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0390 ケプラー型の特徴
飛ばしたいと思うゴルファーが多いのに驚くのは私だけかも知れない。私はまず正確に打とうと思ってゴルフの練習を始めた。しかし40年たってもまだその目標を達成出来ていないので、飛ばす方まで手が回らない。
子供の頃から飛ばす方へ集中していたらケプラーに行き着いていただろう。そしてその十分な飛距離という貯金を、正確なコントロールのために支払う。ピークの飛距離が、つまり貯金が、2割程度減ったところで一応それなりのスイングが見つかる。
これが子供の頃からゴルフを始める場合の王道である。私はとても神経質で、緻密なのが好きだったために普通の道を歩けなかった。だから今でも考え続けている。大きくなってからゴルフを始めた人が飛ばしたいと思うのは子供と同じだ。
しかしすでに子供ではないから、余程練習時間をとらないと、飛距離という貯金が満期になる前に人生が終わる。それを知っているから悩みながらゴルフをするわけだ。
ケプラー型はどうするのか、わたしはその理屈をよく知っている。けれどもどうすればいいかはやったことがないからわからない。「ゴルファーに愛を!」の読者も飛距離に興味がある。それで常々考えることは考えている。
スイングを眺めたとき、ケプラー型には或(あ)る特徴がある。それは妙に体が動かないことだ。フルショットしても腰から上が動かない。私のウッドのスイングように体全体で打っているという感じがない。
東海林太郎と言ったって、私にもわからないほど古いが、直立不動で歌ったらしい。ケプラー型はヨーヨーと同じで、ヨーヨーが最遠点に達した瞬間、ちょっとでも手元がぐらつくとエネルギーが逃げて強く撥(は)ね返ってこないように、インパクトで体が少しでも泳ぐとうまくない。
金井清一プロのインパクトの姿はまるで錨(いかり)を引き上げている漁師のように見えるが、クラブの遠心力に負けて体がボールの方へ引っ張られてしまうとクラブヘッドは撥(は)ねない。
体全体で打っているように見えないのがケプラー型の特徴だ。カプルズだって思い切り打っているのに体の動きが思い切りのようには見えない。つまり、クラブを思い切りボールに向かって投げ出そうとすれば、体は動かないのだ。手だけで打っている感じになる。
トップオブスイングから出来るだけ急角度でクラブを引き下ろす。クラブのグリップエンドがモリの先端、あるいは矢の先だとして、その矢で、モリで、ボールを突くわけだ。そうすると実際にはどこかでシャフトが回転を始めるが、出来るだけ回転の始まりを遅らせる。
この動作がケプラーだが、そうすると体はほとんど動かないのに、実は思い切り振っているから顔には歯を食いしばっている表情が見える、ということになる。軽く打っているように見えるスイングは他にもあるが、体が直立不動に見えるスイングはケプラー型しかない。
これは安定したショットのために体の動きを少なくするというのとは意味が違う。体全体を使うスイングを安定化するための不動と、ケプラー型の、不動にするつもりがないのに不動になってしまう不動とは違う。
スイングの雰囲気が違うから見分けることは誰にでも出来ると思うが、首の形が違ってくる。前者の不動の場合、肩や体全体が上に持ち上がっているのに、首だけが元の位置にとどまろうとするから首が下がったように見える。
しかしケプラー型では顔は下向きにならず、首もさほど曲がらない。クラブを引っ張り上げている感じと、引っ張られてしまっている感じと、そういう違いがある。
日本の場合、モダンゴルフの陳清波さんから始まったケプラー型スイングは金井清一さんまで繋(つな)がっている。金井プロが陳さんを知っているかどうか、それはわからないが、もしも知らないとすれば、陳さんのスイングを見て驚くだろう。あまりに自分のスイングと似ているから。
ケプラー型を実践するための参考になれば幸いです。 筆者

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