« 0253 ゴルフ基礎の基礎(次の一手) | トップページ | 0255 車のハンドルで学ぶ左手の握り方 »

ある日生徒が「ネットで読んだのですが、ガットはゆるく張る方がいいと書いてありました。本当ですか?」と聞いてきた。私は自分のブブックを誰にも教えていない。だから読者には知り合いも生徒もいない。どんなブログを読んだのか知らないが、一応の説明はした。

説明しながらふと思ったのだが、ドライヴァーの飛距離は体重と体力によって最高限度が決められている。私が知っている確かな事実は、長い方が飛ぶということと、柔らかい方が飛ぶということだけだ。

そしてこの両方とも、スイングを難しくする秘訣でもある。私は読んだことはないが、つまり飛ばしのコツというのは、スイングが難しくなることを気付かせずに、結局は沢山練習させて飛ぶようにする、催眠術である。

練習すればうまくなるのは当たり前だし、練習すれば筋力もアップしてしまうのだから、飛ばしのコツだか何だかわからなくなるが、それでも今までより沢山練習する気にさせるという点で、詐欺でもない。

私の「スウェイ打法」も一種の飛ばしのコツだが、スウェイしない方がゴルフは簡単だから、これもまた危険と隣り合わせだ。ただ「スウェイ打法」は当たり前の理論であり、誇大広告を出して人集めするものでもない。がんばってやってみようというゴルファーがいればそれでいい。

トランポリンには飛んでいる間に演技をする競技があるらしいが、もしもそれとは別に、ドラコンのような競技があって、誰が一番高く飛べるかということになると、話はトランポリンの反発力だの表面積だのという、道具そのものの物理的規定が問題になってくる。

なぜかといえば、ひとつのトランポリンがあれば、そのトランポリンで誰が勝つかは筋力よりもむしろその人の身長と体重で決まってしまうからだ。逆に言えば、自分に合ったトランポリンを使えば、同じ筋力のまま、より高く飛べるということである。

ゴルファー各自の体重や筋力が変わらないとして、それで一番飛ぶドライヴァーは決まっている。ただそのドライヴァーを上手に振れるかどうかは、才能と努力次第だ。今のシャフトは硬いのから柔らかいのまで4種類ほどだが、少なくとも50種類くらいから選べないと、自分に合ったドライヴァーは見つからないだろう。

地面から飛び上がるよりトランポリンの上ではねた方が高く飛べる、だろうか。練習も無しには立っていることさえ難しい。つまり地面のように硬い方がやさしい。上手になるほどタイミングが取れて高く飛べるが、その先もっと高く飛ぶには筋力を付けるか、あるいは自分の体重に最適な反発力のトランポリンを設計する。

テニスラケットのガットはストローク主体のプロはかなり硬く張るが、ヴォレーを得意とするプレーヤーやダブルスの専門家は柔らかく張る。硬く張れば張るほど球離れが早くなって自然なイメージ通りに打てる。簡単に打てるとも言える。ただしパワーがなければ強い球は打てない。

ヴォレーは自分の力で打つというよりも、飛んでくるボールの力にカウンターを当てる打法なので、ガットが硬いと微妙にミスが出るが、柔らかいとタイミングの乱れを吸収してくれるので、非常に楽に返球できる。この差は劇的である。

女子のストローカーは非力なのでガットは男子ほど硬く張らない。ガットが柔らかいと何が起こるか。柔らかいガットはエネルギーを貯めるのである。その代わり打ってもすぐに飛び出さない。少しのタイムラグがある。この感覚がつかめないと、いくら思い切り振り回してもスピードボールは出ないし、思った通りのコントロールも出来ない。

すなわち、柔らかいシャフトでフェアウェイセンターへティーショットを打つ技術は女子プロの方が男子プロより遙かに優れている。それなら男子も柔らかいシャフトでパワーを貯めて打てばいい、と思うだろうが、それをしているのはジョン・デイリーだけである。なぜか?

バネには弾性限界というのがあり、バネを引っ張ったとき、引っ張り過ぎればもう元には戻れなくなる。つまりは壊れる。輪ゴムを引っ張って放せばパチンと音を立てて元に戻る。その速度は人間に出せる速度ではない。しかし重たいものをぶら下げれば切れるか、さもなければ少し伸び縮みして振動はするが、元の位置には戻れない。

男子プロのパワーが十分に大きい場合、しなることで貯められたパワーを持っているシャフトが元に戻る速度よりも、硬いシャフトを振り回した方が速い。無論シャフトの弾性限界はもっと先にあるだろうから、シャフトにパワーを貯めればもっと速く打てるが、相当の技術を要する。

猫は自分の背の高さの7倍以上高い塀に飛び乗るバネを持っているが、トランポリンに乗せたらもっと高く飛べると、思えますか。別にゴルファーの頭脳を疑っているわけではありませんが、柔らかいシャフトを使うことは、時として「猫にトランポリン」になるでしょう。

パワー、つまり飛距離だけでなく方向性も考えなければならないとなると、トランポリンはギャンブルです。勝つために十分なパワーを持っているプロにギャンブルの必要はありません。

アマチュアゴルファーが飛距離を求める場合、一番いいのはルール限界の48インチを使うことです。そしてシャフトの硬さを自分のスイングに最適なものにすることです。ただし、それは物理的な計算上の硬さなのですから、それを使いこなすために、努力しなければならないのです。

クラブメーカーも、簡単なテストによって一人一人のゴルファーに最適なシャフトを選び出す技術を開発し、それを提供できるような努力が必要でしょう。ゴルファーが無知なために需要がないので、メーカーは知らん顔です。

 
どちらが悪いのか、それはわかりませんが、早くそういう本物のテストマシンを用意していただきたいものです。何しろドライヴァーは高価なんですから。フジクラのシャフト部門は、電線屋ほど真剣には見えません。なぜだか知りませんが。筆者

« 0253 ゴルフ基礎の基礎(次の一手) | トップページ | 0255 車のハンドルで学ぶ左手の握り方 »

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)


コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。



« 0253 ゴルフ基礎の基礎(次の一手) | トップページ | 0255 車のハンドルで学ぶ左手の握り方 »