« 0389 チタンヘッドの軽さと戦う | トップページ | 0388 「カチッ」と「ペチッ」と »

0387 パット、放り込むか押し込むか
ツケられればハネるのが碁盤の上では常識らしいが、振り子のように弧を描いてパターを振ると最後はパターヘッドが撥(は)ねる。そういう打ち方はボールがとてもよく転がってまるでボールをカップへ放り込むような感じがする。
一方パターシャフトを平行移動させて打つ打ち方もパッティングでは一般的だ。パターをリニアに動かすこの方法はかなり強く振ったつもりでもボールは案外転がらない。ここにも回転トルクの偉大さが見えるのだが、この打法は何となく、ボールを押してカップへ押し込む感じになる。
私は前向きパットだが、原理は横向きと同じでどちらの打ち方も出来る。パットのうまいゴルファーがどちらの打ち方をするのか決まっていれば話は早いが、どちらの打ち方で打っているという傾向がない。うまいゴルファーはどっちでもうまい。腹の立つ話だ。
だからどちらがいいとは言えないのだが、ボールを打った直後の視線に関して、おもしろい事実がある。ヘッドアップするとミスショットになりやすいのは一般的には確かな事実で、ショットの場合はスライスやダフリなどにつながり、パターの場合は特に方向がぶれる。
ボールを打ったらなぜヘッドアップするのか。パットして、転がるボールを見つめているつもりのゴルファーをわきから見れば、ヘッドアップしているように見える。実際、もしも本当に転がるボールを見ているだけなら、ボールの先の地面やカップは見えないはずだが、見えている。
無理をして顔を動かさずに、ボールを打ったその場所を見つめるくらいでようやくヘッドアップはとまるが、それでもボールの転がりは見えている。本当に視線がボールの後ろからボールを追いかけるような感じが出ると、ボールしか見えなくなる。
そして先が見えていないので不安になるし、距離感が出しにくい。ボールの転がるのを見ているだけだと、不自然で不思議な感じがするものだ。つまりほとんどのゴルファーはそうしてはいないということだ。視線は打った直後にボールの先へ先回りしている。なぜかはわからない。
シャフトを平行に動かす押し込み型では視線がボールの後ろからボールの跡を追いやすい。だから比較的ヘッドアップしにくい。振り子型はヘッドが撥ねたときに視線も同時に撥ねる。だからヘッドアップしやすい。
テニスでもボールを打つとヘッドアップする。そうするとボールがラインを超えてホームランする。何でホームランするのか生徒にはわからないのだが、こちらで見ているとボールを打った直後にヘッドアップして、確かにボールがホームランしたあたりを事前から見ているように見える。
それでボールを打ったらボールを見ずに、ネットの白帯をにらみつけろと言うと、ボールはネットすれすれのナイスショットになり、ホームランは出なくなる。本人は全く同じスイングをしているので狐につままれたような気がするのだが、レッスンしている私だって不思議なのだ。
つまり振り子型ではボールを打った地面のその場所を見続けるくらいの用心が必要で、ヘッドアップには十分気を付けねばならないが、平行移動型ではさほどの心配はない。しかしだからといって平行移動型がいいとは言えない。
ヘッドアップしないといいことが多いのは確かだが、不自然なのは事実で、本当はヘッドアップしてもスイングに影響が出ない方がいい。ただそれはとても大変な作業だから、ヘッドアップしない方が不自然でも簡単だという、そういう話になっている。
だからヘッドアップしないように振る方がいいと思うけれど、本末転倒してはいけない。ヘッドアップしないようにという教えはあくまで「便宜」に過ぎない。パットをして、自然に振る舞えば視線はボールより先にカップまで届く。それが自然だ。
テニスボールがホームランするのはそこを見るからだと書いたが、テニスではアウトになってまずいが、パットなら、打った直後に見ているところ、つまりカップへボールが転がっていくのだから悪い話でもない。
「便宜」が一人歩きして「本質」のふりをする、というのはよくあることだが、人間が、自分の打ったボールを目で追うとき、視線はなぜその先へ先回りするのか、それはまだわからない。しかしいい悪いを別にすれば、それが自然だ。 筆者

« 0389 チタンヘッドの軽さと戦う | トップページ | 0388 「カチッ」と「ペチッ」と »

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)


コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。



« 0389 チタンヘッドの軽さと戦う | トップページ | 0388 「カチッ」と「ペチッ」と »