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コツンと打つパットはメイジャーではない。グリーンの芝質のせいか、アメリカではボールを押していくストローク型のパットが主流だし、日本でも、少なくとも外見上コツンと打つパットをしているプロは少ない。

なぜコツンと打つパットがメイジャーにならないのかというと、ゴルファーの多くがパットの方向性に重点を置くからだ。パットは強さと方向という二つの要素で出来上がっている。

グリーンには多かれ少なかれ傾斜がある。だからボールが入るか入らないかはボールの速度と打ち出す方向の関数に従っている。けれどもゴルファーは方向に重きを置く。方向が違ったら入るはずがない、という事実を重く感じるからだろう。

それはラインが真っ直ぐな単純な場合に、ラインさえ合っていればボールの速度の方は融通が利くので、その意識が強く出てラインが優先になるのだろう。パットではラインを考えると距離感がおろそかになる。距離感に集中すればラインに神経を配りにくい。

コツンと打つパットはボールを打つ強さ、つまり距離感に抜群の効果を持っている。この打法ではボールを打ったが最後、それ以降何も出来ない。だからこそ、ホールまで転がるボールの力加減をイメージしやすい。

そしてそれに見合った力加減でボールをヒットすることに集中できる。その代わりボールの方向性にはほとんど神経が行かない。それでも距離感が合っていると方向のズレは思いのほか結果に影響しない。

パットがうまいゴルファーを見ていて距離感がいいと感じる人は多いが、方向性がいいと感じる人は少ない。傾斜を転がるボールがカップに落ちるかどうかはボールのカーヴと力加減が決めるものだが、強く打てば曲がらないが弱く打てば大きく曲がる。

この場合ラインの方から考えると大変で、そのラインに合った力加減というのが問題の答えになっている。しかし距離感、つまりボールをたたく力加減を先に決めてしまうと、今度はラインを見つけることが問題の答えになる。どちらが易(やさ)しい問題かというと、後者の方が楽だ。

まずは一番強い距離感で考える。曲がりは小さくなるが失敗したらおお事だ。それで力加減の方を少しずつ小さくする。そうすると曲がりが大きくなり、読みがだんだん難しくなる。失敗した場合のケガの大きさと相談しながら、その日のスコアも考えてどの力加減で打つかを決めると、なぜかラインの方のイメージはすでに出来上がっている。

私は長い間、正しいパットスタイルを考え、理想的なパットは押し出し型だという結論が出ていたから、それを練習し続けてきた。ところが、私のノーカンパターは理想だの理論だの、そういう話以前の、話にならないレヴェルだと気付いた。

コツンと打つパットはパターが普通に打てるゴルファーや上手なゴルファーには意味のないスタイルだと思う。だから勧めない。ただ、どうにも手の施しようのないノーカンパターの私にとって、コツンと打つパットはゴルフ人生最後の希望の光なのかも知れない。 


ボールを打つとき、一応フェイスはラインに向けるが、その後はただ一心にカップまで届く強さでたたくには、どれだけたたかなければならないかだけ考える。このとき、押し出し型パットだと打ちながら微妙に加減が出来るような気になって、集中力が落ちる。

ところがコツンと打つとなれば、インパクトは一瞬だけで、その時の力以上の力をボールに与えることは出来ない。何というか、一発勝負なのだ。それで距離感に集中力が出てくる。


出来るだけフェイスがボールに当たっている時間を短くしようと心がけながら、一方でその瞬間の力加減に集中する。その繰り返しの中で、私のパターヘッドは、fまるで空手のようにボールを打った瞬間、手前へキュッと戻るようになってきた。筆者

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