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ホックフェイスの話を書きながらクローズドスタンスのことを思い出した。どちらもボールをドローさせる効果がある。ついでに「背面飛び」を加えればドロー三銃士と呼んでもいい組み合わせだ。

テニスのブブックには「オープンスタンスの時代はなぜやってきたか」というタイトルがある。テニスの場合はクローズドスタンスが基本でストロークもヴォレーも、フォアハンドもバックハンドも全てスタンスはクローズドになっていた。

現在でもフォアハンドのストローク以外は全てクローズドで打つ。ゴルファーにも知っておいて頂きたいのはクローズドに構えたときとオープンに構えたときとでは体勢の強度が格段に違うということだ。これは建築物の構造とよく似ている。

たとえばフォアハンドのヴォレーを打つ場合、上半身の動きや形が全く同じでも足がクローズドだとオープンスタンスの時に比べて格段にラケットの強度が増す。つまりボールの衝撃に負けない。腕を水平に伸ばせばさらに強度は高まる。

これはやってみればすぐわかることで、たとえば体を正面から押されたとき、普通に立っていると後ろへ倒れるが、右足と左足を前後に並べていれば余程の力で押されない限り倒れない。当たり前の話だ。

あるいはボーリングの球を投げるとき、右足を前にして投げたら体はふらつく。ゴルフの場合もバックスイングを同じ深さにした場合、当然クローズドの方が楽だから体は安定する。

バックスイングが大きい方が飛ぶ。無論限界はある。助走距離が3メートルと20メートルでは幅跳びの成績に影響が出るが、助走距離を2キロにしても影響は出る。ゴルフでクローズドスタンスは何を意味するか。

テニス同様そこには大きなスイングを支える構造があり、それがスイングにパワーを生み出す。それならなぜドライヴァーを打つときに全てのゴルファーがクローズドスタンスにしないのだろうか。

これは一種の謎だが、アップライトスイングでクローズドにする意味がないのは誰にでもすぐわかる。それで話は幾らかでもフラットな要素を持っているスイングに限定される。

クローズドスタンスの悩みはインパクト後の理屈がうまくできない点にある。そういう意味でクローズドスタンスは迫害されてきたのかも知れない。それでも金槌で釘を打つとき、小さな釘なら正面向きで足場は気にしないが、太くて長い釘を打ち込むときは右足を引いて足場を固める。

ウェッジのオープンスタンスは道理がはっきりしている。パワーよりもコントロールが重要な場合にはこれより合理的な方法はない。それはすでに何度も書いた。しかしクローズドスタンスが一般のゴルファーに受け入れられない理由がわからない。

しかし十分なバックスイングを取るとスイングの安定性が崩れるからやむを得ずバックスイングを或る程度押さえているゴルファーはなぜクローズドスタンスを使わないのだろうか。

(この話は打球するスポーツ全般の基本的な事実として書いている。最新式のドライヴァーは「スイングスピードとヘッドスピード」に書いたそのヘッドスピードを上げる技術をドライヴァー自体が持っている。それを使えばゴルファーは軽く打っても飛ぶだろう。しかしドライヴァーのチューニングを自分のスイングに最適化すれば、スイングスピードを速くすればさらに飛ぶ。

ドライヴァーに施された最新の技術はスイングスピードが或るレヴェルを越えると無意味になるはずだが、それは世界の飛ばし屋と言われるプロだけが気にしなければならないことだ。一般のゴルファーは最新技術が組み込まれたドライヴァーでもスイングスピードの価値は変わらずに大きい。軽く打ってはいられなくなる。)

ウェッジショットをオープンスタンスで狙い、ドライヴァーショットをクローズドスタンスで飛ばす。このコンビはとてもいい方法だと思うのだが問題があるとすればドローだろう。クローズドスタンスはスイングの位相を変えてしまう。フェイズシフトが自然に起こる。

バックスイングのトップからインパクトまでにヘッドが走る距離が普段より長い。フェイスはその分普段より余分に回転し閉じる。だからホックする。背面飛びと同じ理屈がそこにある。ティーショットはティーがあるのでさほど問題はない。

しかし練習なしでフェアウェイからクローズドで打てばトップしやすくなる。理屈は書かない。だから全てのショットをクローズドにするには相応の練習が必要だ。それでもスライスに悩むゴルファーには悪い手ではないし、ドライヴァーの飛距離だけ考えるなら上級者にも便利だと思う。

そもそもクローズドスタンスにはスイングの基本的な有利があり、だからテニスではほとんど全てがクローズドスタンスを基本とする。オープンスタンスは次の動作、つまりボールの所へ早く走り込むために有利なだけで、ボールを打つパワーに関しては明らかに不利だしゴルフボールは飛んで来ない。変な話、ギネスブックでラウンドの速さを競うならいちいちクローズドにしている暇はない。

クローズドスタンスは人の体がボールを打つ動作をするときに一番無理のない動かし方を約束する。その代わりに打った後の体には無理がかかる。左足にかかる体重を逃がすすべはなく、負担は大きい。それでもそれらの損益を考えると、ドローを打つとき、あるいはスライスを避けるとき、ティーショットはクローズドで打つ方がいい。 筆者

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