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15年近く、ロングアイアンに関するタイトルは常にタイトルベスト3に入っていた。そして私は読者に、なぜそんなにロングアイアンにこだわるのかとずっと問いかけてきた。アマチュアはフェアウェイウッドで沢山だと言い続けてきた。

アイアンというクラブの難しさ、ややこしさもさんざん説明し、ウッドの効用を説いてきたが、この頃妙なことがあった。私の伝家の宝刀はバッフィーだが、それは昔流行ったオリマー・トライメタルの19度と書いてあるクラブだ。

余程売れたらしく、一時中古クラブ屋さんの店頭に沢山あって、雨ざらしだった。私は薄いフェイスが気に入ったし、一本500円から800円程度で買えたのでいろいろな番手のオリマーを使ってみた。

チタンになったあとのものには余りいい顔つきのオリマークラブはないが、鉄の、たぶん一番最初のモデルはとてもいいデザインだと思う。いろいろと改造するうち、とうとう先日13度というのが割れてゴミ箱へ去った。

今持っているのは19度と21度だけだが、15度も12度も持っていたと思う。何度から何度まで作られたのか知らないが、11度あたりからほとんど1度刻みでずっと先まであったのだろうと思う。

コースによって番手のセッティングは変わるのだが、短いところでは19度と21度があれば何とか届く。もっと長いところだときっと17度や15度が必要になるわけだが、15度は使い切れなかった。形も他のオリマーとちょっと違っていたし。

20年も前のクラブの話だが、最近21度の上の24度が欲しいと思って捜してみると、24度はなかったが27度というのがあるそうだ。33度までは作る意味がないでもないが、120ヤード、大体8番とか9番アイアンの距離になるとウッドである必要性は小さくなる。だから限界30度まで作るのが妥当で、33度があればおまけである。

この27度の古いクラブがオークションに出ていたので驚いた。欲しいゴルファーがいるだろうか。同じような大きなロフトのフェアウェイウッドはかなり出始めていて、この20年間私が言い続けて来た未来が現実になった。

そもそもアイアンの意味は地面より下までフェイスを差し込めるからスピンが沢山掛かることだ。そしてそのスピンでボールをとめるのだが、地面を掘ることによるパワーロスは永久になくならない。それより高いボールを打ってとめる方がパワーロスがなく有利だ。

アマチュアにロングアイアンはいらないと言い続けてきた理由の一つがそれだ。プロには別の事情がある。ラフの芝の中にボールが沈んでいる場合、アイアンならば打てるがウッドでは打ちにくい。

ただし、アイアンで打つにしてもパワーがあれば打てるというだけの話で、パワーが足りなければアイアンでもウッドでも同じことだ。ゴルフをスポーツ競技として見れば、当然それはパワーとテクニックの総合技術だから、パワー不足はハンディになる。

わざわざロングアイアンを使ってそのハンディを目一杯に背負うより、ウッドを使ってかわす方が賢いということだ。プロがユーティリティを使い始めたのはそういうクラブがウッドとアイアンの中間の性質を持っているからだが、本来ティーショットのフェアウェイキープ率に応じて、アイアンかウッドかハッキリ決めるのが正しい。
ティーショットのコントロールがないならバッグにはロングアイアンを入れ、フェアウェイキープ率が高いならばウッドの方がショットの安定性は高いのだからユーティリティは無用だ。どちらともわからないゴルファーがユーティリティを使う。

ユーティリティはアイアンとウッドのいいとこ取り、というよりもむしろアイアンとウッドの言わば妥協の産物であって、アイアンで打てる場所ではアイアンに劣り、ウッドで打てる場所ではウッドに劣る。どちらかと言えばアマチュア的なクラブと言えるかも知れない。

プロ向きではない。工具にたとえるなら、世の中にはそれ一つでいろいろな工具として使える、というようなものがある。差し替えればプラスとマイナスの両方のドライヴァーとして使えるのがあるが、確かに便利だが、出先で使う以外、プロは使わない。

プロはそれぞれマイナス用とプラス用のドライヴァーを使う。しっかりしているからだ。何にもなります、かににもなります、という工具は結局おもちゃだからアマチュアには便利だがプロの仕事に耐えられるものはほとんどない。というわけで、ユーティリティはプロ向きではない。

ウッドの有効性に気付くのは非力な女性、そして非力な日本人が早い。特にフェアウェイもグリーンも凍り付くような冬場にゴルフをするならウッドに限る。冷えた体に全体が重くて先も重いアイアンは振り切れないし、硬い地面の上を滑ってくれない。

その点ウッドは軽いし、枯れて短い芝生の上のボールでもダフることなく打てる。ラフも浅くなっているからウッドでも打てる場合が少なくない。ウッドの時代だ。ヨネックスは早すぎた。あのウッドもどきのアイアンセット、今あるかなぁ。筆者

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