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この話は長くなる。始めにいくつかの常識を書かねばならないからだ。長さの違うクラブを構えた場合、左腕が地面となす角は変わるか、変わらないか。変わるスイングもあるし、変わらないスイングもあるが、読者はどちらだろう。

アイアンのライ角はシャフトの長さによって微妙だが変わっていく。長くなるほどライ角はフラットになる。その差は小さいが、変わる。今の私のアイアンもシャフトの長さに呼応して変わっているが、以前何十年もの間、私のアイアンセットはすべて同じライ角になっていた。

ライ角を好みのままにセットしたアイアンが、皆同じライ角だった。そして今、市販のセットと同じように、私のアイアンもシャフトが長くなるごとに、かすかにライ角がフラットになっている。

まだ誰も、最適なライ角の計算方法を知らない。クラブによってシャフトの長さが違うことすら、それが本当に最適なのか、誰も知らないのだ。長い方が打ちにくい。それは的が遠いほど難しい、という自然現象だ。

と同時に、長い方が飛ぶ。それもまた自然現象だ。しかし飛ばすことを最優先にしなければならないドライヴァーでさえ、ルール限界の48インチが一般的にはなっていない。それも、謎と言えば謎だが、ドライヴァーの場合は一応打ちやすさと飛距離の妥協ということで済んでいる。

しかしそれならば、決まった飛距離と方向性を最優先にするアイアンが、シャフトの長さを同じにして作られてはいないのはおかしいだろう。ご存じのように、アイアンシャフトの長さを変えても、飛距離の変化はごくわずかだ。

たとえば7番アイアンと8番アイアン、7番に8番のシャフトをつけたアイアンと、8番に7番のシャフトをつけたアイアンと、どちらが飛ぶかご存じか。圧倒的に7番アイアンの方が飛ぶ。

無論、同じ7番アイアンならシャフトが長い方が飛ぶ、と言えば飛ぶんだが、ドライヴァーのシャフトの長さを変えたときほど、目に見えるような差は見られない。飛距離を左右するのはシャフトの長さよりもロフトだ。

大昔から、なぜアイアンのシャフトを同じ長さにしないのか不思議だった。長さによる飛距離の効果と、完全に同じスイングで済ませられるという絶対的な有利が天秤に掛けられ、なぜ同じスイングで済むというありがたさが負けるのだろうかと、考え続けている。

ただし、パワーのあるプロゴルファーの場合は、少し事情が変わる。たぶん現在のゴルフクラブはプロに合わせて作られている。プロの練習量とパワーと、そしてお気に入りのプロが使うクラブが売れるからだろう。

さてそこで、左腕が地面となす角は同じがいいと思うか、それとも違う方がいいか、と問えば、それはシャフトの長さと関係してくる。ライ角と関係してくる。だから答えられない。

話を簡単にすると、せりあがりの舞台のように、背の高さが自由に変えられれば、シャフトの長さに関わらず、同じ左腕の傾斜角でスイングできる。ライ角も全く同じでいい。

それならばスイングは全く同じだから、たった一つのスイングでゴルフが出来るわけだ。実際に十分背が高いゴルファーには可能なことで、膝を曲げればいい。ところが、未だかつてそういう方法でゴルフをしているプロを見たことがない。

どんなに背が高くても、ゴルファーは皆シャフトの長さに応じて違ったスイングをしている。ということは、背が高い低いにハンディはない。背が高いゴルファーが勝つ時代は、背の高さでなく、パワーの違いが勝ち負けに有利に働くゴルフコースが多い、という意味である。ある意味で、それはスポーツだから当然のことだ。

ところで、シャフトの長さが変われば、普通は左腕の傾斜角も変わる。従ってスイングプレーンも変わる。14枚の異なるスイングプレーンを使うには、体の使い方を変えなければならない。

ハンドダウンを使って常に一定の傾斜角を使う場合、インパクトでも腕とシャフトに一定の角度が生まれることになるが、実際そんなことは不可能だ。打つときはいつでも腕とシャフトは真っ直ぐになる。だからハンドダウンの場合は、あくまでイメージの世界でインパクトを迎えなければならない。

どちらに転んでも、話は怪しいばかりだ。14枚のスイングプレーンを教えるインストラクターは存在しない。それは怪しい。ハンドダウンで、長さの違うクラブを同じように振れる理屈も存在しない。
ただ、どちらにも、それで立派にボールが打てるという事実だけがある。
クラブを構えたときに、グリップしている手を見る視線と、クラブヘッドを見る視線と、その二つの視線が成す角は、出来るだけ小さい方がいい。しかしそうすると余程背が高くない限り、左腕の傾斜角を一定させることが出来ない。

左腕の傾斜角が一定であれば、ハンドダウンを除外した場合、スイングは一つになるが、傾斜角が変われば、その分スイングプレーンが増え、沢山のスイングを身につけなければならない。
日本人の平均身長から逆算すると、二つの視線の成す角は15度以下に納められる。これはスイングを楽に行うためには十分な数値だと思う。だからこの角度を一定に保てれば、左腕の傾斜角がクラブごとに変わるために起こるスイングの誤差は許容できると私は考えている。 
補2
以前シャンクの話に中で「あごの下」という話を書いた。スイングプレーンは両肩から作られる。肩はあごの下にある。しかしシャンカーはそれを忘れる。一般のゴルファーだって忘れているだろう。

ボールを見る視線がぐるっと回ってスイングプレーンになるような錯覚が起こる。このプレーンは本当のプレーンより上にあって、しかも傾斜が急で、ちょうどボールのところで二枚のプレーンが接する。

沢山ボールを打って練習するうちに、何だかこの視線が作るプレーンの方が本物のような気にならないか。先に書いた二つの視線のなす角が小さいとき、つまりハンドダウンではない構えの方がスイングが安定すると言ったのは、このことだった。

しかしそれでもなお、本当のスイングプレーンはあごの下にある。スイングプレーンがあごの下にあるということを意識するのと、左わきを締めるのと、結果は似ているが、様々に違うスイング全体に融通性があるのは「あごの下」の方だ。

シャンカーに限らず、「あごの下のプレーン」を意識してスイングすることで当たりが良くなることは、あるだろう。 筆者

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