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オーガスタを戦い抜いた直後のインタヴューで、彼はオーガスタでの戦いにメドが付いたと語った。今後何が必要かと問われて、即座に、「長い距離で高い弾道のボールを打てる」ようにすることだと答えたのを聞いて、そのあまりにも誠実な言葉にちょっと驚いた。

馬鹿馬鹿しいくらい当たり前の答えを、しかし真剣に答えている。それはあらかじめ用意されていた言葉ではなかっただろう。真剣に考え切ったところで思わず出てきたものだ。本人も後で考えれば、何という当たり前な返事だろうと、苦笑したかもしれない。それだけ真剣だったということだ。

何十年も前から、私はウッドの方がアイアンより正確なショットが出来るような構造になっていると言い続けてきたが、信じるものは一人もいなかった。アイアンの必要性はスピンだけだ。必要なときは確かに必要だが、それにしてもあまりに難しい道具である。スピンを減らす必要性さえ出ている現代ゴルフの状況を考えると、アイアンの損得勘定がプラスになるとは思えない。

背が低ければライ角がフラットになり、ヘッドの暴れは小さくなる。従ってパワーさえ同じならば、フラットなライ角のクラブが使える背の低いゴルファーの方が有利になる。誰も信じないが。無論スクエアなインパクトを実現する技術そのものはアップライトの方が概してやさしい。概してはやさしいが、究極ではフラットの方がやさしい。

しかもそれは物理的なヘッドの暴れをまだ考慮しない時点での話であって、それを考慮に入れるとフラットの方がますます正確に打てる。逆説でも何でもない、当たり前の話だ。片山プロがショートウッドを使いはじめたのは、すでにかなり前から「長い距離で高い弾道のボールを打つ」ことを考えていたことを物語っている。

しかしながら、片山プロはメドが付いたその先にある困難の大きさを知らないかもしれない。私は彼の誠実で素朴な答えを聞いた瞬間、加速器の話を思い出した。現時点で世界最速の加速器はヨーロッパにある。しかし物理学が証明したいことを確かめるにはもっと大きな加速器がいる。

その加速器は地球の公転軌道ほどの大きさを必要とする。そこまでわかっていても、作り方は見つかっていない。それだけの話だ。彼の言う「長い距離で高い弾道のボールを打つ」という命題は、ゴルフがパワーの関数であることを言い換えているに過ぎない。

この方程式に、片山プロが自分のパワー定数を入れて、それを最高の形で解ければ、あるいはマスターズに勝てるかもしれない。私は不可能ではないと思う。実際中島プロがもう少しいい形でこの方程式を解いていたら、彼は二度マスターズに勝てたと、私は今でも思っている。

中島プロは立派に方程式を解いたのだが、彼は自分のパワー定数の値を誤って見積もった。片山プロは自分のパワー定数を書き込む前に、もう少しパワーアップしなければならないだろう。中島プロにその必要は無かった。必要な定数を持っていたからだ。

片山プロはすでにショートウッドを使っていると思う。この先へ行くのに何が役に立つかと考えてみたが、彼のショットの正確さはスイングから来ていて、それ以上の道具は必要ないからスワンネックはいらない。ロングアイアンをリヴァースグースにするのは効果があるだろう。ネックの芯から10ミリちょっと、ブレードを出す。しかしロングアイアンならショートウッドの方が有利だ。

アイアンならボールが沈んでいても打てるし、リヴァースグースなら弾道は高い。構造上はウッドよりも方向性が悪くなるが、スイングが正確だから間に合うだろう。ただし高く飛ぶ分飛距離が落ちるので、もっと飛ぶアイアンヘッドをメーカーに開発してもらわないとうまくない。規制にかかる場合はイージースワンに変更して距離を幾らか落とす。

大きな夢に向かって、がんばれ。

2014春 補

トム・ワトソンは60才で全英オープンに王手まで掛けた。ただ一筋、そこまでがんばれ。筆者

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