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最近のトーナメントを見ていると、500ヤードがパー4になる日も近いと思わされるほどで、実に恐ろしい時代になった。そこでバッフィーを握りしめ、このクラブの精度が重要なのだと思った。ところで、パターとドライヴァーの精度はどれぐらい違うのか。

誰でもドライヴァーよりはパターの方が何となく思い通りになるような印象があるが、事実はそうでもない。3メートルのパットが20センチほど外れる。よくある結果だ。それは距離に対して7パーセント弱の精度である。ドライヴァーを打って、フェアウェイをわずかに外し、ラフからの第二打を余儀なくさせられ、パーオンに失敗する。よくある結果だ。

230ヤード飛んで、その7パーセントは16ヤードである。幅32ヤードしかないフェアウェイは滅多にない。つまり3メートルのパットが20センチずれることと、ほとんどフェアウェイを外さないティーショットを打つことは同じ精度である。

ところが、実際ゴルファーはしばしばフェアウェイを外してラフに突っ込み、苦しい第二打を余儀なくさせられる。それどころか、深い林の中に打ち込むことも少なくない。仮にフェアウェイの幅が60ヤードだとすると、ティーショットが30ヤードずれれば、ラフに入る。この場合の精度は距離に対して13パーセントである。

フェアウェイのど真ん中に打てるときと林に入る時を相殺すると、ドライヴァーの精度は平均的にはラフとフェアウェイの境目あたりになるだろう。この精度は230ヤード飛ぶゴルファーにとって13パーセントであるから、これをパットに換算すると、3メートルのパットが39センチ外れることに相当する。そんなに外れるだろうかと、ふと思う。

カップには大きさがあるので、ど真ん中でなくてもカップインする。5センチずれてもカップインするとすれば、精度13パーセントを逆算して、39センチのパットは必ず入るわけだ。つまり、39センチのパットがカップインするのと、ティーショットがそこそこうまく行くことがほぼ同じ難しさであるということになる。

つまり日本のゴルファーはドライヴァーをむちゃくちゃに振り回しているということだ。39センチのパットをドライヴァーがフェアウェイを外すのと同じくらい外すには相当むちゃくちゃに打たねばならない。

3番アイアンとウェッジとどちらのショットが簡単だと思うか、と問えば、おおかたのゴルファーはウェッジと答える。これは3番アイアンでは打ち損じが起こるけれど、ウェッジでは起こらないという事情によっている。それなら7番アイアンとウェッジではどうかと問うと、7番の方が簡単だと答えるゴルファーが出てくる。

この答えの中には距離に対する考慮が含まれるだろう。ウェッジで100ヤード打ってカップから5メートルより、150ヤードを7番で打って5メートルの方がかっこいいし、かといってウェッジで1メートルのベタピンはそう簡単には起こらないとわかっている。それで答えが分かれる。

精度を計算すると、100の5は5パーで、これを150にすると7.5で、つまり7番ならカップから7.5メートルに打てればそれはウェッジで5メートルに打つのと同じかっこよさになるということである。ある程度の技量があるゴルファーならば、7番くらいまでは何のストレスもなくウェッジと同じように打てる。

実は、事の本質は距離であり、150メートル走るのと100メートルとどちらが“早い”かと問えば、誰でも100メートルと答えるが、どちらが“速い”かと問い直すと、幾らか事情が変わる。後者の場合には精度を考えるのである。競争馬は1000メートルを56秒で走るが、2000メートルを112秒(1分52秒)では走れない。

当たり前だと思うかも知れないが、それなら100メートルの選手は分速600メートルで走るが、マラソンランナーは分速337メートルである。二人が競争した場合、何メートルのレースなら同時にテープを切るか、わかるか。誰にもわからない。

距離が長いほど難しいという馬鹿馬鹿しいほど当たり前の話と、長いクラブの方が打ち損じしやすいという技術的な事実がごちゃ混ぜになって、ゴルファーは錯覚する。7番とウェッジならば同程度のスイングは出来る。それでウェッジと7番のどちらが難しいかという問いに対して、躊躇するのである。

苦手なクラブから順番に練習しようと思ったとき、打ち損じするレヴェルのゴルファーは何から練習すればいいかすぐにわかるが、もっと上手になると、やはり計算しなければならない。パターの精度とドライヴァーの精度、どちらを先に練習するべきか、あるいは4番アイアンとバッフィー、どちらの精度が悪いのか、電卓を手に計算しよう。

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