熱心に努力するように見えて、案外肝心の所は覚えてくれない。

なぜかというと、ひとつには、子供は言わばまっさらの白紙の上にものを描くので、描いたものがそのまま現れるが、大人はすでに前に描いた絵がそのまま残っているキャンバスの上に描かねばならないから、どうしても色が濁る、という事情がある。しかしそれは大した問題ではない。

大事は大人がわがままだということだ。子供にとっても大人にとってもスポーツは遊びであり楽しみだが、子供は素直(すなお)にどこまでも練習する。大人はつまらなくなった時点でやめてしまう。その「時点」というのが妙にみな同じところにある。大人はみな同じハードルの前で引き返すのだ。

そのハードルが特に高いというわけでもない。しかし大体そのあたりで、大人はもっと簡単な方法はないかと、別のレッスンに逃げ込むのを常とする。しかし別のレッスンを受け始めても、やっぱり同じハードルの手前まで来ると、止まってしまう。その繰り返しだ。

「精神力で簡単に80を切る」レッスンではどういう打ち方をしろとは書かない。したがって打ち方は自由だ。精神力と断り書きをしたのは、出来るかどうかが問題なのではなく、やるかどうかだけが問題だからだ。自分のスイングに出来る出来ないはない。やればいいだけだ。やれるかどうか、そこで精神力が問題になる。

レッスン1/4

ティーショットがフェアウェイを外したら80は切れない。どんなことをしても、決して全てのホールのティーショットでフェアウェイを外してはいけない。そのためにどうするかはゴルファーの自由だが、ドライヴァーをスプーンに持ち替えることは一般的でも、プロでさえ失敗するから余程スプーンが安定しているゴルファー以外、あまりいい手ではない。

そうやってどんどん短いクラブを想定してみて、どこまで来れば安心してフェアウェイにボールを落とせるか考える前に、フェアウェイをよく見てみる。

そうするとクラブ選択はフェアウェイの形状次第だということに気付く。一番横幅の広いところが、一番安全だ。横幅が20ヤードしかない160ヤード先より、70ヤードの幅がある200ヤード先の方がいい場合もある。

バックティーからの方がレギュラーからよりやさしいということがある。それに気付かないのが80を切れないゴルファーである。

短いクラブを考えるのはいいことだが、フェアウェイの幅次第だ。無論一切の神頼みはお断りする。「昨日練習場で打てた」ショットが、最悪の結果をもたらすのがゴルフというものである。

ある日の練習は、半年先のための練習であり、明日のためではあり得ない。半年たって、半年前の練習を思い出せる人はいないが、その時打てたショットだけが、今日ゴルフ場で打てるショットだ。絶対に昨日の練習場でのショットを思い出してはいけない。

ドライヴァーの打ち方を変えて、距離は落ちるが方向性の安定したスイングを作る手もある。スプーンのシャカ力よりドライヴァーのコントロールショットの方が安定する、ということはあり得ない話でもない。

しかしそのための練習時間はほとんどない、と思っていただきたい。先を考えていたら一生がすぐ終わる。これは「ゴルファーの真理」と言っても過言ではない。

場合によっては500ヤードのティーから7番アイアンで打つ覚悟が大事だ。第2打のライさえよければ、スプーンで打てば3打目はアイアンで打てるから距離は問題ない。それを無闇にドライヴァーで打ってラフに入れるようでは絶対に80は切れない。

レッスン2/4

グリーンへのショットは出来るだけ転がす。

高いボールは危険が一杯なので、出来る限り転がして乗せようと思わなければいけない。別に風がどうのというレヴェルではないが、高いところから落ちるボールはトラブルになりやすい。

バンカーの目玉は言うに及ばず、上から落ちてラフに捕まるのと、転がってラフに入るのとでは雲泥の差がある。その差はワンラウンドで7打と計算できるほどだ。

したがってグリーンに向かって打つショットでは出来る限り長いクラブを使う。これ以上はどうやっても無理だというところまで長い方のクラブを選択し、軽く打ってグリーン手前から転がって乗るようなショットにする。

余程受けているグリーンや、手前に花道のない不当なデザインのグリーンでない限り、絶対直接グリーンに乗せようとしてはいけない。常に手前から転がして乗せること。

普段7番で打つところは6番か5番で軽く打てば、ボールは低いし転がって乗せられる。たとえ7番で簡単に乗せられる実力があっても、それなら6番で手前から乗せるのはもっと簡単なはずだ。

