« 0598 ゴルフのスコアを決定するもの | トップページ | 0596 やはり来た、ウッドの時代 »

久々にこのタイトルを書く。アマチュアゴルファーにとっても、余程飛距離は魅力的なのか、飛距離を伸ばすというキャッチフレーズの商売は沢山あるようだが、大抵は無難な方法を教えている。私もそれは良心的で正しいやり方だと思う。

体を大きく使うことは大事だし、この方法は危険が少ない。私が勧めているスウェイ打法は体の屈伸が生み出すムチにも似た特別なパワーを使うわけだが、ボールにジャストミートするには相当の訓練を必要とするだろう。

飛距離に最大の効果をもたらすのは手首の使い方である。しかしこの方法はあまりに危ないから、それは人生の残り時間が少ない大人のアマチュアに教えるべきものではないと、私は考えている。

野球のバッティングで、飛ばない打ち方を使ってプロとして成功したバッターはまれである。アメリカのプロゴルファーの約半分は安全に飛ばす方法を使っている。日本のプロではその比率は7割を超えるだろう。

日本の女子プロに至ってはほとんど9割に達している。森田という女の子のスイングは日本のプロゴルファーとして実にまれなスイングと言わねばならない。どこが違うのか、その話をしよう。

野球のバントを思い浮かべて欲しい。無論それでは飛距離が出ない。しかしそのバントスイングをずっーと大きくしていったようなスイングはある。手首を返さないのでスイングは安定している。

しかし飛距離は出ない。張本さん以外にこの方法でホームランを打てる人はいなかった。しかしヒットは量産できる。ダスティン・ジョンソンは言わばゴルフ界の張本である。彼のスイングは手首を折らない、と言うか畳(たた)まない。

40年ほど前のことだが、神宮第2球場のゴルフ練習場で、荒川さんが打ったドライヴァーショットはややドローしていた。しかし何度打っても同じで、まるでコピーのように同じところへ飛んでいった。サウスポーだったので、その球筋は右へ曲がるのだが、それほどひどくは曲がらない。

その飛距離がすごかった。周りで練習している人たちとは次元の違う飛距離なのに、スイングは実に軽々と、力が入っているようには見えなかった。構えては打ち、また構えては打ち、それは実に早業だった。

どこにも力が入っていないかのように、すごい速度で次々とボールを打っているのに、ボールは同じ軌跡を描いて飛んでいった。彼はバッティングで使う手首の動かし方を熟知していたのだろう。それをゴルフに応用した。

前にも書いたと思うが、野球選手がもしもゴルフのグリップと同じグリップでバットを構えたら、ホームランどころかヒットも打てない。力が入らないはずだ。つまり、ゴルフのグリップは飛距離に関して言えば、ゴミだ。

ゴルフで飛距離を出すためには、ドライヴァーのクラブフェイスはバックスイングと同時に開いて行かねばならない。安全な、安定したスイングを考えれば、トップ(シャフトが地面と水平になったとして)でクラブフェイスは上を向くべきだろうが、飛ばすスイングではそうならない。

トップでクラブフェイスがボールの方へ向いていると、それはかなり怪しいけれど、それは飛距離についてだけ言えば、飛ぶ。そんなスイングが出来るのか出来ないのか、やってみて頂きたい。少なくともホームランバッターはそれでホームランを量産している。

バットには面がないからわかりにくいが、たとえばスラッガーがバットを構えるとき、そのバットはホームベイスに被さるように倒れ込んでいる。そこからどうやってボールを打つのかわからないが、何しろそれが事実だ。

飛距離の出るゴルファーはそれと同じことをやっている。手首をその甲側に折る。ジョンソンの逆だ。そうするとインパクトで折り曲げた分だけ正確に戻さなければならない。これは大変難しい作業だが、それが飛距離だ。野球のバッティングがその事実を証明している。

天下のベンホーガンだってそうやっている。ホーガンのスイングが有名になったのは彼の戦績のせいばかりではない。右ひじのたたみ方、手首の折り返し方、ダウンスイングの形、どれを取っても非常に見やすい。わかりやすい。最もメイジャーで典型的なゴルフスイングなのだ。
私の町内会に化け物がいて、身長165センチの普通の体型なのに、280ヤード飛ばす人がいる。スイングはコンパクトでゆっくりしている。ただ、トップの位置のシャフトが不思議な方向へ向いている。

それだけが彼の飛距離の謎を解くカギではないかと、私は考えている。いずれにせよ、彼の飛距離の秘密は野球のバッティングにある。バットに面はない。しかしゴルフクラブには面がある。

優れたバッターは方向を持った面を持たないバットでも、ボールを打つ位置は常に同じ場所に違いない。だからそのスイングはゴルフにも十分応用できる。ただ、相当練習しなければならない。
ゴルフをするのにそんな必要はあるのか。それは誰が、何を目的として決めるのだろうか。 
野球のバッティングから飛距離を出す方法を見つけ出す話を書いたが、バットは肩に背負った状態からスイングが始まる。しかしゴルフはアドレスからスタートするのでバックスイングが長い。この長い助走を利用して飛距離を出すことが出来る。

昔はよく見かけたので説明も楽だったが、今現在、そういう打法を使うプロは思い当たらない。しいて言えばジョン・デイリーがバックスイングを始めるほんの最初の一瞬に、そのイメージを見つけられるかも知れない。

一言で言えば、あたかもシャフトがビニールホースで出来ているかのように見える、そう見せるバックスイングをすることが出来れば、野球のバッティングにはない力を使って飛距離が出せる。柔らかいレディースシャフトが飛ぶのはそういう事情に依っている。
筆者

« 0598 ゴルフのスコアを決定するもの | トップページ | 0596 やはり来た、ウッドの時代 »

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)


コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。



« 0598 ゴルフのスコアを決定するもの | トップページ | 0596 やはり来た、ウッドの時代 »