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コロガシの話の中で、最近のプロがコロガシの本当の価値を知らないばかりに、ウェッジを使ってショートし、勝ちを逃すシーンをしばしば見かける、という話を書いたことがある。たとえばグリーンが登りのスロープになっているとき、ウェッジで打つと転がらないでとまってしまう。

かといってピンの根元まで打ってオーヴァーすれば下りのパットが残る。力加減も難しいからそこへ神経が集中する。ところが、グリーンが登りのスロープだということは手前のエッジから打つときも、そのライは登りになっている。

つまり3度くらいは傾斜しているのでロフトに換算すると番手ひとつ違うわけだ。ウェッジでピッチする場合、サンドウェッジとその次のウェッジでは5度以上ロフトが違うから、それは使いにくい。

しかしコロガシならば、今の有村プロの位置から考えて6ヤード打てばグリーンに落ちる。そこから20ヤード転がるクラブを使えば、スイングはその分軽く、弱い力で打てるし、ブレードが地面に刺さることは決してない。

ウェッジというのは「くさび」という意味だ。くさびを打つ、あのくさびだ。だから刺さるものなのだ。しかし6番アイアンとか7番とか、百歩譲ってせめて8番アイアンで転がしていれば、トラブルは起きなかった。

たとえ7番や8番、あるいは5番というクラブでコロガシの練習をしたことがないとしても、プロの技術から考えて、7番でこのくらいとか、8番でどこまで打つかとか、そういうイマジネイションは十分持っているだろう。

アメリカのプロも日本のプロも、ウェッジのミスはまさにこういうときに起こる。グリーン手前の花道でグリーンまで緩やかな登りのスロープになっているとき、ピンまで25ヤードでグリーン面まで5ヤード。

この場面で痛恨のショートによって勝ちを逃したアメリカツアーのプロを何人も見てきた。ここまで書いたところで、何とか言う名前のプロが勝ったとアナウンスが流れた。有村プロが負けたわけだ。ウェッジは刺さる。いっそクリークでコロガしてもらいたかった。かわいそうに。 筆者

事故はたったひとつの原因で起こることは滅多にない。ひとつの危ない状況を冷静にクリアしたときに、偶然もう一つの危険が同時に重なっていた。それでも事故になるとは限らない。しかしさらにもう一つの危険が重なっていたら、間違いなく事故が起こる。

有村さんはグリーンの登り傾斜を計算するのに神経を使った。どこにボールを落とせばいいか、それにも神経を使った。ボールのライそのものも傾斜していることを考慮し、傾斜に逆らって打つか、それとも傾斜なりに滑らせるか、決めなければならなかった。

登り傾斜にウェッジを使う場合、傾斜に逆らって打てば距離感は平らな地面と同じになるが、ブレードが刺さってとまりやすい。傾斜なりに打てば、その傾斜分ロフトが大きくなるから番手ひとつは大きめのクラブで打たねばならない。

あれが花道でなくラフだったら、有村さんは勝っていた。いくつもの要素が重なって、事故は起きた。決してミスではない。

日本のトーナメントとアメリカのトーナメントではゴルフ場の芝が違うせいか、アメリカではラフの方が難しいが、日本は逆で、確かにラフの方が距離がある場合はコントロールが難しいが、草がさほど絡まないので弱いショットの場合は楽だ。

あるゴルフ場の、ある場所は、大体いつでもティーショットがそこでとまる。残り90ヤードの打ち下ろしの場所なのだが、そこからウェッジで打つと、ウェッジが地面に刺さる。常に刺さる。それでひどくショートする。

芝の根のいたずらだと思うが、それを知っているかいないか、スコアに少なくとも2打の差が出る。以来私はそこから打つときにはボールだけ打つように心がけている。

補3
有村さんは日本のゴルフ界をリードしているわけで、もっとがんばってもらわないと日本のゴルフに陰りが出てしまう。そういう意味で、もしも読者の中で彼女にメールできる人がいたら、私の話を伝えて欲しい。
謝永郁さんはコロガシの達人だった。是非ヴィデオを探して研究して欲しい、と。

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