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ゴルフスイングは左手首の使い方で大きく二つに分けられる。それは熊手型とほうき型という分類にも当てはまるし、スイングプレーン型と8の字型にも当てはまるが、そのほか幾つかの大きな分類のそれぞれに微妙に重なり合っている。

幾つかの円が重なっている絵は、色の三原色や集合の教科書で見るけれど、重なった部分はいいが、重ならない部分が問題で、これを無理矢理重ねようとして、スイングの解析が歪む。

バックスイングで左手首を手の平側に折り曲げるスイングはほうき型の典型的な形だが、ハッキリと見えるほど折り曲げるゴルファーはそう多くない。せっかくほうき型なのに、と思うこともあるが、ほうき型でも偉大な選手にはほとんど見られない。それもちょっと不思議だ。

こういう手首の使い方は昔からあって、いつでもお手本になる選手が必ず何人かいる。今ならジャスティン・ジョンソンとサバティーニだろう。セルヒオ・ガルシアもそうだ。

左手首を手の平側へハッキリと折り曲げるスタイルはほうき型であると同時に8の字型になるケースが多い。これは手首の折り曲げよりももっと外から見えにくいが、ゴルファーの半分以上がそういうスイングをしている。

真っ直ぐ引いてトップまで行き、ダウンスイングで今来た道を戻るのが一般的で正当だと思われているが、正当なものにはそれなりの落とし穴がある。正しい道という幻想にとらわれることが危険だ。

8の字型はスイングの軌道が行きと帰りで重ならない。その分難しいと思うが、スイングのパワーを考えると、助走距離は長い方がいいし、何よりそこにあるボールを打つということについていつまでも謙虚でいられる。

真っ直ぐ行って真っ直ぐ帰るスイングは慣れてくると機械的になる。それはいいことだが、機械的になると運動神経が居眠りを始め、スイングが徐々に遷移していることに気付かない。それが落とし穴だ。

8の字型はいつでもボールを打つことは難しい、という気分を維持できるからそこにおごりが出にくい。私は熊手型だから8の字スイングは使わないが、ほうき型で手首を内側へ折るスイングなら、きっと8の字型になるだろうと思う。

(ちなみに私は車で出かけるとき、近所でも遠くでも、行き帰りで同じ道を通らないようにしている。一筆書きで行く。5キロの道のりも500キロも、余程の事情がない限り一筆書きのルートを探し、道が交差しないようにするクセがある。病気だろうか。)

左の手首を手の平側に全く折らないほうき型はない。表面的には可能だし、実際にそういう風に手首を動かさないよう心がけるスイングはあるが、ほうき型なら必ず左の手首を手の平側へ折ったイメージでボールを打ちに行く。

熊手型はその逆だから、イメージがハッキリしないほうき型は熊手型の要素を取り入れてしまうわけだが、わかっていてするならいいが、知らずに混ざると爆発する。

ゴルフはどう打っても構わない。飛べばいいんだ、思い通りに。ただ、迷い道に入らないためには、左手首の使い方を決めなければゴルフが始まらない。 筆者

8の字型と言えば河野高明さんが有名だが、あまりに古いのでわかる人はいないだろう。現代ゴルフもほとんどは8の字型なのだが、外から見えるほど典型的なゴルファーがいない。

アメリカのプロには何人かいるのだが、どのプロも8の字型の典型と言うにはほかのスイング要素が複雑に入り混じっていて、読者の勘違いを恐れて名前は出さない。

補2
世界のテニス界は約30年前からパワーテニスの時代に入って8の字スイング一色になった。それ以前は真っ直ぐ引いて真っ直ぐ打ち出すのが主流だったが、パワーという点で劣る子供達が自然に8の字スイングをするようになった。

テニスは知らないと思うが、伊達公子はすでに8の字型が全盛期を迎えていた時期に昔ながらのオーソドックスな、言わばスイングプレーン型でプレーしていた。

8の字型に慣れ切っている世界レヴェルの選手にとって、伊達選手のフォアハンドストロークはタイミングが取りにくい。それが、非力な上に旧来のスイングで戦っていながら大成功を納めた理由である。

人と同じことをしていては非力な分勝てない。それを逆手に取ったわけだ。ゴルフスイングでもパワー不足を補いたいなら8の字スイングは効果的だから、いつ流行ってもおかしくはない。

補3
河野高明さんは日本人の非力を8の字型でカヴァーし、マスターズに出た。ちなみに私がよく名前を挙げる橘田規さんは全英オープン初の日本人プロゴルファーだが、彼はその独特な横振り打法で世界へ飛び立った。素晴らしいスイングだった。

補4
左手首を手の平側、つまり内側へ折り曲げるスイングをするとシャンクが出なくなる、場合があります。これは重心の前方への移動という、シャンクの基本的な原因を防ぐわけではありません。

これはシャンクのもう一つの原因、行きと帰りで軌道がズレるのに気付かなくなる、という方の問題を解決しているだけです。ただ、手首を折ったことで軌道が変わることにさえ気付かないのですから、イメージの誤差を補完するうまい手ではありますし、たぶんずっと使えると思われます。ホックが出やすいのだけが難点です。

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