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0553 飛ばなくなったらヨーヨー打法
テニスのブブックに「005 サーヴ基礎の基礎」というタイトルがある。外側から見ていてもわからない、力の出し方の違いについて書いてある。軟式テニスでも硬式テニスでも、サーヴのスタイルだけ見ると同じに見える。
テニスをやったことがない人ばかりではなく、何十年もテニスをしてきた人でも、その違いに気付かない。知っている人がいない。その点、野球の投手のフォームなどは、上半身のパワーで投げるタイプと足腰の捻転で投げるタイプと見分けが容易だ。
ところがゴルフスイングとテニスのサーヴは、そういう力の出し方の違いを感じさせないので、何となく気付いている人でもなかなか本質に行き着かない。説明もしにくい。ヨーヨー打法やスウェイ打法という名前が付いたタイトルを幾つも書いたが、もっと簡単な説明を、すでに私自身が書いていたことに最近気付いた。
「サーヴ基礎の基礎」を読めばわかると思うが、ここで少し書いてみる。
軟式のサーヴはパワーの源として腰の捻転を使う。硬式では両膝の屈伸を使う。腰の捻転を使うのは日本人の特徴で、それだけ日本人の腰の力が強いとも言えるが、逆に上半身などの筋力が弱いとも言える。
誰も気付かないけれど、腰の捻転でサーヴを打っているのは世界中で日本人だけなのだ。これは特別にまれな歴史的名選手と小さな子供のサーヴを除けば、例外がない。
一方、日本人で世界標準の力の出し方を使ってサーヴを打っているのは、プロや少数の上手なプレーヤーに限られる。しかし彼らも自分が打っているサーヴの方法と、まわりのプレーヤーの方法が根本的に違うことには気付いていない。気付かないほどよく似ているのだ。
私はこの事実をずっと前から知っていたが、ゴルフのスイングにもその日本人独特の力の出し方が大きく影響しているために、日本人がヨーヨー打法を使わないのだということには気付かなかった。
テニスのサーヴの場合、力の出し方を見分けるのは簡単なことだ。腰の捻転で打つタイプは、サーヴを打ったあとに右足からコートへ入っていく。つまり、右足が第一歩になって試合がスタートする。
左足を第一歩として踏み出すことは決してしない、出来ないのだ。なぜかというと、腰の捻転で打つということは、足が地面に根を張ったようにしっかりと踏ん張っていなければならない。右足は地面を蹴るが、左足はがっちり地面に喰いついている。
ボウトの上で軟式流の、つまり日本人流のサーヴをした場合、足の踏ん張りの反作用でボウトは回転する。スノウボードの上に乗って方向を変えているような感じになる。
腰の捻転ではなく、両膝の屈伸で打つ世界標準の打ち方ではボウトは回転しない。回転する代わりに、ボールを打つ方向の逆方向へボウトは真っ直ぐ走り出し、サーヴした人は水の中へ投げ出される。
両足でボウトの底を思い切り蹴った力でボールを前に飛ばす。水泳のターンのような蹴り方になる。だからボウトは後ろに滑り出し、サーヴァーは前向きに倒れながら水へ落ちる。
両膝の屈伸で打つサーヴの場合、サーヴのあとの第一歩を左足から踏み出すことが出来る、と言うか、自然に左足から出る。日本流では絶対に左足から出られない。無理をすると足払いの自作自演のようになって、勝手に転んでしまう。
この方法で腰の捻転で打つタイプかヒザの屈伸で打つタイプか、厳密に簡単に見分けられる。ところで、どちらの方法がパワー的に有利かというと、断然足を使う方だ。
軟式はボールが柔らかく軽いのでヒザの屈伸を使って打つとボールが円盤状になってしまう。だからある程度以上のパワーは入れられない。必要がない。人間のパワーが余るのだ。
しかし硬式ではまだボールの物性によってパワーが余る、制限されるような事態は起きていない。両足の屈伸を使ってパワーを出す方が有利なのだ。日本人は腰が強いから腰の捻転で間に合わせている。
しかしテニスレッスンの経験から、腰の捻転で打つプレーヤーに両膝の屈伸で打つ方法を教えるのに15分しかかからない。しかも、一度世界標準の力の出し方で打てるようになった生徒は元の打ち方へは戻らない。
不思議な話だが、元の、今までずっとやってきた腰の捻転で打つ打法を忘れるのか、決して元へは戻れないらしい。たった数十分で、元の方法を70パーセント忘れる。足で蹴る方が、それだけ楽に力が出せるということだろう。
ここまで書けばおわかりだと思うが、サーヴの場合は水泳のターンのように蹴るからボウトは後ろへ走り出すが、ゴルフスイングでは上から下へ真っ直ぐ地面を蹴る。だからボウトの上でゴルフスイングをすれば、ボウトはグッと沈んで、また浮き上がるような動きをするはずだ。
幾ら腰が強い日本人でも、ヒザの屈伸の力にはかなわないのはテニスのサーヴで証明されている。だからヨーヨー打法の方が楽にパワーが出せる。50歳を過ぎて飛距離が落ちたら、考えた方がいい。
飛距離は落ちてもスコアが落ちなければ(悪くならなければ)そのままでいいが、スコアが落ちて、飛距離は落ちていない場合はちょっと考えた方がいい。まずはボウトの上でスイングし、ボウトが真っ直ぐ下へ沈み込むか、それとも回転するか、調べればすぐにわかる。
腰の捻転型がほとんどだろう。屈伸型、つまりヨーヨー打法は少ないと思うが、ボールを巧くヒットできるかどうかの心配はあるが、やってみると案外当たる。ヨーヨー打法にはリズム感があるから、安定している腰の捻転型と比べて案外にそれほどの差はない。 筆者

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