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0349 日本のゴルファーとライ角
私はブブックの中でライ角の話を沢山書いてきた。「コロガシ」と「フェイスを開いて構える」に匹敵する量を書いている。その内容はクラブメーカーの社員たちにとって何の不思議もない話だ。
ただ、私がライ角の話を沢山書くと困ると感じる人と、無視しても大丈夫だと思う人とがいるに過ぎない。事実はみな知っている。ゴルファーだけが知らないことだ。
日本で売られているドライヴァーを持って階段のところで構える。ライがピッタリする位置で測ると大体身長が190センチになったところである。さんざん書いた話だがそれ以上のことは言わなかった。
(唯一、杉本プロが昔、外人は背も高いが手も長いという話をしていたが、そうなると背が高くてもライ角は変わらないことになってクラブメーカーは助かる。ところが私が調べ回った結果、やはり190センチのゴルファーが使っていたクラブはシャフトの長さもライ角も私たちのとは違う。だからその話は間違いだと書いた。)

世の中に波風を立てるのがこのブブックの目的ではないからずっと黙っていたが、身長170センチのゴルファーにライ角60度のドライヴァーが適正であるはずがない。もしもライ角53度のドライヴァーを作ってアメリカで売ったら、誰も買わない。
だから60度のドライヴァーがある。金型を作る費用は莫大で、ひとつで済むなら済ませたい。日本人ゴルファーはヘッドのへこみや傷には異常にうるさいが、なぜかライ角のサイズ違いには寛容だ。
新車を運搬する際にラップして運ぶのもたぶん日本だけだし、ヘッドカヴァーも日本の発明だし、何よりトイレの便座を拭くために携帯型のタオルが売れるお国柄だからこそ、ライ角60度のドライヴァーが許されている。
繊細かつ器用と言えば確かにそうだが、ライ角が20度も狂っているクラブを平気で使うのを繊細と言うわけにもいかない。オーストラリアを含め、世界のテニスコートは一面ずつフェンスで区切られていて隣のボールが転がり込むことはないが、日本のコートには仕切がない。
フェンスがあるとボールを隣のコートへ打ってしまうたびに何度も何度も済みませんと謝る必要がない。初心者はまだ下手なのだから初心者ほど沢山謝らなければならない仕組みになっている。
その代わりに日本では便所に仕切がある。オーストラリアの便所には腰までの仕切しかないからウンチをしながら隣同士話が出来る。ウンチは隣まで飛ばないから仕切はいらないが、テニスコートには必要だと、文化の違いを利用してクラブ屋はライ角60度のドライヴァーを売り続けている。

アメリカ人の平均身長が170センチだったら、日本人も適正なライ角のドライヴァーでゴルフが出来たのに、残念な話だ。ところで一年間に世界中で売られるドライヴァーは何本だろうか。そのうち何パーセントが日本で売られるのだろうか。
昔まだ自転車が貴重品だった頃、自転車泥棒はお巡りさんが探してくれた。今では何もしてくれない。その当時三角乗りという言葉があった。
子供用がないか、買えなかった頃で、子供たちは大人用の自転車に乗ろうとして三角乗りを編み出した。昔の自転車は頑丈な構造で、サドルからハンドルにかけて支柱が一本横たわっていた。
今でも本格的な自転車はそうだが、ママチャリは足を上げなくても乗れる。小さな子供たちはその三角形構造の間に右足を差し込み、向こう側のペダルを漕いだ。曲芸のようだ。
私は少し後の時代なので三角乗りの経験はないが、日本人ゴルファーがライ角60度のドライヴァーを振っている姿はまるで上手に三角乗りをする子供のようだ。
それがいいか悪いかはわからない。私は普通ではないから小さなクラブヘッドの傷やへこみは気にしないし、ヘッドカヴァーも使わない。その代わりに「へ」の字の小さなパイプを作ってライ角をアジャストしている。
普通の日本人はアジャスターは作らないが、ヘッドをメーカーに出して再塗装することはある。私がヘッドをメーカーに出すなら、ライ角を適切にしてもらう。出来ないことだが。
と言うわけで普通の日本人は日本のクラブメーカーがアメリカ人用にクラブを作り、それを三角乗りで日本人に使わせるというやり方に文句がないようだが、私はただ黙ってそういう日本人ゴルファーを見つめるしかない。言ってもわからないから。筆者

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