もしもコントロールショットが上手なら、いっそ4番でフェアウェイからゴロゴロと転がせればもっといい。とにかく出来るだけ低い球で狙う。高い球は打たない。

レッスン3/4

コロガシの練習をする。

コロガシについての話は「ゴルファーに愛を!」の中に沢山あるから技術的な話はしない。練習は3メートルまでは家の中で出来る。アイアンマットか人工芝の切れ端を用意するだけだ。

それ以上の長さは滅多に必要ないからとりあえずはやらない。3番アイアンからサンドウェッジまで、まず50センチ先にボールを落とす練習をする。それから50センチ刻みで3メートルまで、どのクラブでもきちっと決められたところにボールが落とせるまで練習する。

3メートルは布団を出して家具に寄っかかるように置くか、イスやソファーに掛ける。布団の、大体これで3メートル飛ぶと思われる場所に印を見つけ、ぶつける。コロガシが自由になったら、アプローチの練習が出来るゴルフ場を探して、一度行ってみる。

その日のラウンドはともかく、早めに出かけてアプローチの練習場で番手ごとのクラブの飛ばしとコロガシの比を確かめ、手帳に記録する。3番から9番、出来ればウェッジまで、それぞれ50センチ打つと何センチ転がるか、1メートルではどうか、3メートルまで詳細に記録する。そのノートが80を切る鍵になると言える。

ちなみに、コロガシで、経験上強いて言うことがあるとすれば、コロガシではクラブを短く持つことが多くなるが、短く持つほど右に出る。この当たり前のことがかなり顕著に現れるので、練習を始めたとき、ボールが自然に真っ直ぐ出るような長さを見つけるといい。打ち方やフェイスの向きで調整しないことが肝要だ。

そして実際のグリーンまわりでは、少し右に打ちたいときや、左に出したいとき、クラブの長さを長めに持ったり短めにしたり、楽しんでみるといい。結構おもしろい。

もう一つ、たとえば3番アイアンなどは初めのうちはほとんどボールが上がらないと思う。50センチ打つと、どこに落ちたかよく見えない。しかしだんだん慣れてくるにしたがってボールは上がるようになる。そうすると飛ばしとコロガリの比も変わる。

レッスン4/4

大きな練習場に行くのを我慢して、素振りをする。

練習が悪いはずはないが、どうも酒に飲まれるのと似て、練習するはずが練習に飲まれるゴルファーが多い。上手になるとそんなことはないが、私の予想では、すごくうまいアマチュアは滅多に練習場には行かないような気がする。週一どころか、月に一度行けば沢山だろう。しかし素振りは毎日欠かさずすると思う。

「練習に飲まれる」ということがどういう意味か、書いている私にもうまく説明できない。しかしその表現が、80を切れるだけのスイングを持っているのに90さえ切れるか切れないかのゴルフをしている多くのゴルファーにはピッタリの表現なのだ。

大きい練習場でなければ問題ない。打っても10メートルしか飛ばない練習場なら素振りと同じだし、そもそも「飲まれる」ほど大きくないということだ。ただそういう練習場は人気がないせいで少なくなる一方だ。これも「練習に飲まれたい」ゴルファーが多いからに他ならない。

こういう傾向は病院と似ている。小さな町医者に人が来なくなって、大きな病院で4時間も待たされながら、一袋の風邪薬をもらってくる。こういう事情は流行であって決して効果的とは思えない。

ずっと自分を診てくれている主治医というのは、どんな高価な検査器械を持っている大病院より確かだ。検査器械は15年前高熱を出して大変だったことは覚えていないだろう。

80を切りたいなら、小さな練習場を見つけることだ。そうすれば決して練習に飲まれることはない。たとえ10メートル先のネットでも、昔からある小さなつなぎ目にボールが当たるときは調子がいいか悪いか、記憶がよみがえる。それが大事なのだ。広い練習場で、すばらしいショットが出たときのその球跡が、全てを狂わせる。

特にラウンドの前の日など、どうしても練習したいなら、それがどんなに遠くても、小さな練習場を見つけておいて、大きな練習場の前を素通りしてでもそこへ行くことを強く勧める。それが明日のスコアを左右する。信じられないならば、ハンディ3くらいのゴルファーに聞いてみよ。ハンディ6では、駄目だ。 筆者

« 0125 スイングプレーン型と神主型 | トップページ | 0127 アイアンマットの大罪(レディースゴルファーの悲劇) »

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)


コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。



« 0125 スイングプレーン型と神主型 | トップページ | 0127 アイアンマットの大罪(レディースゴルファーの悲劇) »