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0397 ダスティン・ジョンソン、ローリー・サバァティーニ、ザック・ジョンソン
シンプル イズ ベスト という怪しい言葉がある。これほどわかりやすいように見えてわかりにくい言葉はほかにない。ゴルフで自然なスイングというのは、人の体の構造に照らして無理のないスイングを指している。
古くはサム・スニード、トム・ワイスコフ、そしてアーニー・エルス、彼らのスイングは自然である。スニードなどはフェードを打ちたいときは右に曲がってくれと思い、ホックさせたいときは左に曲がれと思うだけだったそうだ。何という自然さだろうか。
タイトルの3人のスイングはそういう意味で自然ではない。しかし彼らのスイングもまた見方によれば自然である。真っ直ぐ打ちたいと思う人間の知性が作り出した自然である。かなり原始的な知性ではあるが。
こういうのを英語ではアーティスティックと呼ぶ。「人工的」というほどの意味だが、それはまた「芸術的」という意味でもある。こういうところは英単語の方が日本単語よりも率直というか、鋭く、奥の深ささえ感じる。
自然なゴルフスイングでは、トップオブスイングでクラブフェイスは体の正面方向に向いている。ロフトがゼロのアイアンで考えた場合だ。ところがダスティン・ジョンソンとサバティーニはトップオブスイングのとき、握っているアイアンのフェイスは天頂を指している。
手首は手の平側に90度折れているから、手の甲もまた真上の空に向いている。これは人の体の構造から見て自然ではない。しかし真っ直ぐ打ちたいゴルファーの心から見れば理想的に自然である。
ザック・ジョンソンはもっと不自然なスイングをするが、あれは本来理詰めであるべき熊手型を、勝ちたいという強い情熱が変形させた特殊なタイプの熊手型のように見える。それにしても、やはり正確に打ちたいという気分が強く感じられるスイングだ。
究極のほうき型スイングというのもサバティーニやダスティンのような形になってやはり正確に打とうとする。そこには人工的な美しさ、人間の執念がある。熊手型でもほうき型でも、理想的でもその亜流でも、とにかくボールが思った通りの場所へとまれば何でもいい。それがこの世のおもしろさだ。筆者

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