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世界屈指のプロゴルファーが、残り130メートルからグリーンを狙って、カップから10メートルも離れてボールがとまったのを見て、ちっとも悔(くや)しがらない。当たり前のような顔をするのは全英しかない。全英は普段見られない不思議な試合が行われる。

フェアウェイがガラスのように硬いとすれば、ボールは無限に転がる。障害物に当たるまで転がる。あるいは穴に落ちるまで転がり続ける。障害物とは深いラフであり、穴とはバンカーである。

バンカーがどれほど小さくても、その周囲の半径30メートルがかすかにバンカーに向かって傾斜しているなら、それは直径60メートルのバンカーと同じだ。全英のコースは、尾瀬ヶ原と同じようになっている。

尾瀬の細い遊歩道のような小道がティーからカップまで続いている。まずその小道を見つけなければならない。そしてその小道の上にボールをとめる技術がなければ、ボールは全て沼に落ちる。

直径6メートル足らずの小さなバンカーは、実は直径60メートルのバンカーと同じなのだ。つまりバンカーの面積は8倍ある。隣同士並んでいるバンカーなどはほとんど冗談であって、あれはみんなくっついていて、ひとつの巨大なバンカーになっている。

どちらに入るかだけの問題で、バンカーから30メートル以内にボールが行けば、それはバンカーに入る。ラフも同じだ。小道から外れたボールはラフに入らない限りとまらない。

ラフから30メートル離れ、バンカーからも30メートル離れた場所をプロットすると、そこにカップまで続く細い小道が見えてくる。全英のコースで問題なのは傾斜だ。北アルプスの尾根を縦走するようなものだ。ちょっとわきにそれれば落ちる。

普通のゴルフでも傾斜は考える。次のショットが打ちやすいライかどうか、アドレスが取りやすいか取りにくいか、そういうことは考えるが、ある一点に落とさなければ必ずラフかバンカーに入るようなコースはない。

決められた距離と方向をキッチリ打てるゴルファーが強いのは当然だが、アメリカの箱庭コースでは勝てるが、全英では必ずしも勝てない。なぜか。それが全英のおもしろさだ。 筆者

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