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ロフト12,3度のアイアンを作ると、ゴルファーのスタイルにも依るが、構えたときにロフトがゼロになって、フェイスは真っ直ぐ立っている。私のスイングはそれでもボールを打てるだろうが、プレーするために必要なクラブではない。スイングを研究するとき、ロフトとライ角はスイングを複雑にする。

ロフトゼロのアイアンでも、依然としてライ角はあるが、クラブの要素の一つを無視できることは、それだけシンプルに考えられるということだ。ちなみに私がかつて練習に使っていたビリー・キャスパーの2番アイアンが大体11度か12度くらいだったと思うが、これをややシャットに構えるとロフトはほぼゼロになる。

重さのないクラブも要素が一つ減るので、スイングを考えやすくする。ヘッドを取り去ったただのシャフトはとても軽いので好きなようにスイングできるから、自分が思い通りに振るとどういう振り方をするのかがわかる。

長さのないクラブもいいと思う。これだとスイングイメージがない代わりに、一番振りやすい構えが見えてきて、自分にあったクラブシャフトの長さがわかる。

こうして制約のない裸のスイングを見てから、徐々に重さや長さやグリップの太さやライ角、ロフトという風に現実のクラブが持っている力学を自分のスイングにとけ込ませていく、それがスイング作りである。

ロフトはそういう制約の中では一番軽い要素だと思うが、それでもロフトゼロのクラブを構えればロフトの違いによる心理的錯覚から解放される。初歩的にはそもそもボールを上げようという気持ちが働くゴルファーにとって、ロフトゼロのアイアンには誤った逃げ道が用意されていない。

なまじ掬(すく)い上げられそうな形をしているから悲劇は起こる。ロフトゼロのアイアンを構えてみると、ボールを上げるためにしなければならないことはただ一つで、小細工が効かないことがはっきり見える。掬い上げてもボールは逆にドロップするという真実のイメージがそこにある。

もう少し高度なレヴェルで言えば、バックスイングの取り方が鮮明にわかる。無論人によってスイングは千差万別だから、どういうバックスイングが見える、と、ひとつに決まったものではない。それぞれのスイングにとって一番いいバックスイングの上げ方がはっきりとイメージできるということだ。

ロフトゼロのアイアンを作るのは簡単ではないだろうが、3番アイアンのフェイスに斜めにカットしたチーズを張り付ければよい。 これなら失敗してもビールのつまみになる。凝り性の人はアイアンと同じようなスリットを刻めばよりリアリティが出るだろう。

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