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先日テレヴィで女子プロゴルファーの試合を見ていたら、ドライヴァーのライ角が余りにむちゃくちゃなのに驚いた。練習というのはすごいもんだ、とも思った。そもそも日本の女子プロは小柄だから、シャフトの長いドライヴァーのライ角が合わないのは当然といえば当然だが、それにしてもプロならばある程度自分に合わせたクラブを作れるのではないか。

あんな奇妙なライ角のクラブであれだけのパフォーマンスが出来るのが素晴らしいという言い方もあるが、プロのゲームにハンディは通用しない。日本国内だけならばみんな同じハンディだからいいが、世界に出ればハンディはそのままハンディとなるだろう。

常に3を4と読み替え、8を9と読み替えるのは練習次第で間に合うのかも知れないが、そんな手間をかけないプロ達と戦うとなると大変だし、20は21に書き換えるのか22かわからない、という場面も起こりうる。未知の状況で戦うのがゴルフだからだ。

適正なライ角のクラブで、自然にやっている方が手間もかからないし、土壇場で限界のプレーが勝敗を決するということになれば、不自然なライ角のクラブはハンディだ。その不自然なライ角がショットを楽にするのは素人の世界で、上手になればむしろ不自然なライ角は危ない。

不自然なライ角に飛距離を伸ばす作用でもあれば、それは日本人しか知らない裏技だが、そのような理屈は今のところ少ししかない。百害あって一利ある、程度だろう。

 
ヘッドのキックはライ角が90度の時、つまりパターのようにシャフトが真っ直ぐ立っている時が一番大きい。ライ角ゼロの、靴べらみたいなクラブを振ってもヘッドのキックはない。ヘッドのキックが欲しいゴルファーはそれと知らずにライ角を立てたくなるのももっともな話だ。

ティーショットは他のショットとは別物だから、すべてを承知の上ならば気にすることもない。ただし、フェアウェイウッドやアイアンのライ角がひどく立っているのはやはりまずいし、それは使いにくい。そこでフェアウェイウッドのライを適正にすると、ドライヴァーとの間に違和感が出やすい。

つま先下がりのライからのショットは非常に難しいが、つま先上がりのライはさほど難しくないと、日本人ゴルファーは誰でも感じている。そしてそれは世界中のゴルファーに共通の認識である、と信じている。しかし日本人のこの感覚が実は特別なものだということを、日本人ゴルファーは夢にも思わないらしいし、日本のプロゴルファーも知らない。

不当に立ち過ぎたライ角のクラブを使っている日本人ゴルファーが、たまたまピッタリと地面に吸い付くようにアドレス出来るのはどんな状況だろうと考えれば、それはつま先上がりのライに決まっている。逆に、非常に背の高いゴルファーが不自然にフラットなクラブを使っている場合、彼のクラブがピッタリ地面に吸い付くような状況は、それは当然つま先下がりのライである。

この事実に気付いていないテレヴィの解説者は、つま先下がりのライから見事なショットを放つヨーロッパの背の高いプロゴルファーを見て感動する。実際そういうショットを打てるのは背の高いプロゴルファーに多い。背の低いゴルファーは背を伸ばすことは出来ないので、クラブのライ角はあるレヴェル以上には立てられない。

しかし背の高いゴルファーはひざを柔軟に曲げればいくらでもライ角のフラットなクラブを使える。適当にひざを曲げた状況でピッタリするライ角のクラブを使っていれば、つま先下がりのライで膝を伸ばすとクラブのソールは水平よりももっと垂れ下がるだろう。つまりつま先下がりのライにピッタリとソールしても不自然にならないで済む。

あなたがもしもつま先下がりのライから打たなければならない状況で、ソールをピッタリとライに吸い付くように曲げて加工したクラブを使えるとすれば、ボールを打つのは簡単なのだ。ただ打ち出す方向だけに頭を使えばいい。

だからライ角の不自然なクラブはつま先下がりか上がりかのどちらかに不利であり、どちらにもひどく不利にならないライ角とは、平らなライに自然にアドレスしたとき、ソールが地面にピッタリ吸い付くライ角だというごく当たり前の話になる。筆者

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