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ゴルフ場にいるゴルファーの70パーセントはゴルフを知らないので、はじめの一歩を歩き出す前にいきなり走ろうとして転び続けている。練習場のマットにボールを置いてドライヴァーで打つと、かなり上手な人を除けばなかなかボールは上がらない。上がらないことはわかるらしいが、ちゃんと前に飛んでいるという大切な事実には気付かない。

マットの上のボールをドライヴァーで打てるようになるまで、アイアンは当たらないものと思っていた方がいい。それにしても、ドライヴァーとウェッジという二種類のクラブは特殊なクラブなので、まずこれを除外することからゴルフが始まる。

スプーンでティーショットした後、セカンドで何を持つか、どうやってそれを決めるか。飛距離のない女性ゴルファーは当然スプーンを持つ。スプーンが難しければバッフィーを持てばいいから簡単だが、男性は問題だ。

グリーンまで160ヤードあるとして、パー3のティーショットを除けば残り160ヤードにアイアンを使ってグリーンまで届くゴルファーは3割しかいない。信じられないだろうが、この話、当たり前に信じられるゴルファーもいるということを考えていただきたい。ボールは決してグリーンをオーヴァーしない。させないのではなく、出来ない。

何番アイアンを使っても、それより二番手大きいのを使ったとしても、たぶん結果は変わらないだろう。三番手大きくすると幾らか結果が変わると思うが、それでもどうかわからないし、それでグリーンオーヴァーする人が出てくるとは考えにくい。

ライの状況で飛距離は変わる。アイアンマットから打つ飛距離はゴルフ場では出ない。ジャストミートしてさえ飛距離は90パーセント以下になり、普通は75パーセント、悪くすると当たっているのに半分しか飛ばない。これは当たり前な話だ。クラブの番手ではないのだ。

ゴルフ場にいる全ての男性ゴルファーが、この150ヤードという状況でウッドを持てば、たとえばバッフィーやクリークを持てば、ゴルフの次元が変わる。バッフィーを使ったからと言って全てのゴルファーがグリーンオーヴァーするとは思えない。

飛びすぎると思うから加減もするだろうが、加減しなくてもちょうど150ヤードくらい飛ぶと思う。それがゴルフ場の平均的なライだから。ライを気にしないゴルファーは不思議なことをする。残りの距離でアイアンを選ぶ。

ボールがふかふかのきれいなフェアウェイに乗っていればティーアップしたのと同じだからうまく打ちやすいが、打ちやす過ぎて下をくぐれば距離は落ちる。普通のライはボールが幾らか沈んでいるからボールが上がらず距離も出ない。

ディボットに入ってしまえば出すだけだが、それに近いライが多いのに誰も気付かない。あるいは気にしないので距離など合うはずがない。その点とにかくウッドは「ただ打つ」という仕事に関してはアイアンより劇的に簡単なクラブだからミスが少ない。

目一杯の距離を打つのではないからほとんどミスもない。ほとんど全てのボールはグリーンの少し奥側か、あるいはグリーン上に集まるだろう。ディボットだけが困る。そのときはアイアンで出すしかない。

160をアイアンで打って万が一飛距離が足りたとしても、そのときは方向が悪い、はずだ。一般的にはダフる危険があり、しかしトップはしたくないからグリーンまでは届かない。160をアイアンで打って間違いのないゴルファーのハンディは大体14以内ではないか。

ウッドで打てば滅多にダフらないしクリーンに打てるし軽く打つから方向もあまり狂わない。と言うわけでボールはグリーン上かグリーン周りにある。出来るだけウッドを使う、というのがはじめの一歩。

さてそれでは次にグリーンを外した場合を考える。コロガシの法則では出来るだけ長いクラブを使うわけで、グリーンに直接落としても転がりすぎて向こう側に落ちてしまわない限りの長いクラブを使う。ボールがグリーンエッジならこの手で考えるが、グリーンから10ヤード以上離れたところにボールがあると使えるクラブが無くなる。

5、6,7,8と考えて来て9番アイアンならば10ヤード打ってグリーンに直接落としてさほど転がらないが、うまく打つのはとても難しい。それで私はグリーンエッジから10ヤード以上離れたところからの直接グリーンオンはあきらめることが多い。

