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現代の最新技術を考えるまでもなく、写真の精細さはすごいと誰もが認めている。ところが絵画の精密さにはかなわない。今時細密画というのは流行らないから写真と比べる機会もないのだが、画家が本気になれば、写真は絵画に及ばない。

 
サーヴィス判で精細な写真を、4つ切りに拡大するとやや甘くなる。全紙にすればぼけて話にならない。写真はどこまで行ってもそういうものだ。その点絵画は無限にズームイン出来る。だから写真を修正するのは人の手であり筆である。

 
筆先の細さには限界があるが、キャンバスの大きさは自由だ。写真はCCDがどれほど小さく作れても、カメラが大きくならない限りいわゆる乾板の大きさに制限があるので、絵画の精密さに軍配が上がる。ただしそれには画家の技術が必要になる。写真は誰でも撮れる。

上手な写真を撮るには手ブレを防ぐことである。今時は手ブレ補正という便利な仕掛けがあるが、ゴルフスイングに応用できる仕掛けなら研究する価値はある。光学補正ならば人の目が使えるかも知れないし、マイコンの化け物なら人間の頭を使えばいい。ただしこの仕掛けには処理速度の関係で時差がある。ゴルフスイングは速いからそれがどうかというところだ。

絵の精度の方はつまり画家の修行をすることだから、才能という壁が心配だ。それで私は手を出さない。世の中の多くのゴルファーは、趣味として絵を描くのを楽しむのと同じ感覚でゴルフを楽しむが、才能に期待しないで精密にやりたい私は写真機を使おうとする。

野球の投手はそこへ投げようと思って投げるだろう。画家と同じだ。しかし才能がなければその願いは叶わない。月面着陸を成功させた科学者たちは、そこへ飛べと言って飛ばしたわけではない。もしかすると、月さえ見たことがないかも知れない。

 
思うに、100ヤード先を狙うのは人間業で済むかも知れないが、200ヤード先の目印をどうやって狙うことが出来るだろうか。第一遠すぎてそんなに細かく目標を定められない。思った通りに打てても、ボールがピンに当たる自信がどこから出るのか、それがわからない。しかしそれが出来る人間がいる。

偶然ではなく、明らかに狙って当てているからこそ、外れると悔しがるのだ。素人が遠くからグリーンにオンさせて、それがカップからやや遠くだったときにかっこだけで悔しがるのとは違う。超一流のプロのショットは芸術的な人間業である。しかし、私には到底出来かねるので、月面着陸の科学者たちの方法を考えるわけだ。

 
タイガーもニクラウス同様、ボールの前30センチあたりに目印を付けてそれを見て打っているが、目印の大きさはどれくらいだろうか。直径1ミリの目印の中をボールの真芯が通れば、200メートル先の1メートル以内の範囲に打てる。2ミリずれたらカップから2メートル近く離れる。

思いの外わずかな値だから、30センチ先の目印は確かに効果的である。タイガーたちはこれを使っているのだろうか。ショットの方向性が確かならば、左右のブレについてはこれだけで間に合う。奥行きはどうか。15メートル刻みに1本のアイアンのフルショットがその距離を決定している。

ショットの強さを1メートル刻みに可変出来るとすれば、その14段階をどうやって作り出すのだろうか。クラブを変えれば、可変範囲を半分で済ますことが出来るから、7段階でいい。しかしそれにしてもどうやってスイングの強さを7段階に可変するのか。

人間技(わざ)ならば話は簡単で、ただテクニックだと言えばいいが、そのテクニックの詳細はと尋ねると、返事がない。人間技は答えられない。そこに科学のメスが入っていないからだ。そこで私は古典的な方法を試みた。クラブを短く持つ。この方法はしかし一般には勧められない。

土台を上下しない限り、これでは距離よりも方向が右へシフトする。土台を上下にシフトするのは一般的でないと、三越のクラブ屋が言っていた。私のクラブはクラブごとのライ角の変化が少なく、非常に変わったセットアップだそうだ。それは足腰が強いから、土台をシフトさせて同じスイングで打っているのではないかと言われたことがある。

それにしても、クラブを短く持っても飛距離に大差はなかったので、この手は使えない。したがって距離のコントロールをどう処理するかは、素晴らしい人間業の本質を科学的に解明出来るまで待たねばならない。こうして私のスイングは進歩していくだろう。旅路の果てはまだ見えない。 筆者

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