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練習場用クラブは当たらない方がいい。失敗しても何度でも打てるのだから、100回に一回プロ並みの素晴らしい当たりが出るクラブの方が楽しい。実戦用クラブは当たる方がいい。コースに出て当たらないとゴルフが嫌になってしまう。途中で帰りたくなる。無論帰ってしばらくすると、またコースに出たくなる。飲み過ぎて苦しむ飲んべえと同じだ。

練習場のない世界では常に実戦なので、道具もスイングも日本とはかなり違う。日本人は練習場用のクラブを実戦に使う。だからもしもゴルフ場のひとホールひとホールが野球場のフィールドのようになっていて、バックスクリーンがグリーンで、ホームベースからティーショットするならば、どこに打ってもフェアウェイで、木も水もないから安全だ。そんなゴルフ場はないのに、ゴルファーは練習場用のクラブでゴルフ場に出かける。

テニスコートでバンバン打っている人を見かけると、うまいなあと思うが、試合では勝てないとわかる。あんなにバンバン打ってミスしないのがすごいと思うのだが、試合ではそうならないのがわかる。試合に強い人とはどこか違うのである。

それは練習で練習用のテニスをしているからだ。練習で試合用の練習をしている人は強い。これはゴルフも同じで、練習場で練習用のクラブを持って練習用のスイングをしている人は実戦ではまるで弱い。これらの人は練習そのものを楽しんでいる。それは悪いことではない。

いいものが売れるわけではない。売れるものがいいものなのである。どうして売れるかというと、いいものだと思うから売れるのである。どうしていいものだと思うかというと、みんながいいと言うからだ。何でみんながいいと言うかというと、それは誰も知らない。ただ、みんな使っているから、それはいいものだと信じるに過ぎない。

科学的事実を除けば、世の中正しいことが行われたことはない。正しいと思うことが行われ、それが間違っているとわかって次の正しいと思われることに移行する。それは数年で移行することもあれば、数百年で移行することもある。科学は進歩するので、少しずつ、より正しい方へ動くのだろう。

ゴルフクラブも正しくないが、誰も信じない。そこがおもしろい。今日もまた私は新しいクラブを作った。今まで以上に実戦用に改造したドライヴァーである。このドライヴァーは曲がらないだろう。シャフトが硬いから。

先日今年4回目のゴルフをした。今年はそれで最後だと思う。滅多にゴルフをしない私がゴルフ場に出ると、出だしのホールでボールが左に曲がる。朝一番とお昼を食べたあとの二回ボールを引っ掛ける。なぜかというと、思ったほど体が動かないので、しなったシャフトが戻ってきて行き過ぎるからだ。体の切れがいいときにはフェードする。

そこでもっと硬いシャフトを探したが、見つからなかった。今まで使った中で一番硬いと思うシャフトはミズノのエスカーのフレックス8だが、もっと硬くするにはどうするか考えた。シャフトの先は細くなっている。細いところは硬く作れない。私はシャフトの径が9.2ミリのところで切った。

一般的なドライヴァーシャフトの先端径は8.5ミリである。ヘッドの穴もそれに合わせて作られている。そこで穴を少し広げ、9.2ミリ径のシャフトを差し込んだ。短くなった分は別のカーボンシャフトを30センチほど差し込んでつないだ。今朝グリップを付け、その上に麻ヒモを巻き、両面テープを貼り、最後にブチルテープを巻いた。

完成したドライヴァーのヘッドは、まるで箸(はし)の先を動かしているように機敏に動く。全くしならない。重さ自体はさほど変わらないのに、振ってみるとシャフトが硬くなっただけでずっしり重くなった。シャフトのしなりがどれほどクラブを軽く感じさせるのか、実感した。

プロに出来ないことが素人に出来るはずはないと思っている人がいるだろうが、アマチュアの力というものはプロを遙かにしのぐことがある。一つの理由は損益分岐点がないこと、もう一つは頭が柔らかいことである。しがらみが少ないので自由に考えられる。このシャフトより硬いシャフトは市販品では存在できない。

それだけでもすごいことだと思うのだが、馬鹿馬鹿しいという見方も出来る。ともかくこのシャフトで実験が出来るのでうれしい。ヘッドは手持ちのテイラーメイド320というのを使った。元々これにはSシャフトが付いていたが、妙に柔らかかった。シャフトの硬さの表示は当てにならない。

私が持っているシャフトの中にはRと書いてあるのにこのテーラーメイドのSより硬いのが何本かある。ずっと言い続けていることだけれど、実戦には実戦用クラブを使うべきだ。実戦用は曲がってはいけない。どれほど飛距離が落ちようと、曲がっては何にもならないのがゴルフだ。チタンが飛ぶといっても鉄に比べてせいぜい5ヤードだと思っている。その5ヤードのためにチタンを買う精神自体、実戦的ではない。

硬いシャフトは飛ばない。だから実戦では練習用より硬いシャフトを使う。練習場では柔らかいシャフトで飛距離を楽しめばいい。しかし実戦では硬いのを使う。硬いシャフト用の練習はいらない。柔らかいシャフトで10回に一回ナイスショットが出るゴルファーならば、いきなりコースで使ってもナイスショット出来る。

さらに真っ直ぐ飛ばすにはグリップを太くする。しばしば手が小さいからとか非力だから太いグリップはちょっと、と言う人がいるが、確かに飛距離のためにはグリップは細いほどいい。しかしその分曲がる。いくら手が小さくても車のハンドルが太すぎると言う人はいない。つまりそれはただの思い込みなのである。

ゴルフクラブのグリップはこのくらいだという思いこみに過ぎない。誰がそれを決めたのか、それは誰も知らないし、それが正しいという根拠はない。自然に決まったとも言えるが、その自然とは何か。ゴルフ場は自然でも、ゴルフは人工のゲームだ。細い方が飛ぶ、太い方が曲がらない。それだけのことだ。だから実戦用には太い方がいい。実は誰でもその事実を知っているはずなのだ。

手袋をしないでドライヴァーを振りたくはないだろう。手袋はグリップを強くするが、その本質は手が滑る滑らないということばかりではなく、結局グリップが太くなるということなのだ。手袋の厚みはかなりある。それと同じ厚みの皮をグリップに巻くと、太くて握れないと言う。私は検証していないことは言わない。

逆に手袋をした場合に、その厚み分細いグリップを握ると、グリップが細すぎると感じる。思い込みというものはそれほど恐ろしいものなのだ。ほとんど理性を失ってしまうのと変わらない。

実戦用クラブとわざわざ断らねばならないのは日本だけの話である。そこが悲しい。練習場とゴルフ場の違いが練習用と実戦用のクラブを生み出す。実戦には練習用よりも硬いシャフトで、グリップも太いものを使う。

そうすることで練習場に近い当たりがコースでも出る。嘘ではない。間違いでもない。ただ自分の実力を過大に評価しているゴルファーは気付かないかも知れない。スコアだけが事実を語るだろう。

ラウンド時間よりも練習場にいる時間の方が長いゴルファーは必ず実践していただきたい。筆者

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