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0569 改訂 左手首の返し方にワイパー打法を流用する(テニスからゴルフへ)
前置き
左手首の返しと言えば普通飛距離志向の話になる。ケプラーの法則の実践として、如何に急激に手首を返すかが問題になるわけだ。フィギュアスケートのスピンを見ればわかる通り、同じエネルギーを持った状態でも、回転速度は変えられる。
スケートの場合は手を一杯に広げれば回転はゆっくりになり、腕を体に寄せて縮めると回転は急に速くなる。スケーターが持っているエネルギーは同じで、別に速く回ろうと力を出しているわけではない。
同様のことがゴルフスイングにも起こる。「スイングスピードとヘッドスピード」に書いた通り、スケーターが腕を縮めてスピンの速度を速めて行くのと同じように、ゴルファーも同じエネルギーのままスイングスピードを速めることが出来る。
ただし、エネルギーは同じだから、相対的にゴルフクラブが、あるいはヘッドの先が最後にはハエタタキになるということだ。ハエタタキでいくらすごいスピードを出しても、ボールを打ったらはじかれて飛ばない。
どこまでが適当かはゴルファーによるが、その最適な位置までスイングを調整すると最大の飛距離が出せる。そのために手首の返しが重要になってくる。手首の返しは、フィギュアスケーターがスピンの速度を変えるために腕を縮める度合いをコントロールするのと同じことなのだ。
本題
私には飛距離志向がほとんどないので、手首の返しを気にしなかった。ところがコニカ・ミノルタのスイングヴィジョンでジャスティン・ジョンソンのスローを見ていたらふと思い付いた。
彼の手首の返しは普通に飛ばす方のやり方だが、あの飛距離はそういう技術からではなく、基本的パワーから来ていて、特別な手首の使い方ではない。左の手首はどのゴルファーよりも、セルヒオ・ガルシアよりも手の平側に折れ曲がる典型的なほうき型だ。
その手の甲を見ていたら、テニスのワイパー打法と呼ばれるスイングを思い出した。ラケットをワイパーのように動かす打法だ。ワイパーではボールは前に飛ばないはずだが、実際には飛ぶ。
ジョンソンの左手の甲は、手の平側に折れたままでインパクトを迎える。もしもそのあとその左手甲を目標へ向けたまま動かせれば、それはつまりワイパーのように動くしかない。
インパクトで壁というか、フロントガラスにペタッと張り付いた左手の甲が、そのガラスを拭くかのように動く。左の腕がひじを中心にワイパーになる。ひじから先の腕と手の甲がガラスに密着して右から左へと上回りに半回転する。
これは変な話だ。ラケットにしてもゴルフクラブにしても、インパクトのあと目標方向へ前進しないなどと言うことはあり得ない。あり得ないが、実際ワイパー打法は現代のテニスプレーヤーほぼ全てがやっている打法である。
昔はラケットは前進した。ボールを前に押すのだから当たり前だった。レッスンでワイパー打法を教えるとき、テニスコートのフェンスにボールを挟み込んで、それを実際にボールを打つのと同じ格好で打つような練習をする。
体は当然フェンスに対して横向きになっている。左足の靴をフェンスから10センチ離してスタンスを取り、大きくバックスイングしたラケットを思い切り振る。ただし、ボールの手前でラケットの動きを変え、フェンスを右から左へ、ワイパーのようにして撫(な)でるように動かす。
ラケットはフェンスに触れることなく振り切ることが出来る。私は出来るが、生徒には出来ない。ラケットが勢い余ってボールやフェンスにぶつかってしまう。スイングの勢いを落とさず、一瞬で力の向きを変えることがなぜ出来るかわからない。
円の内側を走るボールは滑らかに走るが、その円を四角形にするとボールは角でぶつかる。身の回りには力の方向を変えるメカニズムは沢山ある。その基本は円運動を直線にするメカニズムだ。実際車のワイパーも昔は一方向へしか回らないモーターの回転を一旦直線運動に替えてから行ったり来たりの運動を作り出していた。
今はその話に深入りしない。ワイパー打法の良さはラケット面が常に目標を向き続けることである。だからボールをコントロールしやすい。普通のスイングではラケット面の方向は刻一刻変わるので振り遅れては右へ飛び、早く動かし過ぎれば左に飛んでしまう。ワイパーにはそれがない。
ジョンソンがインパクトからクラブを前に出さないとなると、無論実際そんなことは出来ないと思うが、フェンスに当たらないラケットが可能なのだから、それに似たイメージでゴルフスイングをすることは出来る。
スローで考えてみると、インパクトのあと左腕のひじを折り曲げてクラブを壁に添って持ち上げ、左肩に背負う、という動作になる。ロフトがゼロのクラブならばラケット面と同じだが、クラブにはロフトがあるからこの動作はボールを恐ろしくホックさせる方向へ動いている。
これでは安定したコントロールを目指したスイングにはならない。しかしインパクトのあと、普通ならば低く長く取ったフォロースイングが見えるのに、ワイパーイメージではスイングが突然消える。つまり左肩に担ぐまでが速くなっている。
手首の返しと言えば左への甲が素早く下向きに、地面の方へ向くことだと思うが、ワイパー打法ではイメージとして左手の甲は目標を向いたままだから、手首を返したことにはならない。ならないが、明らかに手首は返っている。それも恐ろしく早く。筆者

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