« 0324 O.B4連発の真相 | トップページ | 0326 パットラインの計算(逆噴射) »

先週のセント・ジュードで最終日最終18番ティー、3打リードして迎えたこのパー4で7をたたいて負けたのがロバート・ガリガスである。レギュラーツアーでは滅多に見られない光景だった。
3打もリードがあるのにティーショットを池のど真ん中に打ち、池の手前からのサードショットも無理をして目の前の木の枝にぶつけ林に入った。まるで私が時々するようなゴルフを見てしまった。
ガリガスのスイングはババ・ワトソンのスイングと非常によく似ている。明治の大砲よろしくフィニッシュでよろける感じも似ている。左利きのワトソンのスイングを鏡に映して反転させたような感じだ。
ガリガスも飛ぶ。現在ツアーランクのトップはババ・ワトソンの305ヤードで、2位にはダスティン・ジョンソンがわずかに遅れて続いているが、予選突破の少ないガリガスのショット数が規定値まで来れば311ヤードでババを大きく引き離したトップになることは間違いない。
ガリガスとワトソンのスイングに共通するのはメンコだなと思った。私たちゴルファーのスイングは機械的になっている。飛ばすこと以前にコントロールを考えている。従ってバックスイングだとかトップの位置だとか、そういうことが必要不可欠な要素にある。
ところがこの二人のスイングにはそれがない。金槌でくぎを打つ場合、打ち間違えて釘を外してしまわないような注意はするが、バックスイングの位置までは考えない。釘はそれほど強く打つ必要もないので全力にもならない。
しかしもし全力でたたくとすればどうするか、考えてみると、ゴルフスイングとは違うことに気付く。まず第一に金槌はゆっくりと振り上げるだろう。第2に無理矢理大きなバックスイングを取ろうとは思わないだろう。第三にバックスイングで腕も体も硬くなっている部分はどこにもない。



野球のバッティングでもメンコでも、打つ場所は指定されるけれど体のどの部分にも硬くなっているところはない。ネットのアホ解説者はガリガスのスイングを見てフレッド・カプルスに似ていると言ったが、彼が間違える理由はわからないでもない。
しかしカプルスのスイングは機械的である。機械的な中でインパクトを強くする仕掛けを知っている。ガリガスとワトソンはそうではない。彼等のスイングに似たスイングを探せばケニー・ペリーを思い出す。彼も以外に飛ばし屋だということを知っているだろうか。
ケニーのバックスイングもまた非常にゆっくりで、変わったスイングに見える。三者に共通するのは何か。編集したヴィデオをずっと見続けたあとに私は外に出てまねしようとしたが左腕の40肩の痛みに耐えられず出来なかった。
それもまたおもしろい話で、普通のスイングは何とか出来るのに、彼等のまねをしようとすると肩と腰の痛みが邪魔をする。それだけパワーの入るスイングということだろう。イメージは出来ているがまだまねは出来ない。しかしスイングの核心は見えている。
彼等のスイングは手首もヒジも固定しない。全体をムチのように動かす。好きなだけヒジを曲げ、好きなように手首を動かしてバックスイングをしてみれば、彼等のスイングが見えてくる。ゴルフスイングではムチのように、という言葉は普通だが、本当にやるゴルファーはいない。
バックスイングでクラブを引くとき、野球のバッターがバッターボックスで肩にバットを背負うその時のその動作と同じ軌道でバックスイングしたら、もしかするとガリガスたちのスイングイメージがわかるかも知れない。
特に強調したいのはダウンスイングの始まりが妙にゆっくりしていることだ。普通思い切り打ちたければたとえバックスイングを静かにゆっくり上げたとしても、そこからの切り返しでスイングは超ハイスピードになる。今はやりの石川プロを見ればわかる。
ところが彼等のダウンスイングはゆっくり始まる。それがなぜか考えれば、そのスイングの秘訣にたどり着けるだろう。「メンコでゴルフ」は15年も前に書いた話だが、メンコにはスイングの核心が詰まっている。あれはスウェイ打法だ。

2011年の初戦で、ガリガスがティーショットをするとき、彼の頭と遙か海の彼方にある島の稜線が重なっていた。それで彼がどれくらいスウェイするかよく見えた。それはすごい量で、タイガーにも劣らないほど上下に弾んでいた。筆者

« 0324 O.B4連発の真相 | トップページ | 0326 パットラインの計算(逆噴射) »

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)


コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。



« 0324 O.B4連発の真相 | トップページ | 0326 パットラインの計算(逆噴射) »