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0554 シャフトは細長いバネである(ヘッドの公転と自転)
私が硬いシャフトを欲しがる理由はボールが真っ直ぐ飛ぶからだが、柔らかいのを振るとどうなるかというと、ホックする。柔らかければスライスしそうな気もするが、実際シャフトを柔らかくするとスライスが出始めるゴルファーもいる。
スイングを正面から見た場合、私がよく言うように、シャフトが「く」の字になってインパクトを迎えると、「く」の字だからフェイスは上に向いて、ロフトが大きくなった形でボールが高く出る。それと同時にフェイスはやや左向きになる。こちらの方は位相が先へ進んでいるから起こる。
これはシャフトのねじれがゼロだとした場合の仮想的モデルだが、上手なスインガーや私のように腕力のあるゴルファーはホックするが、スイングの位相が遅れる初心者や、普段より力が入ってバックスイングが小さくなってしまった時のスイングではシャフトは逆「く」の字になるのでフェイスはシャット気味になり、ボールは低く出て、しかもフェイスはまだやや右を向いているのでスライスになるかプッシュアウトする。
柔らかなシャフトのイメージはこういう風になっているのだが、それは全くの錯覚に過ぎない。実際はしなりよりもねじれの方が格段に影響が大きい。フェイスの向きに関して、シャフトのしなりの影響は、ねじれの影響に比べたらほとんどゼロに等しいと言っても過言ではない。
その話をするためにはあらかじめ「ヘッドの回転」という言葉には二種類あることを確認しておかねばならない。誤解を起こさないように「ヘッドの公転」と「ヘッドの自転」と言い分ければ話はやさしくなる。
スイングしてクラブヘッドがシャフトの先の動きと共に空間を大きく動くのを「公転」、シャフトの動きと無関係、ではないが、取りあえず「ヘッドの公転」とは別にヘッドがシャフトの先でねじを回すようにグルグルと回る方を「自転」と呼ぶことにする。
ゴルファーが「ヘッドの動き」と言う場合は普通公転するヘッドのことで、その動きにはシャフトのしなりが関係する。しなりが見えるからだ。「く」の字とか逆「く」の字になったシャフトを見てフェイスの向きが気になる。
公転がゆっくりだからこそシャフトのしなりが見えるわけで、しかし自転は公転とは桁違いの速さで起こり、戻る。回転半径も公転の約500分の1だし、回転角度も数分の1しかないからねじれは誰にも見えない。
もう一つ、ねじれに無関心になる理由がある。私は時々サンワの定規(金属製の1メートル定規)をクラブの代わりにしてゆっくりスイングしてみる。定規の面をヘッドのフェイスだと思えば、ヘッドはねじれとは別に、人の手首の構造のせいで自転しているのがわかる。
これはねじれではない。シャフト、あるいはヘッドを回転させているのはゴルファーの手首の不都合であって、シャフトがねじれているわけではない。シャフトにねじれというエネルギーは発生していない。
ゴルファーはシャフトがしなることには神経質で、硬いシャフトが欲しくなったり、しなりの加減をイメージしてインパクトでちょうどシャフトが真っ直ぐになるように振ってみようと努力を惜しまない。
繰り返すが、しなりは見えるがスピンは見えない。回転半径が小さいからそのスピンはものすごく速いし、公転しているヘッドの先で起きていることだから見ようにも見えない。
ゴルファーは目に見えるヘッドの動き方でボールの飛ぶ方向を考えるが、シャフトの先のヘッド自体が猛烈な速度でスピンしているのだから、ちょっとした時差でクラブフェイスは20度右にも30度左にも、一瞬にして変化してしまう。
シャフトの動きと共に目で見えるヘッドの動き、ヘッドの公転なんて、ほとんど意味をなさないわけだ。トルクの大きな、つまりねじれの大きなシャフトは大きくスピンする。トップからダウンスイングを始めたときに、ねじれが始まる。
このねじれはいずれ限界までねじれたあと、逆方向へねじれ返ってくる。そしてオーヴァーシュートして行き過ぎ、フェイスは左を向いていく。これがヘッドの自転だが、同時に公転も起きている。見える方のヘッドの動きだ。
ダウンスイングからシャフトのしなりが始まり、それが限界点に達したあと、逆戻りを始める。「く」の字でインパクトを迎えるのか、それとも逆「く」の字で迎えるのか、シャフトの硬さ次第だが、しなりもねじれも両方ともシャフトの硬さに比例してしまうので、話はややこしくなる。
しなりとねじれを単独で調整できるシャフトが発明されれば、ゴルフスイングの理論はは大きく変わるだろうが、しなりとねじれが逆比例するシャフトの作り方はちょっと思い付かない。
隙間なく巻かれたバネを想像していただきたい。これを電気屋は密着巻きと言うのだが、そのバネを雑巾をしぼるようにねじれば、幾らかねじれる。巻き方向に対してバネが開く方へねじればバネはふくらみ、しぼる方へもっとしぼればバネの径は小さくなる。
開く方へ動かすのが楽かとも思うが、本当のところはわからない。いずれにせよ、かなり力のいる話だ。ところで、バネは棒状だから曲がる。こちらはねじるよりは力がいらない、ような気がする。
ゴルフクラブのシャフトを硬くて細長いバネだと考えると、ねじれとしなりがよくわかる。ヘッドのスピンの戻りが如何に強力で目にもとまらない速さだということもわかるし、逆にバネを曲げること、つまりしなりの方がスピンに比べたら桁違いにゆっくりと大きく変化するものだということも理解できる。 筆者

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