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ルールに合わせて53インチを48インチに切ったら、スイングイメージが消えて困っている。シャフトが長ければ横に振るイメージが出しやすい。昔から横振りの方が安定すると信じているので、ドライヴァーのようにわずかな誤差でたちまち左右40ヤードも違った方向に飛んでしまうクラブは出来れば横振りしたい。

ところが、世の中は縦振りの方が正確な方向性を出せると、そう思っているゴルファーが圧倒的に多い。確かにパットをするときにはボールを真上から見るが、それは縦に振ることとは無関係で、ただ視覚的な錯覚を防ぐ方策に過ぎない。

最近のパターのヘッドは奥行きが長い。ルールが許せば長さ1メートルくらいのシッポをフェイスの後方へ伸ばしたいだろう。そうすればパターのフェイスがきちんと目標を向いているかどうかわかりやすくなる。銃身が長いほど命中率が上がるライフルと同じことだ。

横に振るとシャフトの動きがそのまま方向を表す。野球のバットは横振りなので、バットの回転を見ていれば左右に打ち分けられるが、バットの上に当たるか下に当たるかでフライになるかゴロになるかが決まるので、それはなかなか思い通りには行かない。ちょっとずれただけでバットの上下どちらに当たるかわからない。

この話は、バットの太さよりも長さの方が大きいから方向を調整しやすいということを語っている。もしもバットが石臼のような形をしていたら、今度は逆にフライとゴロを打ち分ける方が簡単になる。時計の針がゴルフクラブで、文字盤の時刻の数字の上にボールを置いたとすると、ボールはいつも真っ直ぐに飛び出す。

私の横振りはそれと同じイメージでボールを打っているのだが、この方法はシャフトが見えるので、軸が動くとすぐわかる。これをもしも縦に振るとなると観覧車になって、ボールを打つだけを考える場合には問題ないが、ボールを打つのは観覧車であり、観覧車の幅はせいぜい2メートルちょっとしかない。

この2メートルの箱が進行方向へ真っ直ぐ向いていなければボールは真っ直ぐに飛び出さない。この箱がクラブフェイスの向きであり、それを調整するのは非常に微妙な話になる。私が縦振りを信用しないのはそういう理由によっている。

この辺の事情は本質的に微妙で、フェイスの向きにさほど神経質にならない場合には、縦振りの方がスイング自体に集中できるし、スイングがメカニカルな感じになる。横振りはインパクトでシャフトの向きをピッタリと目標方向へ合わせなければならないので、スイングするたびに何となくハンドメイドのスイングにならざるをえない。

私はアイアンを縦振りにして気楽に振っている。乾坤一擲(けんこんいってき)と言うか、一球入魂といったスイングをアイアンでやると、失敗する。観覧車スイングは自動的なので、ほんのわずかな箱の向きのズレを我慢すれば、大体グリーンには乗る。とてもベタピンとは行かないが、ミスしてざっくりやったりトップするよりましだ。

これに対してティーショットは元々ピンを狙うというほど細かな神経を必要としない。とにかくフェアウェイの真ん中目がけて打てばいいので、横振りの手作りスイングをする。このスイングは思い切り打てない。縦振りのメカニカルスイングはスイング自体がメカニカルなので、ただ目一杯打って構わないが、ハンドメイドはじっくり打たねばならない。

飛距離は落ちるが楽しめるスイングだし、何よりミスが少ない。ちょっとならボールを左右に曲げることも簡単にできる。プロ的には逆の発想が正解なのだろうが、その分水嶺は練習量の大きさのどこかにある。私には十分な練習量がないので、フラットな横振りでティーショットをこなし、アップライトな縦振りのアイアンショットが適していると思う。

これを書きながら、私は橘田規プロのスイングを思い浮かべた。あれは私の理想だったのかも知れない。ゲイリー・プレイヤーはフラットスイングではないが、彼の頭の中には明らかにシャフトの回転と向きがイメージされている。アップライトスイングのゴルファーではない。

読者が私を信じるかどうかは別にしても、ゲイリー・プレイヤーがヴェテランになって、飛距離の関係でフェアウェイからドライヴァーを打つようになったのを見たとき、私は彼が生涯使い続けたスイングのイメージがフラットだったことを確信した。

タイガーがスプーンで曲芸まがいのスライスを打つとき、彼は普通のアップライトスイングとは違った方法を採る。そこがタイガーの天才なのだろう。彼はまるでフラットスイングの仕掛けを知り尽くしているゴルファーのように上手にクラブを操って打っている。

タイガーの背丈が5インチ低かったら、私たちはゲイリー・プレイヤーの再来を見られたのかも知れない。筆者

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