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0372 リヴァースグースの意味を探る
7番アイアンのロフトを調整しようとしてネックを折ってしまった。溶接してようやくロフトが合ったと思ったら、グースネックになっていた。イージースワンはリヴァースグースでなければならない。
7番はコロガシに欠かせないクラブなので再度調整しようかとも思ったが、この際グースのままにして、この先しばらく使うことでリヴァースグースの意味が統計的にも出てくるだろうと、そのままにすることにした。
グースネックになった7番を構えると、ボールを包み込むような感じでとてもいい。それは昔からわかっている。そもそもなぜリヴァースグースのアイアンを作ったのか、その話は「テニスからテニスへ」には書いてあるが、ゴルフの方には書いてあったか忘れたので、念のために書いておく。
トーストにバターを塗る場合、バターナイフやナイフがなく、スプーンを使わざるを得ないときに、あなたはスプーンの凸面と凹面のどちらでバターケースからバターをすくい取るか。
幼児はまるでアイスクリームを食べるようにスプーンの凹面でどっさりバターを取るが、いざトーストにそのバターを塗る段になって困る。スプーンからあふれ出ている分のバターは簡単に塗れるが、中に入っているバターは塗れない。
何歳になるとスプーンの背中でバターをすくい取ってトーストに塗るようになるのか知らないが、それは知能のなせる技である。中に残ったバターをトーストの四隅の角でこすり出し、それからスプーンの背中で塗る。これは大人もするだろう。
グースネックは言わばスプーンである。だからボールを捕るのは簡単だが、リリースするのは難しい。グースネックのアイアンが構えやすいのはボールを捕らえるのが易(やさ)しいからに他ならない。
しかしその事実は当然ボールを離すのが難しくなることを意味する。ゴルフスイングはテニスより速いからボールはほとんど自動的に飛び出すように見えるが、イメージとしてのリリースがないわけではない。
テニスのレッスンで、私はボールを捕らえて打ち出す際に、ラケットをスプーンの背中として扱うのが上級だという話をする。初心者はラケットを捕虫網のようにイメージしボールを捕まえる。確かにその方が簡単で確実だ。
その代わり、打ちたいところに打ち出すにはスプーンの背中をイメージする方がはるかにやさしい。ただ、ボールを捕る動作は非常に難しくなる。電信柱に向かって壁打ちするとわずかなズレでもボールは大きく方向を変えて跳ね返る。それと同じだ。
逆に凹面の壁だとどこへ打っても自分のそばに返ってくる。テニスが上手になってくると、ボールを捕らえることは簡単になっていく。しかし好きな方向へ打とうとしたとき、ボールがガットのたわみの中から出てきてくれないと思うようになる。
ガットはへこんでスプーン状態になっている。そのスプーンの中にボールがあると、ガットのへこみが戻ってきて平らになるまでボールはガットから離れていかない。このタイミングが難しい。だからガットを硬く張るようになる。
リヴァースグースのアイアンはボールを捕らえるときに神経を使う。だからグースネックほど構えがやさしくはならない。けれども打ったあとに、無論イメージの世界だが、ボールを好きなタイミングでリリースできる。
私がリヴァースグースという要素をアイアンに持ち込んだのはテニスのこの「スプーン」理論に依っている。一般的なゴルフショットではイメージできないだろうが、ハーフショットなどごく軽いコントロールショットではグースネックの強い抱え込みが邪魔になったり、あるいはショットの力加減をイメージできなくなる原因になっている、とは思いませんか。 筆者

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