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飛ぶボールは曲がるという話には二つの意味がある。一つは、フェアウェイの幅が80ヤードあるホールのティーショットで、右10度の方向へすっぽ抜けたティーショットでも、飛距離が230ヤード以内のゴルファーならばフェアウェイから打てるが、250ヤード飛ぶゴルファーはその時点でアウトだという意味である。

飛ばない方が安全という意味はそういうことだが、飛ぶボールは曲がるという話の本質は、スピンによる揚力(ようりょく)を最大限に利用してボールを飛ばす場合である。前進しているボールが止まるには重力以外に強い逆風を受けるか、または地上に落ちて芝生の摩擦に会わねばならない。なかなか落ちてこなければそれだけ前に進む理屈だ。

スピンは巨大な揚力を生み、ボールは浮き上がる。その軸が水平であれば上に浮くのだが、軸が傾くと左右に浮き上がる、つまり曲がることになる。軸が少しでもずれたら、ボールはグィーンと勢いよく曲がっていく。

昔のプロゴルファーのボールは、低く飛び出してグリーン手前で急上昇し、真っ直ぐグリーンに落ちたものだ。最近はそういう打ち方は流行らないが、スピンの軸が正確に水平だから出来る芸当である。

 
ボールにスピンを掛ける分だけのエネルギーが差し引かれるのだから、同じゴルファーがスピンを掛けても掛けなくても飛距離は同じだろうと思ったこともあるけれど、スピンを掛けるにはヘッドのキックを利用するのだが、ヘッドの急激なターンはヘッドスピードを上げる切り札でもあって、それらが同時に起こる。

つまり飛ばしたいゴルファーが練習で身につけようとしているスイングはヘッドのキックを使うスイングに他ならない。ヘッドスピードも上がるし、スピンの揚力でボールは一段と良く飛ぶ。ボールが見事に遠くへ飛ぶようになればなるほど、スピンの軸が傾けば大きく曲がるようにもなる。練習場ではそれがまた楽しいらしい。

しかし左右に池のあるパー3ではそんなことは楽しんでいられない。だから沢山練習しておかねばならないが、練習してもしても、不安は消えない。それに対して回転の少ないボールは出たとこ勝負で、真っ直ぐ飛び出しさえすれば決して逸(そ)れない。

 
私は飛ばないボールを打つのがうまい。毎度チェンジアップばかり投げている投手のようでもあるが、周りが思わず「おおっ」と声をあげるほど不思議に飛ばないボールを打つことができる。単に飛ばないのとはわけが違うのだ。

しかし打ち方を知っていて打っているわけではない。それしかできないだけだ。たぶん、急角度に打たないからだと思う。バス釣りでは手首のしなりだけでキャストするが、浜辺から海釣り用の投げ竿で投げるには、体全体で投げねばならないし、しなりもほとんどない。私のスイングは海釣りタイプなのだろう。

 
ドライヴァーでもアイアンでも、手首のコックを小さくするか、あるいは早めに使ってしまえば、大きなスピンはかからない。コックを早く戻すことは飛距離を出すためにやってはならないキーポイントだが、それが二重の意味と効果を持っているということに気付いているかどうか。

スピンもヘッドスピードもボールを飛ばす。ヘッドスピードだけを上げられれば、スピン効果の飛距離分は差し引かれるが、曲がらないボールが打てる。プロというのはそういう技術も教えられなければいけないが、それには本質を良く理解しておく必要がある。

 
私のスイングを知っている人が言うには、私のスイングはボールをドドッと運んでいるだけで、切れ味がないらしい。ゴルフボールでなくても、バスケットボールでも同じスイングで間に合う感じがするという。

この方法は、急角度に振らないのだからヘッドスピードが落ちるし、スピンもかからないからさらに飛距離が落ちるが、曲がらない。どうしても曲がらないボールを打つ必要に迫られたときのために、練習しておくといい。

 
ただしゴルフを知らない上手なつもりのゴルファーが見たらきっと声を掛けてくるので、誰もいないところで練習しなければならない。あるいは、「ゴルファーに愛を!」を読めと言ってやれば、二度と近づかないだろう。 筆者

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