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私の新しいスワンネックはボールが右15度に飛び出した。原因は沢山考えられるが、そもそもそういう風にセッティングしたので驚かない。バランスがC-8からE-6と異常に重くなった。これはボールを打ったあとで修正するつもりでいた。

ヘッドが240グラムから270グラムへと重くなったのでバランスがこうなったのだが、シャフトが軽くなって全重は変わらない。硬いシャフトほどパイプの厚みが大きいので重くなる。Rのシャフトは今まで使っていたSよりもかなり軽い。

次にライ角を10度もフラットに変更しベタソールになった。今までのライ角はかなり立っていてドローが出る。しかしスイングのイメージが一番出やすいライ角だったのでそのままにして置いた。今回適正なライ角に戻した。これもボールが右に出る理由になりうる。

コンパクトなスイングの場合シャフトを柔らかなものにすればやはりボールは右に出やすい。逆に大きなバックスイングをするゴルファーはシャフトを柔らかくするとドローが出る。私のスイングは非常にコンパクトなので右に出る理由になる。

さて原因はどれだろうか。15度といえばかなりの誤差だから原因は複合的かも知れない。あるいは一ヶ月以上ボールを打っていないし寒かったから体が動かなかっただけかも知れない。

まず最初はライ角を疑った。前回のスワンネックと比べるとライ角が10度もフラットになっている。今までと同じスイングをすれば常識的に右へ出る。つま先下がりを演出しているのと同じだからだ。

ライ角が不自然に寝ていると構えたときヘッドのかかとが浮く。それで右に飛ぶのだがクラブやスイングが右向きなのとはちょっと違う。ある意味フェイスが右に向いているのではない。弓のような弧を想像すれば、ボールはその弧のような軌道で飛んでいく。

ライ角が立っていてもフラット過ぎても、ブレードが目標を向いていればボールは真っ直ぐ飛び出すが飛球線の弧が斜めになる。ライ角がフラット過ぎると弧は右に倒れボールは斜め右へカーヴして飛んで行くので右に打ったように見える。

これがライ角をフラットにすると右に出る原理だ。ロフトの大きい、ボールが高く上がるクラブほど右に出る。高く上がることが大きく右に出ることと同じになるわけだ。つま先上がりや下がりからボールを打つ場合、ショートアイアンではその影響が大きいがロングアイアンではさほど気にする必要はない、ということである。

ただし前から書いているようにアイアンのライ角を変えていくともう一つ別の変化が起こる。それは今書いたこととは逆の作用を生み出す。

アイアンヘッドは先が重い。そういうものがシャフトに対して直角に取り付けられていると、何もついていないシャフトだけの場合と比べればシャフトを自由に動かせない。シャフトはぐらつく。スイングがヘッドの先の重さに負けて右へ倒れ、ヘッドは開く。スライスが出る。

ライ角をどんどんフラットにしていくとこのねじれトルクは小さくなって、ライ角がゼロになったとき、ヘッドの先の重さは変わらないが重心はシャフトの軸と一体になり、ヘッドは右に倒れなくなる。というよりも右と左がなくなる。ただ重さの影響だけが残る。

つまりフラットなライ角はシャフトや手首にかかるねじれ力を小さくする。それで何が起こるかというと、ボールの軌道である弧は相変わらず右斜めに傾斜したままだが、ヘッドが走るのでブレードは左向きになる。それでボールはやや左に出て右に曲がるのだが、ヘッドのキックとシャフトのしなり方によっては真っ直ぐに飛ぶ。

アイアンはスライスするのにウッドはスライスしないというゴルファーがいるのはウッドのライ角がアイアンよりもフラットなのと、ウッドのヘッドはアイアンほど先にいって重くなっていないからだ。
ただしヘッドが走るという言葉には二通りあってシャフトの先としてのヘッドが走る場合と、ヘッド自体の回転によってフェイスが走る場合がある。

