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日本人ゴルファーはどうしてこうもピッチエンドランに固執するのか。

「ゴルファーに愛を!」のタイトルで一番多いのは多分コロガシの話だろう。書いても書いても分かってもらえないらしい。書き方が悪いのだろうと思って、また書くことにした。

まず最初に、ダーツの的が1メートル先にあるのと30メートル先にあるのと、どちらが簡単だと思うか。無論1メートルの方が易(やさ)しい。

次に、ゴルフクラブは14本ある。ドライヴァー1本でラウンドするのと14本から自由に選んで使うのと、どちらが易しいか。無論14本持って出た方が易しい。

ここに、たとえば1メートル先の目印までポンと打つと29メートル転がると決まっているクラブがあるとする。

一方、30メートル先までポンと打つとピタリと止まるクラブがあるとする。ポン、と打つのはどちらも勘に頼るコントロールショットだが、1メートルと30メートルと、どちらの方が易しいと思うか。

さらに、プロ野球の投手が直球でストライクを投げるのと、ウェッジショットと同じような軌道を描いて、高く投げ上げて、それをストライクにするのと、どちらが易しいと思うか。

14本のクラブは、それぞれ転がる量が少しずつ違うように設計されている。1メートル打って1メートル転がるクラブから、29メートル転がるクラブまで、順番に並んでいる。

さらに、1メートル打って1メートル転がるクラブで2メートル打てば2メートル転がる、という風に作られている。

グリーン周りのラフや逆目に生えているフェアウェイの芝を避けて、グリーンへ直接落とすのにはどうしても最低3メートルは打たなければならない場合、その先カップまで10メートルあるとする。

この場合、3メートル先を狙って打つと勝手に10メートル転がるクラブを選ぶ方が易しいと思うか、それとも13メートル先の目印、つまりカップを狙ってウェッジを使い、空から落ちるループ状のボールを打つ方が易しいと思うか。

もっと極端に言えば、グリーン上にボールがあってさえ、13メートル先のカップを狙ってパターを使うのと、3メートル打てば10メートル転がるクラブで3メートルランニングアプローチをするのと、どちらがカップに寄ると思うか。(無論実際にはグリーン上でパター以外のクラブは使えないが。)

120ヤードのパー3で、8番アイアンを使わないでドライヴァーを使うゴルファーを見たら、普通の人は変だと思うだろう。8番なら普通に打てば大体120ヤード飛ぶとわかっている。ドライヴァーではコントロールしなければならない。

もちろん、ドライヴァーで10ヤード打てば110ヤード転がるとわかっていて使うのなら、それは8番のフルショットよりも易しい。しかしフェアウェイはグリーンほど平らではないから、転がりが計算出来ないだろう。

スプーンかロングアイアンで、1メートル先のグリーン上へポンと打てば、落としたところから8メートル先のカップまできちんと転がるとわかっているのに、何故ウェッジを持ち出して、空へ向かって計算しがたい軌道を計算しながら9メートル先を狙うのか、それもまた変じゃないだろうか。

プロボウラーでさえ、ピンではなく、目の前に描いてあるくさび形の目印を目がけて投げるわけだし、プロゴルファーもショットやパットの方向を、ボールの先30センチあたりに目印を付けて狙うというのに、何で1メートル先に落とせば済むものを29メートル先に落とそうとするのだろうか。

14本のクラブの中のパターだけは例外で、何メートルでも転がる代わりに、30メートルの距離なら30メートル先の目印を狙って打たねばならない。

その点ではピタリと止まるウェッジと同じだが、上の方へ向けて打つ必要はなく、真っ直ぐ打てばいい。ウェッジがパターより簡単なら、グリーン上ではパターしか使えないという規定のないトーナメントのグリーンで誰でもウェッジを使う、だろうか。

私は未だかつて一度もグリーン周りで5番アイアンを持ったゴルファーを、日本では見たことがない。プロは確かにウェッジを持つが、アメリカのプロならわかるが、日本のプロでウェッジを持つことに意味のあるプロはほんの数人であって、ほとんどのプロは力量的に考えて7番を持ったり5番でやった方がいい。

試合中に、100メートルの距離からウェッジで打って、それが当たり前のようにバックスピンでピンにぶつかるなら、それはまさに究極のピッチエンドランである。

そういうプロは、だからこそグリーン周りでもピッチエンドランが使える。ウェッジの勝負で、グリーンには乗るが、ローシングル3人がかりのベストボールでは勝てそうもないようなプロに、ウェッジのピッチエンドランをする資格はないだろう。

ハンディ6の、日本の水増しと言うかあげ底と言うか、そうではない正真正銘ハンディ6の、砂漠からやってきたゴルファーは、80メートルを実に見事に転がした。あれにはさすがの私も驚いた。

何時だったか、スタドラーが同じような距離の、やや上り坂のショットをランニングしたのを見た。全英オープンのようなコースでもないし、何の障害もなかったように見えたが、なぜだか理由があったのだろう、彼は転がした。そしてボールはピンに寄った。わけがわからなかったが、感動した。

チップは13本のクラブを使う。必ずその中のどれか1本だけが、そのときの状況で最適なクラブなのだ。距離によってアイアンやフェアウェイウッドを使い分けるのと同じことだ。ただ出来るだけ目標を近くに取れるクラブを使うかどうか、それがランニングとピッチの違いだ。

グリーン周りの十分コロガシが出来る場所でウェッジを持っているゴルファーを見ると、パー5のティーグラウンドでサンドウェッジを持っているようなアホらしささえ感じる。

ウェッジは難しい。人生は短い。7番で転がせば簡単に1メートルに寄るショットを、ウェッジで1メートルに寄せれば、それは確かにすごい。しかし、ゴルフは7番とウェッジと、その難しさの差を考慮した採点はしない。

橋の真ん中を歩けばいいのに、わざわざ欄干に乗って歩きたがるのは子供だけだ。そして大抵ケガをする。「ゴルファーに愛を!」でさんざん書いたことなのに、ゴルフ場でチップするゴルファーを全く見ないのはなぜか。読者が少ないんだ、うーん。

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