« 0209 風が体を揺らす | トップページ | 0211 リヴァースハマー »

アメリカに、ある日輝かしい戦績を残して突然カウボーイになったプロゴルファーがいる。パワフルだが決してパワーオンスイングではなかった。最近のプロで言うならスチュアート・シンクのようである。彼もパワーオンではない。天性のパワーがあるからそれが出来るとも言えるが、パワーが不足していてもアマチュアにはやっぱりパワーオフスイングが似合う、と思う。

パワーオフスイングをするというのは一種の哲学である。それは童話やおとぎ話の世界を越えている。醜いアヒルの子が白鳥にはならないし、王子様は死ぬまで蛙(カエル)のままだ。蛙になって一生を過ごした王子様の人生と、醜いアヒルの子として生涯を生きた白鳥の話は、童話にならない。

しかしそこにこそ本当の人生があるのは確かで、パワーオフスイングをするゴルファーはそういう意味で知的だということになる。パワーオフスイングはもっとパワーを入れられるのを知っていながらそれを使わない。

使わない方が結果がいいからだが、誰でも使える力は使いたい、見せたい。軍隊がすごい兵器を持っていれば、それは使わないに越したことはないけれど、やっぱり使って見せたい。これが人情である。持っている能力を永久に見せない、それが最善の道であるから見せない、それが出来る人間はまれだ。

普通の人の社会だから一般にそれは出来ない。かくしてアマチュアゴルファーの多くはパワーオンでゴルフをし、林や池の餌食になる。プロは練習量と才能に賭けて、勝った者が一応はプロになったわけだが、その先はわからない。ゴルフを楽しむだけならばパワーオンの方がいい。しかしいいスコアを出してみたければパワーオフを使うべきだ。

ちょっとパワーオフスイングのご紹介

後輪駆動車でカーヴを曲がっているときに、アクセルをふかせばお尻から押されるのでハンドルをちょっと切った状態でも車はぐっと曲がり込む。やり過ぎれば車は回ってしまう。アクセルから足を離すと真っ直ぐ走ろうとする。ゴルフでパワーオンにすると車同様ターンが早くなる。つまりドローする。

ただしこれは理論通りにスイングできた場合で、一般には力を入れれば体が流れるからスライスが出やすい。

前輪駆動では前足で掻き込むからアクセルをふかしてもくるっと回るようなことはない。だから曲がりたいときにはアクセルを離す。そうすると車は前のめりになって後輪が浮く。ちょっとハンドルを切っておけばすぐ方向を変えてくれる。

これはバックで走っている時、ちょっとハンドルを切っただけでも車が大きく方向を変える感じに似ている。パワーオンターンとパワーオフターンはこのような理屈になっているので、パワーオフではインパクトにパワーはいらないが、ダウンスイングのスタートで十分なパワーを入れないとターンが早くなってドローしやすい。

しかしこれも理論通りに打てばの話で、実際にはドローするほどヘッドのターンは早くならない。その原因はパワーオフが緩やかに行われるからだ。つまりスイングに慣れていなければパワーオフの方が断然有利ということである。

力を入れないから体調に左右されない。それでショットは安定するし、スイングがさほどクリチカルではないので、曖昧に打ってもボールは曲がらない。パワーオンではこの逆になる。車でも後輪駆動で雪道を走るとちょっとしたアクセルワークのミスですぐに車はスピンする。

したがって慣れない素人は雪道を後輪駆動車で走るのは無理だが、前輪駆動ならばアクセルワークのミスでスピンは起こらない。ブレーキだけ慎重にしていればそこそこ運転できる。四輪駆動ならばもっといいから、そのうち四輪駆動型ゴルフスイングを開発します。筆者

« 0209 風が体を揺らす | トップページ | 0211 リヴァースハマー »

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)


コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。



« 0209 風が体を揺らす | トップページ | 0211 リヴァースハマー »