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私はこのところ逆クローグリップで右ひじを伸ばしていくパッティングフォームを試している。右手で打つことと低いフォローが取れるフォームだが、こんなフォームではボールを打つときの安心感が全然ない。

多くの熟練ゴルファーは杉原プロやジャック・ニクラウスのように両ひじを曲げて、そのひじや手首の形を崩さずにパットする。これこそ安心感の出るパッティングスタイルだ。しかしこの方法には弱点が一つある。惜しいところでボールがカップに嫌われ、入りそうでどうしても入らない。

カップまで届かないわけではない。届いているのに、カップのところで左右に切れて、20センチほどオーヴァーしてとまる。そんなことばかりだ。力学的には、もう少し強く打っていればどれもみな入ったわけだが、この「もう少し強く打つ」というのは、自分の感覚と違う打ち方をすることになって、なかなかうまくはいかない。

ラインをもっと正確に読めれば、やはり力学的にカップインするのだが、なかなか微妙なラインは読めるものではない。家の中で練習マットを使って練習しながら、パットばかりがめちゃくちゃうまいゴルフ仲間のスイングを思い出していた。

そのゴルファーは女性だが、両腕を伸ばして突っ立って打つ。到底安心感とは無縁のフォームだが、長いパットも短いパットも、不思議によく入る。特に5メートルを超える長いパットを当たり前のように入れてくる。

フォームはともかく、私はそのゴルファーのパターヘッドの動き方を思い出しながら、右腕を初めから伸ばして打ってみたり、構えるときは曲げておいて、打ちながら伸ばしてみたり、していた。相変わらず全く安心感のないスイングだが、妙にボールが伸びる。

最後のひと転がりがグッと伸びる。練習マットは最後に登りの傾斜があるので、それを忘れているといつもカップ手前でボールが戻るのだが、この打ち方だとなぜかカップまで届く。強く打っているのではない。ボールはいつもよりゆっくりのようにさえ見えるが、とまらないのだ。

私のゴルフはすべからく確率型で、アイアンもドライヴァーもそっと打つから曲がらないが飛ばない。フェアウェイウッドだけが例外で、これはどんなに強打しても真っ直ぐ飛ぶことになっている。そういう確率型のゴルファーが、安心感のあるパッティングスタイルを採るのは当たり前だ。

ところが、今試しているようなパッティングフォームを続けていると、パットの名手達のフォームが思い出された。いつもの名前、ブラッド・ファクソン、ジャスティン・レナード、そして最近ではアーロン・バデリーなどが、突っ立って両腕を伸ばし、とてもタッチが出そうにないパッティングフォームで打つ。

ひじを曲げるというスタイルは微妙な力加減を可能にするらしく、それで安心感が出るのだろう。しかし逆に、ひじがクッションのようになって、思っているよりもボールが弱く出る可能性もある。

右ひじが伸びるとそういう微妙な調整が出来ない代わりにボールは自分の予定通りにガツンと出ていくのかも知れない。しばらく打っていると、パターのヘッドがボールより先に走っているような感じになってくる。さくらプロほどではないにしろ、そういう感じが出る。

「確率型ゴルフ」に書いたとおり、確実型はニヤピン賞を多く取れることは保証するけれど、ホールインワン賞が多くなることは保証していない。パットはニヤピンでは意味がない。次の一打が入るのはほとんどわかりきっているからだ。

ニヤピンではなく、カップインする確率の高いフォームを使わねばならない。それこそ、「確率型パット」なのだ。パットの場合、ニヤピン賞はない。たとえカップから大きくそれるパットが幾らか出たとしても、残りの距離は短いし、もう一度カップインする確率の高いフォームで打てば入る。

「確率型パット」は「確率型ゴルフ」である。ショットと違ってパットの場合、確実型と確率型はスコアに大きな差が出る。「確率型パット」とは、ニヤピンの安心感を捨て、カップインする力のあるボールが打てるパッティングフォームを見つけることに他ならない。 筆者

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