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都市型サラリーマンゴルファーには考えられないゴルファーを見たことがある。これは海外の話ではなく、日本での話だが、ある時、私は見知らぬゴルファーと二人で回った。東京から2時間はかかる田舎のゴルフ場で、その人は家から20分で来ると言うから、田舎の人に違いない。

週に一度、午後のハーフだけラウンドするのが楽しみだそうで、小柄ではあるが、とても70才を越えているとは思えなかったが、それにしてもスタートからずっと当たり前のようにパープレーを続けた。ゴルフ歴の長い人とも思えないスイングで、たぶん60歳前後からゴルフを始めたのだろうと思った。

練習場へ通って上手になった、という感じがない。スイングにはそれらしい感じが全くなかった。ただ飄々(ひょうひょう)と打つのである。ドライヴァーの飛距離は私と変わらないが、私がフルスイングすれば、私の方が少し飛ぶ、程度だ。

セカンドでは私の方が短いクラブを使う。私は普通のゴルファーよりも1.5番手大きなクラブを使わなければならないほど飛ばないゴルファーだから、ドライヴァー以外はかなり飛ばないゴルファーである。

会社勤めをしていたようでもない。農家だろうか。それはわからないが、とにかくゴルフが自然だった。海外では珍しくもないが、日本のゴルファーは練習場で沢山ボールを打つ。そうするとゴルフが普通でなくなる。

自然派のゴルファーというのは、スイングにも道具にも、ましてや理論にも全く執着しない。ただボールを打って、ボールを運んで、ホールアウトするだけだ。変な話だが、いいスイングをしようとか、飛ばそうとか、そういうことは全く考えていない、ように見えた。

打ったボールが予想通りのところへ飛ばなければ失敗したと思うだけで、それ以上のことは考えないらしいが、そもそもミスショットがない。ただ一度、フェアウェイウッドでティーショットをしなければならないホールで、ティーの高さを間違えたのか天ぷらしたことがあった。

距離の短いコースという条件ならば、何回かに一度はパープレーも不可能ではないかも知れない。こういうゴルファーを見ていると、ゴルフはゴルフ場でボールをコロガシながら上手になるものだと、つくづく思うわけで、そこには都市型サラリーマンゴルファーにはない自然さがある。

何時の日にか、こういうゴルファーが多数派になり、最新型ドライヴァーの売れ行きが芳(かんば)しくなくなる日が来れば、それが日本のゴルフの進歩なのだろうと、この70才の凄腕ゴルファーとラウンドしながら思ったものだった。 

それにしても何でスコアがいいのかと後で考えてみると、危険を極力避けてプレーしていたのではないか、という印象がある。徹底的にリスクのあるショットは打たない、という感じがした。

遠くから何時間もかけてようやくたどり着くゴルフ場だから、勝負を楽しみたい。スリルとサスペンスがゴルフだ、とサラリーマンゴルファーは勝負に出る。そして罠にはまる。知り尽くしているコースだからこそ出来ることだとも言える。

そもそもゴルフの度に前とは違うゴルフ場を予約し、まだ行ったことのない観光名所を旅するような、そういう楽しみ方をしているサラリーマンゴルファーには縁のないプレースタイルだった。

どちらがいいわけでもないが、いいスコアを期待するならば、こういう風にプレーしなければならないという、お手本のようなゴルファーだった。 筆者

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