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ゴルファーの大半がスライスに苦しむ状況でドローに苦しむ話はつまらないかも知れない。しかし自分のスイングを疑う前にクラブを疑うのが私の信念だから私はクラブのライ角と戦ってきたし、それはスライスに悩むゴルファーにも決して無駄な話ではないと思う。

私のウッドは予定通りにボールに当たる。打ち間違ってはいない。しかし真っ直ぐ飛ばずドローする。当然ながらつま先上がりでは激しいホックになる。それは市販クラブのライ角が立ちすぎているからだと信じている。

私がウッドクラブを構えるとグリップエンドは地上高83.5センチになる。ハンドダウンではない普通の構えだ。このときシャフトの長さが45インチ(114センチ)ならライ角は47度になっていなければならない。しかし一般にウッドのライ角は58度以上ある。この角度が適正なゴルファーはグリップエンドが地上から96.6センチなければならない。

単純に計算すると168センチに13センチ足した181センチの身長を必要とする。つまり今売られているウッドは身長が最低でも181センチ以上のゴルファーにストレイトボールを約束する。

それより背が低ければヘッドのトウが持ち上がって構えるのでドローし、逆に190センチだとスライスする。ただし背が高い分は膝を曲げて調整できるが背を伸ばすことは出来ない。

私は何十回もウッドのライ角を合わせようと試みてきたがうまく行かなかった。チタンは曲がらないし加工できないので鉄を探してやるのだがメタルウッドは鋳造が多くてすぐに折れる。

それで今まで完全ベタソールのウッドは作れなかった。しかしとうとう作ってしまった。これはネックにひびが入っているから何度も使えるものではないが、これで打ったらドローしないと思うし、スイングに間違いはなかったことを証明できる。46インチのクリーク、ライ角47度。

このクリークを構えてグリップエンド直下からフェイスのセンターまで73センチだったので関数電卓がはじき出した数値は49度になっている。つまり2度ほどトウが下がった逆転ライ角で、そんなのは見たこともない。これで打てばどう転んでもスライスが出るはずだ。

今度ゴルフ場へ行く機会があれば結果が出る。それにしてもこんなクラブを作りながら考え込んだ。普通のゴルファーのスイングはどうなっているのだろう。私のスイングに間違いがないと言ったのは、考えているスイングと実際が同じだという意味で、正しいということではない。

ドローが出るのはライ角のせいだと言っているに過ぎない。しかしそうなると普通のゴルファーがライ角の立っている普通のクラブでスイングしてどうして真っ直ぐ飛ぶのか。

誰でも違うクラブを使えば違った球質になるのはわかっている。それをシャフトの硬さやトルクやバランスの違いに帰着させる。それは正しい。しかしそもそもゴルファー本人は真っ直ぐ打とうとしてアドレスし、そのアドレスのフェイスの向き通りに打って真っ直ぐ飛ぶと信じている。そこは私と何ら変わらない。

しかし私のスイングに間違いがなければ、トウが1センチも浮いたドライヴァーを正確に目標に向けて構え、その通りに打てたとしたら、左に飛ぶはずである。私のボールが左に飛ぶのと同じ理屈で。

しかしゴルファーは真っ直ぐ飛ばしている。身長が181センチ以上あるゴルファーの場合は不思議ではないが、日本人の平均は170程度だから謎は謎のままだ。フェイスが開いて入れば右に飛ぶので、仮に普通のゴルファーがライ角分を補正する量だけ開いて打てば真っ直ぐに飛ぶ。

それをするにはレイトヒットが有効で、手の位置がヘッドより先に出ているとフェイスは開いているし、ロフトが小さくなって、開いた分のロフトの増大を相殺する。ゴルフスイングはフェイスを開いて閉じる過程だからごく自然に開いて閉じればレイトヒットによりフェイスはやや開いた恰好でボールに当たる。

次にケプラーの法則によってフェイスの向きは刻々と急激に閉じる。それこそナノ秒単位で閉じるだろう。それでボールがリリースされた頃にはフェイスの向きはスクエアになっている。これが一つの仮説である。

ところがケプラーに逆らったまろやかなスイングを志している私はスクエアに打ってライ角分ドローする。これは事実であって仮説ではない、と思っている。真っ直ぐ飛べば、あるいは思った通りに飛べばいいのだからどう打とうが勝手だが、自分をごまかしていては迷い道に入り込んだときに出られなくなる。

落とし穴もある。ケプラーとレイトヒットで抜群の飛距離を演出するのはいいが、真っ直ぐ当てて真っ直ぐ飛ばしていると思ってはいけない。真っ直ぐ当ててはいないが真っ直ぐリリース出来ている、と考える。

そう考えれば真っ直ぐ飛ばないとき悩まない。真っ直ぐ当てようと思わなくて済む。ただ真っ直ぐ飛ぶように調整すればいい。私のように正真正銘真っ直ぐ打ち、真っ直ぐ飛ぶようにという考え方はシンプルであること以外ほとんど利益がないし、認識できる速度に制限があって飛ぶスイングになりにくい。

こうしてベタソールクリークの話は終わるが、結果はまだ出ていない。結果より、ベタソールクリークを作る過程で考えたことの方に価値がある。結果はわかり切っている。しかしやらなければならない。やってみなくちゃわからないんだ、何だって。

私がほんの少しケプラーを取り入れ、ほんの少しレイトヒットすればドローはしなくなるし飛距離も出る。それはわかっている。しかしそうなると一般のゴルファー同様に微妙な、実に繊細なタッチをずっと維持し続けなければボールは曲がる。毎日500球は打たねばならないだろう。それは出来ない相談だ。

私のアイアンが全く練習しないのに曲がらないのはスイングがシンプルだからだし、ウッドがドローするのはライ角通りに飛ぶからだが、それを支えるために私は世にも希な化け物クラブを作って笑われている。

身長がもう15センチ高ければ市販のドライヴァーで間に合っていた。それはわかっている。しかし高下駄を履いてスイングは出来ないし、それでは今よりもっと不気味なゴルファーになってしまう。

ライ角47度のクリーク、人呼んでベタソールクラブ。それは事実の積み重ねが作り上げた当たり前のクラブである。 長いのは飛ばない分を補正したいと思うからだが、あまり効果はない。 筆者

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