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0341 佐藤精一プロの悩み2
佐藤プロは「ボールを押すな」と言う。これは案外名言なので、その話をする。水の入ったバケツをぐるぐると回しても水はこぼれない。初めて遠心力を体験する瞬間かも知れない。そうしてぐるぐると回しているバケツを友達に投げつけようとした、とする。いつ手を離すか。

遠心力は回転の中心から真っ直ぐにバケツに向かって掛かっている。これを向心力が耐えてというか、腕が向心力による痛みに耐えてバケツは飛んで行かない。バケツの中の水は本当は飛んで行きたいのだが、バケツの底が邪魔をしている。友達の方向と遠心力の方向が一致したときに投げたら間に合わないのは明らかだ。それよりちょっと前に投げるだろう。

どの程度前に投げるかというと、腕の向きが友達の位置と直角になった瞬間だ。勢いを付けて投げようとするからそれよりちょっと前に投げるのか普通だ。この話は誰にでも分かる。それではゴルフスイングではどうだろうか。ゴルフスイングもバケツと全く同じことだ。

ティーアップしたボールを5メートル先の地面に置いた空き缶にぶつけたいと思ったとき、それはクラブヘッド自体を空き缶に投げつけるのと同じだ。どこでヘッドをシャフトから切り離すか、そういうことだ。

クラブシャフトがその空き缶の方へ向いたときに切り離しても遅いのは誰でもわかる。ヘッドは空高く投げ上げられてしまう。よく想像してみればすぐにわかることだが、クラブヘッドを空き缶にぶつけたければ、インパクトの少し前に手を離す、つまりシャフトと切り離すだろう。

クラブにはロフトがあるのでボールは上に飛ぶという感じがあって、それがゴルファーの目をくらませている。パワーの方向は地面に平行な方向であり、それは少し先の地面に置いた空き缶に他ならない。そこへバケツを投げる。そこへヘッドを投げる、と考えれば、あなたの力の入れ方はちょっと遅すぎる。

ボールを押したような格好のスイングでは空き缶の遙か上をヘッドが飛んで行く。手を離すのが遅すぎる。力を入れる場所が遅すぎる。力の方向が違う。佐藤プロはそれを何とかわかって欲しいと「ボールを押すな」と言い続けている。

実際スイング中にクラブヘッドを切り離して空き缶に当てようと思えば、インパクトの少し前に離すわけで、その先ボールを押すような行動はとらない。そういうスイングにはなり得ない。

バケツを投げた後の腕はそこでとまるか、あるいは円運動を続ける。決して友達の方へ伸びては行かない。上に上がっていくだけだ。ゴルファーの腕も決して目標方向へ伸びては行かない。

佐藤プロが、スイングはインパクトで終わりだと言うのは力学的に全く正しい。ただなかなかわかってもらえない。ボーリングの球を投げるのも全く同じで、手を離すのが遅れると球を本当に投げてしまって、数メートル先でドスンと落ちる。

腕が目標に直角になったところで投げる。そのあと腕は目標に向かって伸びている、ように見えるが、横から見れば明らかなように、腕はただ後ろから下、そして上へと回転しているだけだ。腕の回転軸は動かないし、いわんや球を押してなどいない。

円運動は見慣れているわりに本能的にわかりにくいもので、人はつい真っ直ぐ動くものをイメージする。等速直線運動が基本でそこから出られない。一次関数が身に付いているから指数関数がわからない。

だからサラ金の複利で身を滅ぼす。遠心力それ自体は一次の等速運動らしいが、接線方向の角速度で打ったり投げたりするわけだからややこしい。佐藤プロはそこで戦っている。がんばって頂きたい。筆者

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