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10円玉2,3枚の話は有名であり、まことしやかに語られている。アドレスした際にクラブのソールの先端が地面から少し浮くように、10円玉2,3枚挟み込める程度のライ角が正しいという話は、ウソだろう。この話の根拠は科学的に見えるが、誰も検証したことがない。

科学の本質は実験であり、理論は実験と検証なしには飽くまで仮説だということこそ科学的精神の柱なのだが、科学的を装う非科学者達はそのことを知らないらしい。

ピカピカのフルセットを持ってゴルフ場にやってくる親父ゴルファー200人の被験者を使って、10円玉2,3枚の話を検証しそれを証明できると、命を賭けて言えるクラブ屋がいたら、あなたのいい加減な生き方があなたを殺すだろう。

力学的に確かにシャフトはスイングするとたわむ。それはクラブをマシンにセットしてスイングさせた時に写真を撮るとわかる。しかし人間のスイングを再現するマシンでなければ何の意味もない。一般的な、平均的購買層のゴルファー、つまり10円玉2,3枚という説明を信じてクラブを選ぶ立場のゴルファーのスイングが真実を語るのである。

10円玉2,3枚の話は、力学を悪用した詐欺としか言いようがない。さらに言えば、シャフトのたわみは柔らかいシャフトほど大きいが、そういうシャフトはねじれも大きいのが普通で、そのねじれの戻りは、シャフトの垂れ下がり、つまりライ角がフラットの方へシフトする効果を減少させる方へ働くと思われる。 これはマシンの動きでは再現できない。

いずれにせよ、この話は速く走ればあなたのその腕時計の時刻が遅れる、というたぐいの事実でしかない。そういう事実を商売に使えば詐欺だろう。何しろその効果はプロ並みの腕前を持ったゴルファー以外の、普通のゴルファーにとって、完全にゼロなのだから。

もっと悪いことには、この話はクラブをピタリと地面にソールさせないでスイングするように指導するわけだが、はっきりと明快なスイングのイメージはナイスショットに一番大切な要素である。迷っていてはミスが出る。ウソでも勘違いでもいいから自信を持っている方がミスショットは出ない。

ソールをピタリと地面に貼り付ければ、ゴルファーはバックスイングの方向やダウンスイング、インパクトに至るまでの全ての段階ではっきりとフェイスの向きをイメージすることができる。ところがヘッドのつま先を上げて構えると、それはつま先上がりのライから打つのと同じことになる。

それでいくら頭の中で、シャフトが垂れ下がってインパクトではピタリとソールが地面に張り付くのだとイメージしようとしても、そううまくは行かないし、実際ヘッドはそれほど垂れ下がらないから、手に感じられるヘッドの動きの感触が本人の気分と合わない。これではミスショットになる。

つまり百歩譲って10円玉の話が正しいとしても、それを無視してピッタリソールのライ角のクラブを使った場合の誤差はわずかだ。それよりスイングイメージが壊れることによる被害の方が決定的に大きい。

自分のライ角を見つけるには分度器を使う。私は分度器の原点に定規の付いた変な計器を持っているが、何のための計器なのか忘れた。測るのは簡単で、掃除機でもドライヴァーでも何でもいいからそれを部屋の中でアドレスする。誰かに手伝ってもらって分度器で測るか、壁に沿わせておいて印を付け、電卓でタンジェントを求めてもいい。

 
一言断っておく。部屋で裸足で測れば靴の高さが問題になると、あくまで戦うアホがいると思うが、フェアウェイはふかふかしていても、体重で体は沈む。雨の日はなおさらだ。しかしそのふかふかの上のボールは沈まない。

ライ角は身長にはかなりおおざっぱで、身長が10センチ違っても1度しか変わらない。私は170センチだがライ角はフェアウェイウッドで54度である。多くのドライヴァーやウッドは60度で作られている。つまり55度でも54度でもいいから、約4度フラットにすると、ほとんどのゴルファーにとって無理せずソールがピタリと地面に吸い付く。

女性ゴルファーもこの程度でもかなり効果があるが、出来れば53度か52度にすると非常にゆったりと構えられる。残念ながらこの角度のウッドは売っていない。

 
実際私のボールがやや右に出るとき、私はライ角がフラット過ぎるからだと思う。必要があればライ角を動かせば済むのに、動かしたいとも思わない。それよりもアドレスで正確なスイングイメージが出ることの方が大事だからだ。右に出るのは気にしていれば何とでもなる。

つまり元が正確ならば、どうにでも修正が利く。右に出るのが怖くてライ角を立てるのは、麻薬を打って痛みを消すようなものだと心得ていただきたい。それではいつまでたっても自分のショットに自信は生まれない。

アドレスと同じ形でインパクトする、というウソが、10円玉2,3枚というウソと相打ちになっていて、それでゴルファーは済ました顔で生きている。 これがホントの、ウソから出た真(まこと)。

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