« 0556 振動止め付きシャフト | トップページ | 0558 120グラムのシャフト »

0557 ジム・フューリックのトップオブスイング
クラブシャフトが体に巻き付くようなスイングは見ていてとても自然で、しかもゼンマイの如くコイルが巻き上げられて、それがはじけるという、実にパワフルで理にかなったスイングに見える。
フラットなスイングはそれが身長によって縦振りに見えても横振りに見えても、この方式で成り立っている。ところが背の高いゴルファーがフラットに打とうとすると腰を曲げる量が多くなって体にきつく、無理が出る。
そこで背の高いゴルファーはアップライトという新しいスイングを発明した。このスイングはフラットスイングとは根本的に異なる理屈で出来ている。世界の一流プロゴルファーは一般に背も高いので、私たちはアップライトスイングという仕掛けで行われるスイングを見ることが多くなる。
しかしアップライトスイングの仕掛けを使うには私たちの身長はちょっと足りない。アップライトとフラットの違いは決定的で、同じゴルフのスイングと言っても全く共通点がない。つまり違うスポーツをするのと変わらない。
それに気付くゴルファーは少ないので、悩みが深まる。自分と同じ体型をしている、世界で一流のゴルファーのスイングを参考にするのは正しい判断と言えるだろう。
フラットスイングはゼンマイだから、バックスイングでシャフトが水平になった瞬間、シャフトはまるでライフル銃の銃身のようにピタリと目標の方向へ向く。スイングがオーヴァースイングであっても、銃身の先はゴルファーと目標を結んだ線の上をトレースしなければならない。
アップライトスイングの場合、シャフトの動きはフラットとは違い、バックスイングでシャフトが水平になったとき、シャフトの先は目標よりも右側に向く。フラットスイングではシャフトの動きが一つの平面を作り、ヘッドもその面の上を動く。
ところがアップライトスイングのシャフトの動きは変で、その軌跡は一枚の面を作らない。シャフトの軌跡は円錐型になり、その先にヘッドがあって、ヘッド自体の軌跡が垂直に近い面を作る。
フラットスイングの軸がバックスイングする時の体の苦しさ、きつさでぶれるとき、頭は苦しさを逃がすように右へ傾くので、水平時点でのシャフトの先も右を向くが、アップライトの場合とは全く事情が違う。
ジム・フューリックのスイングは変則だと言われるが、私にはなぜだかわからない。父親がコーチだからと言うのはタイガー・ウッズも同じで、確かにタイガーのスイングも極めて変則である。
アメリカのゴルフインストラクターはゴルフスイングにフラットとアップライトがあることを知らなかった。今でもほとんど知らない。ただ縦振りと横振りが見えるだけだった。フューリックのアイアンショットを見ると、トップオブスイングでクラブが奇妙な位置に納まっている。

フラットスイングを考えているなら、それはあってはならない位置に違いない。しかしアップライトスイングでなら、それは正しい位置なのである。アップライトスイングこそがゴルフスイングだと思い込んでいるのに、そのアップライトのトップとして最も正しい位置にある彼のスイングを変則と思う無神経さと言うか、無知が私には許せない。

彼のスイングは私の知る限り最もマシン的なスイングである。クラブの測定に使うスイングマシンは、あれはおよそ人間には実現不可能なスイングで、あんな動きが出来る手首もひじも、人間は持ち合わせていない。
一応はフラットスイングを模(も)しているのだが、アップライトなゴルフスイングしか知らない人間が、何でフラットスイングのシミュレイターを作るのか、要するに何にも知らないということだろう。
というわけで、フューリックのスイングはゴルフ競技に最適かどうかは別にして、無限のパワーを持った人間がいるとすれば、最高のスイングであるということは確かだ。しかしパワーの大部分をコントロール性へと変換するので飛距離が不足する。
だから彼のスイングが彼にとっても、必ずしも最大の勝利数を約束するわけではない。ちなみにゴルフマシンがノーコックで手首を固定していれば、そのスイングはフューリックそっくりのトップを作る。筆者

« 0556 振動止め付きシャフト | トップページ | 0558 120グラムのシャフト »

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)


コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。



« 0556 振動止め付きシャフト | トップページ | 0558 120グラムのシャフト »