そしてウッドを持って転がすのだが、クリークはコツンと打つとボールが上がるので落ちるところの傾斜によっては、止まってしまう。グリーンが土俵のようになっているときはその土俵に当たって戻ってくることさえある。

そういうときにはスプーンで初めからゴロゴロと転がす方がいい。そういう心配がないならなるべくボールが芝生に触る距離は短い方がいいのでクリークで転がす。グリーンエッジまで10ヤードならボールを7ヤードだけ飛ばせばちょうどいいだろう。後は転がってグリーンに乗り、ピンまで転がる。スプーンなら3ヤード打つくらいでちょうどいい。

これは私の感覚だからゴルファーはそれぞれ自分のイメージで転がせばいい。そこには創造の楽しみ、イマジネイションを楽しむゲームがある。これがゴルフだ。全てはパットと同じなのだ。パットには距離に応じた決まったクラブはない。パター一本だ。バッフィーで150ヤード打つのもパター感覚である。

アイアンでボールを打つという高等技術がなくてもゴルフは出来る。ウッドはたとえゴロになっても結構先までボールを運んでくれるし練習しなくても当たる。ダフらないし軽く打つ限りスライスもしない。シャンクもない。

実を言うとアイアンはウッドに比べてフェイスの真ん中で打つのが非常に難しいクラブで、大抵のゴルファーは打つたびにフェイスの違った場所でボールを打っている。だから思った通りに打つのは本当に難しいのだ。

ドリルの刃が0.1ミリから15ミリまで何十本も揃っていれば加工はとても楽だ。必要な穴に合わせた刃を使えばいい。しかしドリルの刃は高価でなかなか全部は揃えられない。

またそういうやり方に慣れている人は16ミリの穴を開けなければならなくなったとき16ミリのドリルを買ってこなければならない。14本のクラブを駆使するのは大変だし、それで間に合うわけでもない。

ゴルフをするのに、全てのショットに最適なクラブを全部用意するとなると100本くらいは必要だろう。アイアンはウッドの後に用意されたクラブであり、ウェッジはそのまた最後に作られた。ウッドに比べてそれだけ使うのも難しくなっている。

ドリルの刃を手に入れてもドリル自体はひとつしかない。使い慣れた自分のドリルで間に合うとは限らない。ドリルの刃の径が大きくなれば大きなトルクが必要になり、使い慣れたドリルでは回し切れなくなる。

ゴルフを整然としたメカニカルなやり方で済まそうと考えるのは正しい。距離ごとに番手を替えて同じスイングで打つ。それはすばらしい発想に違いない。だからアイアンが生まれた。

しかし商売でないならドリルの刃を揃えるのに大金は払えないし、その必要もない。工夫と創造の世界で十分だ。同様にゴルフもプロの道具を揃えたとしてもアマチュアの練習量では使い切れない。

なまじ道具が買えるから話がややこしくなるのである。クラブは買えても技術は買えない。プロという名のドリルがあるから刃を買い揃える意味があるのだ。14本のクラブに遊ばれるよりも、7本のクラブを骨までしゃぶる方がスコアは良くなる。

1ミリのドリルの刃だけで15ミリでも20ミリでも好きな大きさの穴あけが出来るのは、アマチュアならではの技術であって、プロもすぐにはまねが出来ない。と言うか、それが出来るプロがプロのトーナメントで勝っている。

ゴルフはイマジネイションのスポーツであり、その初めの一歩はフェアウェイウッドであり、それ一本で何でも出来るようになってから、ちょっと暇だからアイアンでも使ってみようかな、と思うのが正しい。「プロゴルファー猿」で結構なのだ。

普通のゴルファーにとって、たとえばグリーンまで残り40ヤード、ピンは奥という状況の登り斜面でスプーンを持つのは勇気がいることだと思う。けれども、この場合100パーセントこの方法が正解になる。

7番でグリーンに直接落とす技術があればその方がいいが、ウェッジではどうにもならない。ミスの危険が大きすぎるし、乗ってもピンには寄らない。スプーンで転がしてみると案外いい結果を生む。練習すればもっと良くなる。やってみればわかる。

エンジンのないフェラーリよりも、まともに走るスバルサンバーの方が便利だ。フェラーリのエンジンは高いだろう。かといってフェラーリのミニチュアには乗れない。いつかエンジンを買えば、と思っているうちに人生は終わってしまう。筆者

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