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初めてボーリングの球を持ったときは思いのほかの重さに驚いたが、もしもあれが発泡スチロールで出来ていたら、投げやすいのは投げやすいけれど、ピンが倒れるかどうか疑問だし、正確に投げられると思いますか。

370グラムのスプーンと410グラムのバッフィーが同じバランスに感じたのでバランサーに乗せると、バッフィーはC-5でスプーンは何とD-6だった。3番アイアンをセントアンズに送って以来、170を打つクラブがない。

別の3番を作るのも何だから新しくフェアウェイウッドのラインアップを作り替えた。4番ウッド(バッフィー)は完璧だったので、スプーンを用意したがあまりに軽い。そこで重りを付けてバフィーの感じに合わせたが、バランスを調べて驚いた、という話だ。(その後レディース用の22度というのでクリークを作った)

重いクラブはそのクラブバランスよりも重く感じる。当たり前と言えば当たり前だが、これは大事件である。そもそも昔からのゴルファーにとって最近のウッドは軽すぎる。スイング中にヘッドがどこにあるのかわからない。軽いから楽だと思って喜んでいていいものだろうかと考え込むゴルファーもいるだろう。その通りだ。

クラブメーカーを信じる楽天家は別にして、クラブが軽くなると何が起こるのか、本当に知っているゴルファーがいるだろうか。軽い方がスイングは速くなる。それは便利だ。しかしヘッドが軽くなれば飛ばなくなる。

力積の一方の要素が減り他方が増えるわけだから、メーカーが作る以上はその計算に間違いはないと、それは信じられる。しかしメーカーというものはお客様あってのメーカーだから、お客様の知的レヴェルを考えて作るのも当然だ。メーカーにアホを啓蒙する義務はない。

クラブを軽く作れるようになった今、ボールは前より飛ぶのだろうが、どこに飛ぶのかわかりにくくなる。好きなプロの使っているのと同じテニスラケットが売れるのは自然だが、実は同じラケットではない。重さが格段に違う。私はレンドル本人のラケットを持っていたが、市販品より50グラム以上重かった。

同様のことがゴルフクラブにもあると思う。人気プロ使用クラブ云々の話ではない。軽くなったウッドは体にやさしいし、たぶん今までのクラブより飛ぶのだろうが、方向性に問題はないか、そこが問題だ。科学技術の進歩で道具の重さに自由度が出るのはいいことだが、それでスコアが良くならなければ意味がない。

道具の重さはボールの重さの制限を受けている。かつてはそこまで考える必要はなかった。そこまで軽いクラブは作れなかった。今や技術の進歩はどれだけ軽くできるかという問題を越えてしまって、ボールの重さに対してどのくらいの重さが一番飛ぶかをも越えてしまって、迷い道をさまよっている。

方向性は無視されている。ゴルファーの努力に丸投げ状態だ。その先に進むには物理学の壁は余りに厚い。方向性は技術でカヴァーできるが、飛距離はゴルファーの体力で制限されている、という理屈でドライヴァーは軽くなり続ける。

普通の人間は努力しないで成功することを夢見る生物なので、メーカーの判断は正しい。しかし、ロマンを求める技術屋ならば、1センチ刻みでボールの方向をコントロール出来るクラブを作らなければならない。それには発想が欠かせないが、貧しい。貧しすぎる。

と言うわけで、飛ぶことと腰にやさしいことばかりに喜んでいないで、失われた安定性を取り戻すために、プロと同様、クラブの重さやバランスを自分なりにチューニングしなければ明日がない。かつてのように、新製品が過去の製品よりも必ずいいという幸せな時代は終わった。

何時の日にか、ガッツあるメーカーの技術屋が、先の一歩を踏み出すその日までは、ゴルファーは自分でクラブを調整しなければならない。あなたのドライヴァーは、ひょっとして軽すぎはしないか?

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