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ナイスショットが一つもなくて、ボールはごろごろ転がるばかり、その上パターが40パットを越えても、80半ばで回れるのがゴルフである。どんなに沢山ナイスショットが出たと思った日でも、スコアは相変わらず80ちょっとである。周りのゴルファーを見て、誰でも80ちょっとで回ることは簡単だと思うのに、なぜかそうは行かない。

あるとき、スコア80台のゴルフは複勝馬券を買うようなものなのだと気が付いた。360の長さがあるホールでは180を2回打てればグリーンのそばまで届く。そこからコロガシで万が一入ればバーディーになる。駄目でもパーだ。無理に230も飛ばそうという考えは出てこない。

230飛ばして残り130を8番アイアンで打っても、真上からバンカーに入って目玉になる、と考える。この場合危険が2回続く。まずティーショットで力が入りボールが林の中に入ったらアウトだし、それがうまく行っても次の第2打が絶好の位置だからかえって緊張してダフる。

二つのショットの成功率がそれぞれ50パーセントで、二度に一度は必ずうまく行くとしても、それが連続で出る確率は4分の1になる。つまり4回に一回しか思い通りにはならないのだ。これに対して180を二回打つのは、230を2回に1回成功させられる腕を持っているゴルファーにとって、スプーンで軽く打てばいいのだから失敗はない。

複勝にも楽しみはある。複勝にがちがちの本命を買うのはプロだが、アマチュアは3番人気の馬の複勝で楽しむ。そしてがちがちの本命を買うときには単勝で行く。ゴルフをそういう風に考えてプレーすればほとんどのゴルファーは90を切る。特別な作戦はいらない。ただし一つだけ、コロガシの法則には従わねばならない。

毛筆とサインペン

練習なしでパープレーが出来るスイングを研究し続けた。これだと思うスイングを見つけ、練習なしでコースに出る。それでパープレー出来なければ次のスイングを探す。この繰り返しで四十年近い年月が過ぎ去った。

いつの日か、練習なしにパープレーが出来るスイングを見つけ、そこで初めて、猛練習をしようと思っていた。しかしそういうスイングを見つける前に、猛練習出来る体がなくなっていた。思えばそんなアホなことをするよりさっさと適当なスイング一つを選んで練習した方がいいスコアが出せた。

そういうわけで練習場に行くのは、それでボールが打てるかどうか心配なスイングを見つけてしまったときだけだ。練習はしない。右に曲がるか左へ出るか、ゴロかフライか、そんなことはどうでもいいし、何より練習してしまっては、そのスイングが本質的にいいスイングなのか、あるいは練習した分うまく打てるのか、わからなくなってしまう。

同じスイングで二度ゴルフコースを回ることは滅多になかった。コースは新しいスイングを試す場所だから、年に何回も行かない。新しいスイングは年に数種類しかひらめかない。コースでボールを打つとき、周りのゴルファーはピンを狙っている。あるいはグリーンを狙っている。こちらはただクラブヘッドがボールに当たることだけ願っている。そうしてその新しいスイングが素晴らしいスイングであることを願っている。

スイングは少しずつ進化している。練習なしに80を切れるスイングは見えてきた。それはサインペン打法である。

毛筆でもサインペンでも、きれいに書こうと練習すれば字はうまくなる。しかし毛筆は筆圧に敏感で、その筆圧のコントロール一つで字が変わる。それゆえ名人の書く毛筆の豊かな味わいには、どう転んでもサインペンではかなわない。ただし書き損じの起こる確率は、たとえ名人でも誰でもサインペンの方が小さい。

多くのゴルファーは毛筆でゴルフをやっている。タッチが出るときはいいが、打ち損じも多い。私のスイングはサインペンのように簡単で打ち損じがない。その代わり毛筆の味わいは出せない。字を書く技術が私と同じレヴェルの人が毛筆を使い、私がサインペンを使うと、私の字はつまらないがミスはしない。彼の方は素晴らしい字も書くがしばしば書き損じる。

ゴルフはアマチュアレヴェルでは完全に減点法のゲームだから、どんなに素晴らしい字を書いても案外得点は上がらないが、書き損じはたちまち減点される。その点プロの世界は素晴らしいタッチが出たときの、そのすばらしさがすごいから得点をもらえる。

だからといってプロのスイングを調べてみると、みんなが毛筆でやっているわけではない。サインペンのプロも結構いる。ちなみにヴィジェイ・シンは毛筆打法だがタイガー・ウッズはサインペン打法である。もちろんカルロス・フランコは根っからの毛筆派だ。

毛筆打法の特徴は、短いクラブではベタピンの素晴らしいショットも時折打てるが、クラブが長くなるほど打ち損じが多くなることだ。だから毛筆打法のプロはロングアイアンの練習をよくする。

ショットの誤差を10パーセントとすれば、100メートルから打って10メートル以内に落ちるところを、2メートルのベタピンに打てるのが毛筆打法で、その反面180メートルの10パーセント、つまり18メートル以内が打てない。誤差が大きくなるというより完全に打ち損じるケースが増える。

これに対してサインペン打法は不器用で、100メートルからピン2メートルへのベタピンはまず起こらない。誤差10パーセントの通りせいぜい5メートルまで寄るのが普通だ。しかしその距離がどんなに長くなっても、誤差10パーセントを維持する。打ち損じは起こらない。

とにかくサインペン打法は見つかった。毛筆よりずっとやさしい言わば入門者用のスイングである。ただし、サインペンを手に入れるのはやさしくなかった。何しろ毛筆より何千年も遅れて発明されたわけで、それだけサインペンを手に入れることは難しい。

私にしたところで13本のクラブ全部がサインペンではない。スプーンはサインペンだがドライバーは時々毛筆でやる。ウェッジは毛筆で行きたくなることも多いし、コロガシは未だに全て毛筆というか、筆ペンでやっている。

サインペン打法を見つけるのに手間取ってしまったから練習する時間が無くて、残念ながらスコアは大したことにはならない。しかし一度作り方さえわかれば、大量生産できる。この打ち方が一般化すれば、誰でもシングル。

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