« 0224 点と面 | トップページ | 0226 ゴルファーの取扱説明書 »

前向きパターでパットの練習をしていると奇妙なことに気付く。前向きパターはヘッドが真っ直ぐリニアに動くのでパットの不思議が見えてくる。普通の横向きパットはフェイスの向きが少しずつ変わりながらインパクトを迎えるのでこの奇妙で不思議な事実には気付かない。

パターフェイスが少し左を向けばフェイスはボールの真後ろよりやや右に当たる、と書いたことがある。逆にフェイスが右を向くとボールの真後ろよりもやや左側を打つことになる。このときスイングは目標に真っ直ぐだとすると、何が起こると思うか。

パターフェイスがかすかに右向きで、しかしストロークは真っ直ぐ目標に向いてリニアに動くと、フェイスはボールの真後ろのやや左側を押すことになり、常識的にはボールは右に押し出されそうなものだが、実はそうならない。ボールは逆にわずかに左に出るのだ。

ボールのこういう挙動は滑らかで硬いパターフェイスからは想像が付かない。しかし仮にパターフェイスに糊(のり)が塗ってあってベタベタしているとすれば、ボールはフェイスにくっついて引っ張られる。ボールの右側を引っ張るのと左側を引っ張るのとではボールの出方は逆になるだろう。

その時左側を引っ張ると左に出る、らしい。だからフェイスが右向きで、つまりボールの左を引っ張ることになるとボールは右どころか逆に左へ出ることになる。

そこで私は右へ行くのを恐れるときはパターフェイスを微かに右へ向け、左を恐れるときはフェイスを左に向けることにした。この非常識な方法でしばらく練習しているのだが問題は起きていない。

ついでに気付いたのだが、フェイスを真っ直ぐにして打つとミスが起きやすい。なぜだかわからないが、真っ直ぐというのは人間の感覚的な限界を超えていて無理なのだと思う。無理をするのでミスが出る。

それに対してフェイスを微(かす)かに右とか左へ傾けると「限りなく真っ直ぐな右」と「限りなく真っ直ぐな左」が出てくる。限りなく近づけてもそれは永遠に真っ直ぐではない。そこがいいらしい。始めから真の真っ直ぐをあきらめたとき、人は能力の限界まで真っ直ぐに打てる。微積分の応用がここにある。

「黄斑」という点が目の中にある話を書いたことがある。これは視神経の中で際だって感度の高い部分で、この部分が暗い世界でもものが見える秘密だそうだ。この部分は目の真後ろにはない。真後ろからやや外れたところにある。

寝床でふと目が覚めた深夜、天井の模様が見え始めるのは真上ではない。真上の模様よりもその右か左にちょっと外れた部分から見えだしてくる。暗いところでものを見ようとするとき、ちょっと顔を斜(はす)にするだろう。まるで耳で見ようとするように。黄斑がそこにあるからだ。

斜に構えることも時として大事だし、真の真っ直ぐをあきらめて極限値としての真っ直ぐで済ますのもまた大事なことだ。

ボールを引っ掛けるのを恐れてかすかにフェイスを開くと余計にボールは左に出てしまう。練習用の連結ボールでも似たような不思議なことが起こる。かすかにフェイスを右に向けて打つと、フェイスは最初に左のボールに当たるのだから右にスピンすると思うだろうが、実際には逆に左スピンになる。

このメカニズムはまだわからない。パターフェイスをはっきりと大きく右や左に傾けた場合には確かに予想通りの結果になるが、かすかに傾けた場合には逆になる。この事実を知らないと引っ掛けはどんどんひどくなる。

« 0224 点と面 | トップページ | 0226 ゴルファーの取扱説明書 »

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)


コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。



« 0224 点と面 | トップページ | 0226 ゴルファーの取扱説明書 »