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テニスでもそうだが、練習ではうまいのに試合になると弱い人がいる、と信じられている。特にテニスは対人スポーツなので、気が弱いとか考えすぎだとか、果ては優しすぎる性格のせいだとか言われている。逆にあの人は試合に強い、と言われる人もある。なぜ試合になると弱いのか、強いのか訊(き)かれることもある。

テニスの場合、試合に弱い人は足が遅いことが多い。練習ではスイングしか見ない傾向があって、ボールさばきが上手ならばうまいと感じやすい。足が速くても手が遅いこともある。それも練習では決まった所へ来るボールを打つので気が付かない。

確かに緊張すると硬くなって動きが悪くなるタイプと、逆に神経が鋭敏になって素早く動けるというタイプもあるだろう。しかし私は心理学に興味はない。心理学は問題を解決しないし、自ら新しい問題を生み出さない。たとえ人に心理があっても、それだけでは学問にならない。なぜ山に登るのか、の答えは学問にならない。

統計学の裏には確率という大きな学問が横たわっているように、心理学の裏には生理学が横たわっている。問題を解決するのは裏側の科学である。そういう点で、なぜ試合に弱いのかの答えを心理学に求めても本質的な答えは出てこない。生理学の進歩を待つしかない。

信じることが理解することと同値だという不思議な事実は、催眠術を使うことによってその社会の知的レヴェルを上げられるということだが、その先の進化を見つめる目は育てられない。やはり科学的生理的事実が見つかるのを待たねばならない。

ゴルファーは練習場でボールを打つ。10回に一回ナイスヒットが出るとする。簡単のためにゴルフコースが20ホールだとして、10回に一回ナイスヒットできるゴルファーはワンラウンドに2度ナイスヒットできる計算だが、実際にはそんなことは起こらない。

練習場で10回に7回ナイスヒットできる程度のゴルファーが、ようやくゴルフゴルフコースで3回に一回ナイスヒットできるような気がする。この統計的考察が、確率と矛盾するのはなぜか。問題はボールのロケイションである。

10分の1という確率は20ホールまとめたものに適用しても2打のナイスショットだし、一打一打を打つときのそれぞれの確率も同じだからやはり2打になる。しかし、一打一打は同じライでもなく、残りの距離も違う。ティーショットも風景が違うから狙いも変わる。

ある場所が練習場のマットの上と同じだとすれば、そこでのショットの確率は10分の1だが、もっと難しいライになったりロケイションになれば、その場所での確率は未知である。調べたことはないのだ。仮にそこでは確率30分の一ならば、10分の1の計算では狂いが生じる。

そう、練習場の腕前がコースで発揮できないのは心理ではない。科学的事実は、練習場でボールを打つときには、一番低いゴムのティーの前後左右にボールをくっつけて、沿わせて置いて、そのボールを打てと教えている。これはとても打ちにくいが、それでナイスヒットできた確率が、コースでうまく打てた経験上の確率に近い。

見栄っ張りのゴルファーは、そんなセットではほとんどナイスヒットは出ないから嫌だろうが、マットの上から打っても全く何の意味もない。より実践的な確率を上げるためにはそうするしかない。それでさんざん苦しみながら練習すれば、コースではかなり楽にボールが打てるはずだ。

楽に打てると言うより、打ち方が変わる。ゴムティーの左側にボールを置くと、ボールを打つ前にまずティーを打たねばならない。その時クラブヘッドは急激に速度を落とし、そのあとでボールを打つことになる。この衝撃に慣れるとインパクト時にクラブをどうしっかり支えればいいかわかる。

飛んだボールがどれくらい飛ぶかもわかる。マットの上の行儀のいいボールと比べたら半分しか飛ばないだろう。それでもナイスショットだということに慣れる。この慣れは、ライによってあなたが選ぶクラブを今までよりも遙かに適切なものに変えるし、ショットが半分しか飛ばなくても落ち込まない。

事実を冷静に受け止め、無謀な計画を立てさせない。そもそもマットの上のナイスショットが頭にあるから、出来もしないことをコースでやろうとしてしまうのだ。この練習方法はボールフィーダーが自動式の練習場では難しい。昔のような、自分でボールをセットする練習場があればいいが、無ければいちいち電源を落とすしかない。便利になるというのは不便なモンだ。 筆者

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