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Y型スイングとT型スイング、ニクラウスの言葉、様々な不思議がある。ニクラウスは左足かかとの延長線上にボールを置くと言う。無論それは両足のかかとを結んだ線に対して、左足のかかとから地面を這(は)って垂線を立てたその線上という意味である。

ユークリッドの原論という訳本を持っている。雨でワンラウンドが出来なければ、そのグリーンフィーで買えるので、是非一冊買って欲しい。枕にするには少し薄いが、1万円の枕はそうないだろう。

Y型スイングというのは、肩と両腕が作る三角形の手のところの頂点からゴルフクラブがぶら下がっているのだが、T型というのは構造的には縦長の長方形をイメージするとわかりやすい。肩幅が上の辺になり、左腕とクラブが作る縦長に地面まで届く辺が肩の線に直角に出ている。

残りの二辺はイメージであるが、これによってゴルファーを正面から見たとき、何となく長方形が出来上がる。問題はどこに回転軸があるかということだ。長方形の板が空間的に動くわけで、それではどういう風に動くか。

首は上の辺の真ん中にあるので、これを中心に回そうとすれば、バックスイングでヘッドが地面を掘らねばならない。対角線はどの辺よりも長い。

左足かかとの延長線上にボールを置くというのは、実は大問題なのだ。ところが、実際にゴルファーは地面を掘らずに平気でバックスイングしている。そこが不思議だ。

幾何学的には、地面を掘らないでバックスイングするには左肩を中心に回転させるしかないが、それは変な打ち方である。あるいはフラットに振る。フラットにバックスイングすると、一瞬ヘッドは前に飛び出すが、地面にはぶつからない。しかしニクラウスのスイングは極めてアップライトである。

私は左足かかとの先にボールを置いて打ちたいと思っているが、躊躇(ちゅうちょ)する。何十年前からずっと、躊躇している。それ以前には確かにそこへボールを置いていたのだが、ある日この事実に気付いて以来、躊躇している。

ニクラウスはどうしていたかというと、彼の場合は元々スウェイに対して一切の不信感を持たなかった。彼はアドレスでヘッドを地面に置かない、つまりソールしない。それもボール一つ分の高さ以上高いところでアドレスする。

打つときは私同様腕が伸びると思っていたのか、きっちりスウェイするのか、とにかくボールのところへヘッドが来るようにしていた。これだと左足かかとの延長上にボールを置いても全く問題なくバックスイングできる。

何しろアドレスからバックスイングにかけてヘッドが下がる量はわずかだから、空間にアドレスすれば下がっても地面は掘らない。

もしもこの世に、左足かかとの延長線上にボールを置きなさいと教えるコーチがいて、しかも同時に上下にスウェイするな、言ったとしたら、そのコーチは気が狂っている。

あるいは、生徒がヘッドを地面にソールしようとしたら気が狂ったように1センチ以上地面から離して空間でアドレスしなさいと叫ぶだろう。この場合は気が狂っていない。

簡単そうに見えて、当たり前そうに見えて、案外とんでもないことは、あるのだ。ゴルフレッスンは、ほとんど80パーセントがそういうウソで出来ている。嘘でなければ間違いであるが、謙虚に考えないから起こす間違いというのは、未必の故意であって、それは嘘と同じである。

左足かかとの延長線上にボールを置くタイプのゴルファーは、左足下がりではかなり打ちにくいだろう。元々地面を掘らなければバックスイングできないはずなのだから、右に上がっている地面はすごく邪魔になる。

しかし、ごまかしのない理論を持っていれば、迷わない。たとえばニクラウスのように空間にアドレスして打てばいい。元々スイングの行き帰りが同じでなければいけないはずはないのだから、はっきりそう宣言すればいいのだ。

私も例外ではないが、足りない頭は理論的なのを好むが、その足りない頭で理屈通りに理論をまとめようとすると、無理が出る。嘘が生まれる。正しさを好むか、ただ出来上がった形の美しさに囚われるかが、その理論の行く末を決めるだろう。

誤りを訂正するのに勇気はいらないが、権威や知名度という座り心地のいい座布団を捨てるには勇気がいる。幸い私は地べたを這って生きているからそういう心配がない。うーん、筆者。

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