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練習場は練習にならないと書いてきたが、それはいつも言うように足場とアイアンマットの事情に関係している。足場は硬いコンクリートの上にゴムのマットが敷かれている。スイングを正しく行えば右足は地面を蹴る。それが練習場のゴルフでありスイングだ。しかし実際のコースでのスイングは座礁したタイタニックの残骸にしがみついてスイングするのと同じ状況である。

スイングは足場の制限を受ける。ほとんどの場合ボートの上でスイングするようなものだから、それなりの加減が必要になっている。サスが壊れた自動車は直進安定性がない。40年前の新車と現代の新車を乗り比べたら、馬力の違いより何より高速で真っ直ぐに走る能力の違いを痛感するだろう。

相当のテクニックがなければ、昔の車で首都高の内回りを80キロで走り続けることは出来ないが、今の車なら誰でも何の不安もなく走れる。高速道路の保守はかなり正しく、カーヴにでこぼこはない。


しかし直線には小さな段差のある補修が目立つ。これは現代の車のサスペンションを信頼しているからこその話だ。直線ででこぼこが目立つのはレインボーブリッジの出入り口、つまりブリッジに入る登り坂とそれを越えた下り坂、そして高速道路のサーヴィスエリアの出入り口付近の本線上がひどい。

これらは全て車がブレーキを掛ける場所で、一般道でも最近は信号の手前に来ると車ががたがたする。ゴルフ場も同じで、水平でない足場や軟らかい足場、小さなでこぼこのある足場など、練習場とは違う足場がほとんどである。


このときスイングのサスペンションが完璧で、ショックアブソーヴァが正しく働けばショットに問題は起こらない。しかしサスなどが悪ければショットは乱れる。ゴルフはショットの乱れでスコアが悪くなるだけだが、ドライヴでは命にかかわる。

車が弾んで上下してもサスやショックが正しく動作すればタイヤは地面に接地し続けるので車のコントロールは出来る。しかし足回りが壊れていると真っ直ぐ進まない。それで速度を落とさざるを得ない。敏感に速度を落とし、安全に走れる速度で走るドライヴァーに事故の確率はわずかだ。
サスペンションとショックアブソ-ヴァのない、あるいは壊れているゴルファーが練習場と同じスイングをすればミスショットになるし、車の運転ならば死ぬかも知れない。これに対処する方法は路面を注視し続けて速度を加減するか、最高級のサスペンションを取り付けることであるがなかなか手に入るものではない。


つまりゴルフ場ではほとんど全てのショットで速度を落としたスイングをしなければならない。練習場でゴルフの練習が出来ない理由がここにある。ウェッジ以外、7割の力で打つ練習などするわけがない。しかし私はゴルフ場で滅多にフルショットをしない。フルショットできる状況がほとんどないから出来ない。

サスペンションの壊れたボディを持つ私は知らない間に力を加減して打つことに慣れた。素振りだけがフルショットで、実際にボールを打つときは足場やライの事情でいつも7割で打っている。5割で打つことも少なくない。コントロールショットではない。それが目一杯なのだ。


サスの壊れた車では高速道路の直線でも80キロは出せない。御殿場から東京へ降りてくるときも、山中湖からの帰りでも、トンネルの入り口は路面が悪い。トンネルの入り口で無意識にブレーキを掛けるド素人が多いからだ。無論サスの悪い車に乗らなければ全く気付かない。


ゴルフ場で足場やライを気にせず平然とフルショットをしているゴルファーを見ると、そのことを思い出す。ゴルファーは十分硬い練習場の足場しか知らない。そこなら打てる。そこでだけ打てるスイングをゴルフ場に持ち込んでいる。高速ならみんな死ぬところだが、道路であれば怖くなって速度を落とすだろう。

しかしスコアが悪くても命に別状はないから誰も速度を落とさない。当然ながらプロゴルファーはスコアが命にかかわるので速度を落としてゴルフをしている。フルショットなどほとんどしない。プロは7割で飛ばしている。同じ距離をアマがフルショットで追いつく。プロがフルショットするのを見たことはないが、たぶん飛んでもなく飛ぶだろう。 筆者

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