上手に飛距離を出せるゴルファーはヘッド自体のキックを利用するが、練習量がないと方向が非常にクリチカルになる。一般的にはスイングの速度が上がることをヘッドが走ると言う。ライ角が立っているほどヘッドのキックは大きくなる。それだけのエネルギーを蓄(た)められるからだが、蓄めるだけの力がなければ負けてヘッドが開く。

初めてのラウンド後、新しいスワンネックのライ角は修正しなかった。15度も右に飛び出す理由は他にある。私はヘッドを削ってバランスをD-5まで戻した。元通りのC-8まで戻す必要があるかどうかまだわからないのでかなり軽く感じたところで削るのをやめた。

長い方の3,4,5番アイアンと念のために6番まで古いスワンネックのシャフトを外して差し替えた。これで硬いシャフトに戻った。7番も替えたかったが長さの関係で使えるシャフトがないし145ヤードしか飛ばないクラブなのでシャフトの柔らかさはさほど影響しないと考えることにした。駄目ならやはり新しいシャフトを買わねばならない。

こうして一回目のラウンド後の修正は終わったが、興味深い話がある。この日フルショットしたアイアンはすべて15度右に吹っ飛んだが、なぜかバッフィーが左に飛び続けた。スプーンの弾道が普段よりも高くなっていた。ラフからのバッフィーがテンプラした。初めての経験だった。

帰り道、ずっと考えていた。バランスがFの領域というのは異常に重い。そのアイアンを一振りするとフェウェイウッドが左に飛ぶのではないか。実際ドライヴァーは相変わらず真っ直ぐ飛んでいる。

以前練習用と実戦用のクラブを分ける話を書いたが、思わぬ成り行きでそれを検証した形になった。アイアンが15度も右に出るのは重さのせいだと予想している。あまりの重さにスイングが負けている。しかしウッドは元のままのウッドだ。これが全部ドローする。つまり…。

毎週ゴルフ場に出かけられるゴルファーはともかく、月一程度のゴルファーがゴルフ場で練習場並のショットをするためにはやはりクラブを工夫しなければならない。以前書いたのは別々のセットを用意することだったが、それよりいい手を思いついた。

ゴルフ場では何百球も打たない。ラウンド前にゴルフ場付帯の練習場で体をほぐすといってもそれほど打つわけではないし、練習しない人の方が多い。つまりゴルフ場では練習場の70パーセントの力しか出ない。かといって無理をすればスイングが乱れミスヒットになる。

今回の新しいアイアンセットの初打ちでわかったとおり、クラブが重いと振り切れないでボールは右に出る。私の場合は使い慣れたクラブではそんなことは起こらない。なぜかというと練習場へ行かないからだ。だから練習場のショットというものがなく、言わば夢を見ないで済んでいる。

常に練習場の方がゴルフ場よりも体の動きはよくなる。練習場と同じイメージでゴルフをしようとすれば常にうまく行かない。そこで新しいアイアンを買う予定があるなら、今よりも3センチほど長いシャフトのクラブを買う。ライ角や形は好きなものを選ぶ。

そのクラブを使って練習場で練習する。そしてコースに出るときは3センチ短く握る。ただそれだけだ。アイアンを3センチ短く握るとバランスは一桁軽くなる。しかもシャフトが短くなる分劇的に振りやすくなる。

練習場でナイスショット出来るとして、これをゴルフ場で3センチ短く握ると体の動きが70パーセントに落ちるその分がちょうど相殺され練習場と同じ振りが出来る。ヘッドが軽いので幾らかヘッドが走り過ぎるとしても、短く持つ分だけわずかにライ角がフラットになり、左に引っかかるのを防ぐ。

月一ゴルファーが私のこの話を信じて新しいアイアンセットを選べばスコアを10縮めることが出来る。しかもこれならどんなに練習場で練習しても悪影響は最小限にとどめられる。今まで練習場で練習してはいけないと書き続けてきたが、この手を使えば練習場の練習にも幾らか意味が出てくる。

新しいアイアンセットを買う予定があるなら是非そうしてください。練習好きの日本のゴルファーがゴルフ場で「普通」のゴルフが出来るたぶん唯一無二の一手です。筆者

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